初恋終恋シャイニング
小さい頃に一度だけ遊んだ事のある女の子。
かっちゃん始めみんなの初恋を奪っていったその子はキラキラ光る髪の毛を三つ編みに結び、お姫様のような肩がふわりとした袖のついた服を着てレースの付いたスカートを履いていた。そして、そんなに寒くなかったのに手袋をつけていた。
「一緒に遊ぼう」と声を掛けてきた時は可愛くてビックリしたのを覚えてる。
その子もまだ個性が出現していなかったみたいで「おんなじだね」と笑いかけてくれて顔が真っ赤になったんだ。
女の子なのにかっちゃんに負けず劣らず色んな事が出来て、ジャングルジムに登るのも早くててっぺんでかっちゃんがその子にプロポーズした時、僕は下の方で驚いて見つめることしか出来なかった。
次の日、かっちゃんのプロポーズに頷いた子は公園に来なくて他の子と近所を探したけど見つからなくてかっちゃんのおばさんに相談しに行くと、おばあちゃん家に遊びに来てたんじゃないの?と言われ、道行く人に「れんちゃんという女の子は知りませんか?」と聞いて回ったのだ。
結局見つからないまま、かっちゃんは珍しく落ち込んでいたからおばさん達も協力してくれたけど、やはり「れんちゃん」はいなかった。
かっちゃんはいつも通りになって普通に遊んでたけど、ジャングルジムに登ぼらなくなった。それからしばらく経った初詣に出店でかっちゃんが止まるから何だろうと近寄るとキラキラ光る指輪が売っていた。かっちゃんはおばさんにお年玉でコレを買う。と言うと黄色の宝石の付いた指輪を一つ買った。
「れんちゃんみたいだね」
「こんやくしたらゆびわをやるんだぜ!」
「そうなの?かっちゃんものしりだねぇ」
「…れんにあげてぇのになぁ」
シュンと落ち込むかっちゃんにおばさんが「今度逢えたら渡せばいいわよ」と励ましてくれてたし、その時の僕もそう思っていたけれど、きっとあれはもう逢えないだろうけどそうなるといいわね。という慰めだったのだろう。
あの指輪が今どこにあるのかは僕は知らないけれど、物持ちのいいかっちゃんの事だからきっと机の中にしまってあるんだろう。
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