6-5 零番迷宮 後編



【途中報告】
From:|一ノ瀬濫觴《世成鳳子》

ふむ……なるほど。最上君、君がこうして、この迷宮に挑んでくれたことを嬉しく思うよ。
いつだって、どんな状況だって、依頼は、謎は解決しなくてはならない。私が解決部の伝言板に書き残した言葉だ。
だからだからこそ、君が解決部の一員であることを、そしてその重大な役目を忘れてはいけない。

この迷宮の解決条件は既に三王君が示してくれている。それは「架空の一ノ瀬濫觴が当選することを阻止すること」だ。
そして迷宮内に一ノ瀬濫觴はいないはずだった。しかし、私は今、ここにいる。一ノ瀬濫觴はここに存在している。

だって一ノ瀬濫觴がいなくなるわけないじゃないか。その事実だけで彼女は既に救われているよ。
だから君のやるべきことは、「迷宮を解決する」ことだ。
|    《世成鳳子》を救う事じゃない。

さて、私はルークでルークを取るよ。

すまないが手加減するつもりはない。そんな私を、彼女はきっと望んでなどいないだろうからね。

powered by 小説執筆ツール「arei」