ヒカセンマリィさんのはなし



 それから、改めて探していた薬草の群生地に連れて行ってもらい、男性とは別れた。
 沢山話を聞かせてもらったし、あまり時間を頂くのも悪い。帰りは、転移魔法を使えばすぐなのだし。
 到着した採取地は、揺れる木漏れ日の中の花畑といった様子で、とても美しい場所だった。
 ……マリィもここに薬草摘みに来ていたのかしら。まだ私よりも小さかった頃。何も知らない少女でしかなかった頃に。
 今私がいるこの場所に、かつてその姿があった。そんな光景を想像して、なんとも不思議な気持ちになる。
 ほんの少しだけかもしれないけど。前より、あの人に近づけたような、そんな錯覚。

「こんな物かしら。アルフィノ、そっちはどう?」
「ああ、こちらも問題ないよ。数を確認したら、そろそろ帰ろう」

 二人で手分けして、丁寧に採取した薬草を改める。
 マリィのメモにはきちんと採取の詳しい方法まで書かれていた。花から数えて何番目の葉までを切り取るのか。持ち運ぶ際の保管の方法も。
 確かに、この手間をこの量にかけていたら、どんなに隠れて近づいても、採取中に誰かに出くわすかもしれないわね。
 それでもきっと、妥協はしなかっただろう。何せ、森の恵みを分けてもらう、グリダニア園芸師の直弟子でもあるのだし。
 ……ホントにあの人、どれだけやってるのかしら。やる事自体はいいとして、いつ休んでるの?
 ほどほどにしないと、無理し過ぎは弟だって心配すると思うんだけどね……

「おや? あんた達はさっきの」
「……先ほどは、どうも」

 頼まれた数をきちんと満たしているかの最終確認をしていたら、先ほど私達を怪しんだ声をかけてきた、あの女性が手にカゴを携えて訪れたようだった。
 私達に気がつくと、また胡散臭いものを見るような視線を向けて。それから私達の手にある採取済みの薬草達、そして相変わらず美しい花の群生地を順に見て、何やら納得したように頷いた。

「流石に、うちの村の親戚だけあって、ちゃんと程度って物を分かってるみたいだね。それなら良いのさ」
「それは、勿論。この森の恵みは、精霊からの賜り物です。無作法に取りすぎるなど、あってはなりませんから」
「そうとも。外から来た若者にしては感心だね」

 村人の縁者ということにした事もあり、そしてこうして村でも重宝している薬草の採取地を不必要に荒らしはしなかった。
 それらが重なり、やっと少しは警戒を緩めてくれたらしい。
 こういう女性には、アルフィノの優等生百点満点な発言がウケが良い。やり取りを任せていて正解よね。

「外から来るのが、あんた達みたいな子達ばかりなら、私らもこんな警戒しなくて良いんだけどねえ」
「そんなに多くの方が訪れるのですか?」
「最近は落ち着いたけど、昔この花が外国で流行ったらしくてね。冒険者とか名乗る奴らが来た時は酷かったんだよ、大人数でどかどか踏み荒らして、しまいにゃ手当たり次第、根っこごと乱暴に引き抜いて! ありゃただのならず者だね」
「それはそれは……、大変な目に遭われたのですね。あなた方の警戒も、尤もです」
「そうだろう? だってのに、うちの村から冒険者になる、なんて飛び出してったバカ娘が居たんだよ! あのならず者共が荒らしたここを元通りにするのに、どれだけ苦労したか知らないんだから!」
「……そうでしたか」
「あんなヤツらの一員になりたいなんて、気が知れないよ全く! 家族も恥ずかしくてノフィカ様に顔向け出来ないって、星界で泣いてるだろうさ」

