6-3 零番迷宮 前編



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【最上と合流&途中報告】
From:世成鳳子(一ノ瀬濫觴)

 こんにちは。今度こそ、この謎を解決しに来たよ。
 私は一ノ瀬濫觴と申します。この選挙戦において、どうやら私の登場が不可欠なようだね。だから、こうして姿を現したよ。

 さて、最上君の言う「認知の歪み」を正したところで、早速本題に入りましょうか。
 君の報告文を読ませてもらったよ。「投票箱の撤去、投票用紙の書き換え、獲得票の買収」あらゆることを試みても「一ノ瀬濫觴」が当確するという結末。
 それはこの選挙に置いて不正が行われているという事実に他ならない。

 よって、会長権限として「選挙方法」の変更を宣言する。
 次期会長は投票方式ではなく、チェスの勝敗によって決める事とする。
 対抗馬は君だ、最上君。……君はこの公正な選挙の不正を暴いてくれたからね。正義を貫く者として私の対戦相手に相応しい。
 そしてみんなには、これから行われる勝負に不正は無く、勝者が誰なのかを見届け、そしてその勝者こそが次期会長であることを認めてもらいたい。
 重ねて宣言するが、これは会長権限だ。
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【途中報告】
From:世成鳳子(一ノ瀬濫觴)

 予想通り、私が一ノ瀬先輩を名乗ると、みんなあっさりとそれを認めてくれました。当たり前ですよね。だって、一ノ瀬先輩はこの迷宮のどこにも「いない」のですから。そして「架空」の一ノ瀬先輩を選び続ける彼らは「本物」の一ノ瀬先輩を知らない。虚しさと共に、怒りすら覚えます。だけど、だからこそ、誰も、私が「一ノ瀬濫觴ではない」ことを証明できない。

 さて、狂った世界を終わらせるために、是非とも勝負をお願い致します。最上先輩。
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