初恋終恋シャイニング




「上鳴くんだったの!?え、でも名前違う…」
「電気って言えなくてさ」
「スカート履いてた」
「姉ちゃんのお下がりばっか着せられたけど、さすがにスカートは履かなかったからスカートに見えるズボンだったんかなぁ?覚えてねぇーけど」
「髪の毛、三つ編みしてた」
「記憶力すごっ!ん〜多分暇だったから姉ちゃんに遊ばれてたんじゃねぇーかなぁ?」
「…手袋してた」
「個性出現してたけど、家族以外に教えちゃダメって言われてたからさ。常時手袋してたんだよね。あんま上手く個性使えなかったし」

昔の写真ねぇーかなぁー。と上鳴くんがスマホをいじる姿を見ながら、確かに一致する雰囲気に懐かしさを覚える。
あったあった!と見せてくれた幼少期の上鳴くんはあの時の女の子と瓜二つだ。

「上鳴、めちゃくちゃ可愛いじゃん!え!?なんで??」
「なんでってどういう意味だよー!!今でもカッコイイでしょーが!!」
「これは間違うよ〜可愛い〜!!」
「でしょでしょ〜??」
「…れんちゃん」
「はぁい」

僕の呼びかけににっこりと笑いかける顔はあのトンネルで僕だけに笑いかけてくれた顔に似ていて「僕も個性あったよ」と言えば「おんなじだね」とおかしそうに笑ってくれた。
これはかっちゃんに教えなきゃ!!と丁度エレベーターから降りてきたかっちゃんに「れんちゃん見つかったよ!!」と叫べば怪訝な顔をされた。

「何言っとンだ」
「だから!かっちゃんの初恋のれんちゃん!!」
「爆豪、初恋だったの?」
「初恋は実らないって言う迷信ねじ曲げちゃったんだね!!」
「…何の話だ?」

上鳴くんからスマホを借りてかっちゃんに"れんちゃん"の写真を見せると、かっちゃんの目が釘付けになった。しばらくして「…は?」と言うと写真と上鳴くんを見比べソファーに座り込んだ。

「てめぇ…嘘つきやがって」
「いや、俺もその日に家に帰るの知らなくてさ〜」
「名前」
「電気って言えなくてさ〜姉ちゃんも面白がって『れん』って呼んでたけど、他の人は普通に『電気くん』って呼んでくれてたからさ」
「クソが!!」
「でも、嫁になるのは嘘ついてねーだろ?」
「あの時ぜってぇー意味わかってなくて頷いただろ」
「多分ね」

深くため息を吐いたかっちゃんが「ランニングしてくる」と立ち上がり、切島くんが「俺も!」とついて行った。


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