 ……ッ!!
 ぶわっ、と頭に血が昇ったのが分かった。
 確かに、冒険者にはならず者としか言えない輩が一定数居る。どちらかと言えば、そちらをイメージする人も多いかもしれない。
 けど、彼女はそんなゴロツキ崩れの冒険者なんかじゃない。
 行く先々で人々の困り事を聞き、どんな小さな仕事だってきちんと丁寧にこなす、とても誠実な冒険者だ。
 そしてそれ以上に、このエオルゼアの危機を何度も救った、名実共に英雄である。
 知らないのは仕方がない。こんな森の奥で外との交流を絞ってたら、彼女の偉業を知る機会だって無いんだろう。
 それでも。そうして、あなた達が閉じた世界で安穏と暮らしている、その時に。
 その身を削って戦い、数多の犠牲に心を痛めて、それでも揺るがず立ち続けて。
 本当に何の比喩でもなく、命をかけてこのエオルゼアを、この世界そのものすら、護ったと言って良い。
 その護られた世界には当然、この国が、この森が。……あなたという人間も、含まれてるって言うのに!
 彼女の心も献身も知らずに、その愛する家族まで貶めるような事を、よくも!!

「…………」
「そうですか。では、我々はこれで。本日はお騒がせ致しました」

 開きかけた口を、咄嗟に硬く閉じる。姿を見ると睨みつけてしまいそうだから、瞳も閉じた。
 ぐるぐる回る怒りを身の内に閉じ込めて、漏らさないように。
 そんな私がどう見えたかは分からないけれど、アルフィノは否定も肯定もしない相槌を打ったあと、暇を告げて私の手を取り、歩き出す。
 もちろん、森の中で目を閉じて歩く訳にはいかないから開いたけれど、視界にあの老女が映らないように、アルフィノが導いてくれていた。
 しばらく歩き、周囲に誰の気配もない事を確認してから、私は留めていた感情を吐き出すように、はあっと大きく息を吐いた。

「驚いたよ。てっきり、その場で怒り出すと思った」
「どういう意味よ。……と言っても、確かに昔の私なら、速攻キレてたでしょうね」

 以前の私なら、無知をひけらかし、恩も知らずに好き勝手を言う村人に、なんて人なのと憤慨して怒鳴り散らしていただろう。
 こんな人が住む国に、尊い人が命をかける意味なんてあるのかと。エオルゼアには、救われるだけの価値があるのかと。
 そんな怒りにも似た傲慢に、私は簡単に飲まれていたと思う。
 ……けれど。

「今の私は、マリィが信じて頼りにしてくれた私よ。みくびらないでくれるかしら」

 決して、彼女は故郷の人々を恨んでも憎んでも居ない。今も愛しているし、偏屈な村人達なりの平穏を尊重している。
 ……マリィは、私達双子をずっと見守ってくれた。
 きっと、ここへ来て、自分があんな風に思われているのを私達が知った時に、怒りを覚える事だって分かってたはず。
 なのに、私達がここへ来る事を、彼女は許した。
 今の私達なら、愛する故郷をいたずらに乱すことはないと、信じてくれたのだ。
 それを裏切るほど、今の私は愚かではない。そう思っている。

「そういうアルフィノこそ、昔ならああいう時、空気も読まずに『あなた方は間違っている!』なんて説教し始めたでしょ」
「……そうだね。あの頃の傲慢な私ならば、そうしただろう。だが、今の私は、人の心とはそのように変えるものではないと、理解しているつもりだよ」

 アルフィノもアルフィノで、自分の力があれば人々を導けると本気で思ってたし、愚かな群衆を正すのだ的に思ったんじゃないかしら。
 でも、私と同じで、アルフィノもあの頃のアルフィノではない。
 私達はそれぞれに、彼女に導かれてここまで来た私達なのだから。

「まあ、腹が立つものは立つけどね! 好き勝手言ってくれちゃって、今にその手のひら勢いよくひっくり返して感謝させてやるんだからね!」
「そうだね。それくらいはあって良いだろう」
「具体案はアルフィノに任せるわ。どうせもう考えてるんでしょ?」
「ああ。決して彼らは、村の外との交流を絶っている訳ではない。出入りの行商は居るようだから、先ずは彼らに品と共に情報も運んで貰おう。元々、そういうものだしね」
「うわ、ホントに考えてる」
「それに、鬼哭隊の方から働きかける余地もある。槍術士としては言うに及ばず、今や彼女は世界屈指の竜騎士の一人。双蛇党でも冒険者としては最速最大昇進記録の持ち主だ。指揮する小隊も評判が良い、グリダニアの軍に所属するもので彼女に憧れない者は居ないと言って良い程だ」
「グリダニアで? エオルゼアでの間違いじゃなくて?」
「そうとも言うね」

