泡沫の旅路
⬛︎ 終わりと始まりの物語(ver.1前)
ウェナ諸島を巡る旅を終え役目を果たしたウェディの冒険者フェイは、かつて仲間を失った場所で自らの命を絶とうとする。その前日、浜辺で夕陽を眺めていたフェイの姿に一目惚れした駆け出し冒険者のシンクは「討伐依頼を手伝ってくれないか」と彼女に助けを求め、それをきっかけに短い旅が始まった。
旅の途中でフェイの言動に違和感を覚えたシンクは「フェイの姿を借りて旅をしているモカ」という存在に気付き始めその謎を明かそうとするが、自らの行動を妨害するシンクにモカは激怒する。逆上したモカはシンクに襲いかかりトドメを刺そうとした瞬間、レンダーシアの地で勇者姫が覚醒。勇者の光によってアストルティアの各地で魔瘴が浄化され、二人は悪しき呪いから解放されたフェイの魂と邂逅する事になる。
二人が愛した魂は「モカがこの世界を生きていくこと」と「モカが生きていけるよう見守ること」を願った。これをきっかけに、二人は生きる理由を求める旅を始める。
=== story =================
少年は、夕陽を浴び鮮やかに輝く砂浜の上に佇むウェディの少女を見つけた。
身にまとっている白いローブと、珊瑚色の長い髪が潮風に揺れる。その身なりから、レーンの村の住人では無く自分と同じ旅人である事が分かった。
少女は古めかしい杖を両手に抱え、燃えるような紅に染まる海をじっと見つめている。
その姿はまるで、何かに祈りを捧げているようにも見えた。
少年は僅かな違和感を覚えたが、それとは別の衝動に駆られ無意識に彼女の方へと歩み出す。
彼女を一目見た瞬間、少年は恋に落ちたのだ。
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⬛︎ 生きる理由(ver.1~2)
幼い頃から綺麗なものを見るのが好きだったモカは生きる理由を「芸術」とし、美しいものを求める旅を始める。
一方シンクはフェイの形見であるラーの鏡の破片を材料にした眼鏡を作成。眼の力を抑える手段を手に入れた事をきっかけに、少しずつ自分の力と向き合い始める。
(うちよそ交流は大体この時期の物語)
(活動範囲は5大陸のみ)
⬛︎ 光求めて(ver.3~4)
勇者と盟友の活躍により、二人の旅の活動範囲に真のレンダーシアが追加。
ドラクロン山地でドラゴンの美しい在り方に憧れを持ったモカは「ドラゴンになりたい」という願いを持つ。その時のモカの表情を見たシンクは、彼女が初めて持った「自分自身の願い」を叶える為に協力する事を決意。二人は夢を叶える為の旅を始める。
=== story =================
『あの竜のように、空を自由に泳ぎたい』
それは彼女が初めて口にした 、彼女自身の願いだった。
この感情の存在に気付き始めたのは、一体何時からだろうか。俺とモカさんの関係は部外者でしかなく、二人で冒険をしているのは俺自身の意思ではない。それはモカさん側も同じだった。
俺達は「彼女」が遺した願いの為に旅をしていた。その過程に意味など無く、結果として残ったものが「彼女」に対する愛の証明となる…… そう信じて歩み始めた。だからこそ、その感情の正体が俺には理解できなかった。
良いんじゃないか、と呟く。
それは決して「彼女」の為ではない。
陽の光を浴び輝く雲海。それを引き裂かんとする剣のような山々。その間を美しい竜が自由に飛び交う。この絶景を目の当たりにしたモカさんの表情を見て、不思議と嬉しく思えたからだ。
何か自分に協力できる事は無いか、と彼女に尋ねた。彼女の望みを叶える事ができたら、きっとこの感情の答えが分かるに違いない……そう、感じていた。
その日から、俺達の旅は少しずつ変わっていった。
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