02∣鶴蒔氷雨
|撃剣興行《げっけんこうぎょう》。
明治時代、榊原鍵吉によって広められた真剣を使った立ち合いの見世物である。
世が平穏に向かう中、腕を奮う場を失った剣客たちは一堂に会し妙技を競い合った。その激しさはまさに剣闘。得物を手に互いの命と技を削る。磨き上げられた術理と業前の限りを尽くし、刀と刀を打ち合わせる。果たし合いとも違う、ただ相手を打ち負かすためだけの争い。
当時の観客は命懸けの戦いに熱狂し、金品を投げ|銭《おと》した。
明治九年の廃刀令で職を失くした侍により、撃剣興行はさらなる栄華を迎える。毀誉褒貶をほしいままに、撃剣興行は隆盛を極めた。
そして、現代。
撃剣興行は「撃道」と名を変え、日本の国技として確立した。
技の素早さと正確さが求められる剣道、技の精密さと瞬発性が求められる居合道とはまったくの別物。
撃道とは、力と力、技と技の全てを懸けたまさに真剣勝負。
相手が膝をつくまで終わらない魂の削り合い。
いつからか、撃道を歩む者を人々はこう呼んだ。
────撃剣師、と。
主人公・焔は一流の撃剣師を目指し撃道の世界へ足を踏み入れる。
全く新しい剣戟スポーツアニメが、今ここに幕を上げる!!
テレビアニメ「撃剣師」公式ホームページより
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