 そうとしか言わないでしょ。どこの軍部と共同戦線があっても、暁所属って理由とは全く別に敬礼されてる人よ。
 さておき、ホントにあれそれ根回しする気だわ、別に止めないけど、むしろやっちゃって欲しいけど。
 何も、物理的にぶっ叩きたい訳ではないし。
 ただ、彼女に堂々と家族に会いに行けるようになって欲しい。それだけ。
 それくらいの見返りは、あって当然だと思う。その行いに対して考えたらとても足りてないけど、あんまり多くを彼女は望まないだろうから、せめてそれだけは。

「人は、きっかけが無ければ変わらない。良くも悪くもね。特に変わる必要も疑問も感じてない人間は」
「だからこそ、ちょっとずつ小出しにして、疑問を持たせようって話ね」
「ああ。……けれど、私達が何かをしなくとも、いずれは自らの力で、その名をここまで届けるだろうね。彼女は、それほどの人だ」

 例え、森の奥の辺鄙な村であろうと、いずれはその名を知らない方がおかしいほどの大英雄になる。
 それが当然だと、アルフィノは眩しい物を見るような表情で、視線を遠くへ向けた。
 どんな想いを馳せているのかなんてバレバレで……、私はたまらず、肩をすくめて息を吐く。

「アルフィノ、あなたのそういうトコよね」
「どういう意味だい?」
「事あるごとに、『自分は彼女の一番の理解者です』って顔するトコ。なんなの? 後方彼氏面恥ずかしくないの?」
「かっ?! ……わ、私はそんなつもりでは!」
「誤魔化し方がヘタクソなのよ。そんなつもりじゃないとか? じゃあどんなつもりで、先日寝てる彼女の髪を一房掬って、こう」
「ああああああああああ?!?!!」

 腰に手を当てて問い詰めたら、アルフィノの絶叫が森に響いた。
 ホント、頭が良いくせに誤魔化すのヘタすぎない?
 寝てるマリィの髪にキスしてるシーンを、実の妹に見られてた事に顔を赤くしたり青くしたりしてるアルフィノにジト目を送る。
 なお、実の兄のそんな姿を見てしまった私も大変気まずい。

「……み、みみ、見て……!!」
「見たくて見た訳じゃないわ。他の人を起こしちゃうから、声出すの耐えたけど」

 顔が良いからそんな姿もサマになって見えたけど、普通に考えて髪とは言え意識のない女性の体に無許可で触れるとか、一種の変態行為と罵られても文句は言えない。
 あと、他の人も見てなかった保証は無い。知らないけど。みんな見ないふりしてくれてたのかもしれない。
 少なくとも、確実に寝ていたマリィは知らないことだろう。

「かっ、彼女には、その、内密に……!」
「心配しなくても、実の兄が不埒者ですなんてわざわざ言わないわよ。私にまで被害が出るじゃない」
「不埒者……」
「まあ、言ったところで『そうなの』で終わりそうだけどね」

 トドメを刺してやったら、アルフィノは顔を覆って黙ってしまった。
 ホントにそれで終わりそうなのよね。アルフィノを男性として見てないのもあるけど、マリィ自身に女性としての警戒心がほぼ無いと言うか。
 少なく無い数の男性に想いを寄せられている。見ている私でも分かる。なのに、彼女はその全てをスルーする……っていうか、本気で気付いてない。
 今日のことでなんとなく分かったけど、たぶん彼女、『女性』としての意識より、『姉』としての意識が非常に強いのだと思う。
 ずっと弟を思って、弟への土産話を作り続けているようなもの。それはまあ、そうなるかしら。
 だから、アルフィノの密やかなアピールも可愛い弟のそれに見えるし、ウリエンジェみたいな迂遠な言葉も詩的な人で終わる。
 サンクレッドなんかはもう、先ず最初の印象が悪すぎる。というか、これまでの女性と同じ調子で声かけて引っかかる人じゃないでしょうに。おかげで本気の全スルーを食らってる。あれは姉意識とか以前の問題。
 情けないのよ、男ども。

