高杉社長とトレジャーハント!
カルデアに帰還すると、高杉とマスターは医務室で手当てを受ける。すぐに処置は終わり、廊下に出ると経営顧問が待っていた。
「ミスター・高杉、特異点から戻ったばかりのところ悪いが我々から話がある。心当たりはあるだろう?」
「なんだもうバレたのか。流石は名探偵、と言うべきか?」
「バレた?」
マスターが疑問を投げかけると、高杉はさらりと答えた。
「ああ。あの特異点作ったの、僕なんだよね」
トレジャーハントをテーマにして、細かいところはランダムだったんだが、と付け加える。
あまりにもあっけらかんと言うものだからマスターは固まり、ホームズは小さくため息を吐いた。
「いやあ聖杯って本当に拾えるものだな!」
「何してるんですか!?」
氷解してやっと驚きの声を上げれば、高杉は大口を開けて笑い出す。
「でも僕とのトレジャーハント、面白かったんだろう?」
「そっそれは、そうですけど!」
特異点で言ってしまったので今更否定することもできない。まさかこれが狙いだったのか。
「なら良しとしようじゃないか。あまり根を詰め過ぎてもよくないぞ、マスター君。ホームズ君もな」
「それとこれとは別だがね」
誤魔化しは通じないぞ、と言わんばかりにホームズの鋭い視線が高杉に向けられる。その視線には若干の呆れも混じっていた。
「わかったわかった。今回は大人しく怒られようじゃないか」
再び高杉の笑い声が廊下に響き渡る。何事かと廊下を行く人々が振り返るほどだ。
……その後、高杉は新所長たちにこっぴどく叱られたのであった。
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