「っき、君こそ!」
「なに?」
「君の方こそ、何かと言えば『彼女の相棒は自分だ』と言いたげに振る舞うじゃないか! あれはどうかと思うが!」
「アルフィノの拗らせと一緒にしないでくれる?!」
「何だいそれは!」
「何よそっちこそ!」

 むむむむ、と眉間にシワを寄せて睨み合う。
 ひとしきりそんな時間を過ごしたあと、殆ど同時に耐えられなくなって、二人でぷつと吹き出して笑ってしまった。
 あー、おかしい。何をくだらないことでムキになってるのかしら。
 ……こんな些細な時間すら、以前の私達には縁遠くなっていた。
 互いに同じ理想を追いながら、道を違えた筈の私達は、もう一度こうして口喧嘩したり、笑ったりしている。
 そう出来るようにしてくれたのも、傍で見守り、導いてくれたあの人のおかげ。
 ……ああ、私達も、同じように出来るだろうか。
 愛する家族に、当たり前のように会いに行けるようにしてあげたい、そう願う。
 多くを与えてくれる彼女に対して、あまりにもささやかなお返しだけれど。それでも、少しでも返したいのだ。
 私達に分け隔てなく注いでくれる愛を、あなたにも。

「帰りましょうか。マリィの方が沢山集める素材があったけど、あの人のことだからとっくに済ませて先に待ってるかも」
「そうかも知れないね。急いで帰るとしよう」
「あ、あとあんまり二の足踏んでると、そのうち私が貰っちゃうから」
「えっ」
「せいぜい気張りなさいよ、情けない男ども? じゃ、お先に」
「待っ、アリゼー?!」

 何を慌ててるのやら。まさか、私はライバルに数えてなかったとでも?
 むしろ、気を使ってるのか駆け引きしてるつもりなのか、煮え切らない男ともに任せるより、私が堂々と掻っ攫って幸せにしちゃうとか、普通にアリじゃない?
 お先にと、転移の魔法を詠唱し始める。いつも優等生顔ですましてるアルフィノの慌てる顔が面白くて、口元は笑ってるだろう。
 横合いから持っていかれるのがイヤなら、さっさと勝負決める覚悟を持って欲しいものよね。結局、振られるのが怖くて様子見してるだけでしょ? そんなんじゃ、鈍い彼女は一生気付かない。
 ……なお、別に発破をかけたつもりはない。むしろ宣戦布告だし。
 あの人が幸せになれるなら誰でも良いけど、それはそれとして他の人が隣に居るのとか、普通に腹が立つからね!!
 転移魔法の発動と同時に、瞬く間にグリダニアの黒衣森から、モードゥナのレヴナンツトールへと移動が完了する。
 ぱち、と目を開くと、石の家へと繋がる酒場の前でマリィが壁に背を預けて立っていて、私の姿に気がつくとすぐに駆け寄ってきた。
 ……本当に先に全部終えて、待ってたわね。仕事が早すぎるわ。
 こっちがだいぶ話し込んでたせいはあるだろうけど。

「お帰りなさい、アリゼー。……アルフィノは?」
「すぐに来るわよ。あ、ほら」

 すぐ傍で転移魔法の揺らぎを感じ、ほらと示すとやはりアルフィノが転移を終えて到着した所だった。
 なんとなく恨みがましい目をこちらに向けてるけれど、知らん顔してマリィに笑顔を向ける。
 私達の様子に、マリィはなんとなく何かあったと察したのか首を傾げたけれど、深く尋ねることは無かった。

「アルフィノもお帰りなさい。……大丈夫だった?」
「ああ、勿論。これが依頼の品だ、確認してもらえるかい?」

 訪れた先で何があったのか。お互いに詳しく聞くことはなく、話すことも無い。
 必要がないのだ。私達が何かを知ったのは彼女は察するだろうけど、それも良しと認めて送り出してくれたのだから。
 そして私達も、だからと態度を変えることはない。
 知った所で、変える必要が無いのだもの。彼女は、私達の大切な人。そこから、今更変わるはずがない。

「……確かに受け取ったわ。本当にありがとう、手間を掛けさせてごめんなさい」
「感謝は受け取るけど、謝罪は必要はないわよ?」
「そうとも。今朝も言ったが、これくらいはお安い御用なのだからね」
「ええ。それでも、本来自分でやるべきことを任せてしまったから。何か、お礼がしたいのだけれど」
「それなら、甘いものが良いわ。勿論、マリィの手作りのやつね」

 むしろ、普段助けられているこっちがお礼をするべきなのだけど。
 それを言い出したらキリがないから、私は遠慮なく提案する。渡したいと申し出られたものは、受け取った方がお互いスッキリするだろうし。
 にこっと笑う私に、アルフィノもそれは良いねと頷いた。
 対してマリィの方は、きょとんとした顔になる。

「構わないけれど、そんなものでいいの?」
「あら、謙遜はよくないわよ? 貴女ってば、調理師ギルドの……レストランビスマルクの秘蔵っ子じゃない」
「聞いたところによれば、ギルドマスターの代理も務めたらしいじゃないか。常に調理師をしている訳では無い君の手製の菓子は、ギルを積めば必ず手に入る物でもない。とても希少価値があると思うよ?」
「……まあ、そう、なの、かしら?」

 ホント、これなのよね。
 自分が何を出来るかは正確に把握しているクセに、それが他者にとってどれほどの価値か、という部分にはとんでもなく無頓着。
 まあ、だからこそ驕ることもなく研鑽をし続けるし、無名の依頼人相手でも分け隔てなく接する、いい職人にして冒険者なんでしょうけどね。

「分かったわ。あなた達がそれがいいと言うなら」
「やった! じゃあ、紅茶は私が淹れるわね!」
「それでは、私はタタル達に声をかけてこよう。依頼の完遂も伝えなければいけないしね」
「ついでに、訓練組が戻っているようなら呼んであげて。あの人達の分も用意するわ」
「騒がしくなりそうね……」
「アリゼーは騒がしいのは嫌い?」
「別にそうじゃないけど。……ま、ずいぶん頑張ってるみたいだし、あっちにもご褒美は必要よね」

 人数は多くなるほど騒がしいけど、きっとその分楽しい。
 明らかに一人ではない、と思える時間が多いのは、幸いじゃないかな、と今は思えた。
 二人きりのお茶会、なんてのもいいんだけど、それはいつかの機会にとっておこう。そもそも、アルフィノと二人でこなした仕事だったんだし。
 紅茶を淹れるのはすぐだけど、せっかくだから作るのを傍で見ていても良い? とついて行ったら、なんだか嬉しそうに頷いてくれた。
 嬉しそうと言うか、とんでもなく微笑ましいものを見る瞳。
 ……うんまあ、私もアルフィノと同じで、完全に妹扱いなのよね。
 思うところはあるけれど、今のところはこれでもいい。
 この人が、寂しさなんて感じる時間が減るのならば。今は、これで。



 その背中は、今にも手が届きそうで、でもどんなに伸ばしても届かなさそうで。まだまだ遠く、追い付けないけれど。
 いつか、その背を支えられるように。
 ……もしも出来ることならば、その隣に並び立てる日が、来るように。
 信頼と共に、微笑みを向けて貰えたらと夢見ながら。
 私は今日も、貴女という光を追い駆け続ける。





















(後日、後方腕組相棒面にバチギレるアリゼー)(笑)

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