ヒカセンマリィさんのはなし
ヒカセンマリィさんの話
でもマリィさんはほぼ不在、ずっとルヴェユールの双子のターン
視点はアリゼー(すきすきだいすき)
恐らく漆黒後、暁月前らへん
ストーリーの直接ネタバレは極力抑えてる
でも街の話とかジョブの話とかには触ってる
【ざっくりうちヒカセン】
お名前は「マリィ」さん
緑髪(ポニテ)、緑瞳、メインジョブは竜騎士
女性エレゼン(フォレスター)、グリダニア出身
年齢20歳、最高身長、最低胸囲(
クールというよりは冷静な穏やか系ボクっ娘お姉ちゃん
■
───きっと。
『英雄』と言う言葉を人の形にしたら、彼女になる。
私の知る限り誰よりも強くて。数多の国が頭を悩ませていた蛮神問題に真っ向から立ち向かい、打ち倒す神殺しの英雄。
そんな人、今まで聞いたことがない。一つの蛮神の対策に特化し、退け続けた者達は居たそうだけれど。
帝国が持ち出してきた蛮神喰らいの究極兵器すら討ち果たし、その後も立ちはだかる脅威を退け続ける彼女の力を疑う者なんて、最早エオルゼアには、……帝国にすら居ないと思う。
普段は槍を手に竜騎士として戦うけれど、刀や銃を扱う姿もよく見る。
それだけではなく、癒し手としても優秀とグリダニアの導師達、どころか角尊の方々すら認めたという話も聞いた。ウルダハでは、護り手たる自由騎士として名を馳せているのだとか。
私と同じ師の元、赤魔道士の戦い方も学んだらしい。私がそうだからか、共に戦う時に細剣を握る所は見た事がないけれど。
優れているのは戦いの才能だけではない。
やはりあまり現場は見た事は無いけど、職人や採取人としても高名なのだ。
門戸を開いているギルドにはほぼ所属しているようだし、その全てで成果を上げている。生半可なレベルではなく、伝え聞いただけでも女王に供される料理を手掛けた事もあるというのだから、あの若さを思えば理解しがたい領域まで行っている。
それに、各地の復興支援事業にも、かなり深く関わっているとも。
敵を倒すだけで無く、その手で作り出すもので沢山の人を救っているのだ。
……もう本当に、逆に何なら出来ないの? というレベルでなんでも出来る人。
本人にそう聞いたら、『縁があって出来そうな事をしてるだけよ』と返ってきたものだから、尊敬を通り越して呆れてしまうのも無理はないと思う。
決して、有能な人だから、才能があるから、なんて一言で片づけられる話じゃない。もしそれがあったとしても、常人では考えられないレベルの努力と研鑽が、間違いなくそこにはある。
更には、実力・技術だけでもなく、その上に人格まで備わっている。
言ってしまえば、一つを突き詰めた実力者なら他にも居る。その前提で同じ土俵で比べれば、彼女に並ぶ人間は沢山居ると思う。
『超える力』も『光の加護』も、希少性はあれども彼女唯一のものではない。同じ力を持つ人間を『暁』は多く集めていたけれど、在野に何人も居る事だろう。
それでも彼女が英雄と呼ばれる所以は、ひとえにその人柄が大きいと思う。
常に冷静で。落ち着いていて。けれどそれは冷たいのではなく、むしろとても暖かく優しい人。
決して他人の苦しみを見過ごさず、助けを求める声に当然のように手を差し伸べ、不安を溶かすように包み込んでくれる。
そんな人だから、悩める人間は『この人ならば』と想いを吐き出せる。抱えた願いを安心して託せる。無論、どんな内容であろうとも、彼女は笑ったりしない。大切に受け取って、寄り添って、導いてくれる。
例えそれが、一時は敵として対峙し、自らを陥れようとした人間であろうとも。
自分に向けられるのが、叶えたい切なる願いであるとわかったなら、決して彼女は無下にしない。
そうして、沢山の人を、仲間である私達も救う人だから。
彼女は多くの人に慕われる。希望を託され、謳われる。
エオルゼアの英雄。光の戦士。希望の灯火。導きの星。
……でも、本当は。
それは、ただ一人の人に背負わせて良い重荷ではない。
当たり前のような顔をして脅威を払いのけ続けてしまうから、つい忘れてしまう人も居るだろうけれど。彼女だって普通の、一人の人間に過ぎないのだ。
本当なら、エオルゼア中の、……それすら越えた人々の希望を、期待を、未来を、たった一人に託すなんておかしい。そんなの、その重さに圧し潰されたって不思議じゃない。
時には、『期待している』『さすが英雄殿』なんて耳障りの良い言葉でおだてて、都合の良い武力として扱っているようにしか見えないこともある。あまりにも、あんまりだ。
傍で見ているこっちが心配になる。なのに、彼女はいつも平気な顔で、人の期待と願いを受け止め続ける。
……以前。彼女と行動を共にするようになって、しばらくした頃。尋ねた事がある。
『どうして、そこまで頑張れるの』
『面倒ごとばっかり押し付けられて、嫌にならないの』
私が聞くことではなかったかもしれない。私だって、彼女の力を、存在を、頼りにしてしまう一人だった。
けれど彼女は、気を害した風もなく。
ぱちり、と一つ瞬きをして。それから一度、瞳を閉じて考えて。
もう一度開いた瞳に迷いなんて微塵もなくて。ただ真っ直ぐ、私を見ていた。
『ボクはなんでも出来る訳じゃなくて、助けられない事も多いけれど。それでも、目の前に困難に喘ぐ人が居る時、それを取り除く為の術を一緒に考えてくれる仲間が居て、苦難を払い除け得る力を持っている』
『幸いな事に、時にも人にも力にも恵まれているの。ならば、苦しむ誰かを前にした時に何もしない事を選択するのは、人として恥ずべき怠慢以外の何物でもないと、そう思うわ』
ああ、と。その瞬間に理解した。
この人は、私達の敬愛するおじい様と、同じ思想の持主なのだ。
私もアルフィノも、その理想を追ってエオルゼアへやって来た。そうして出会った彼女に眩しさを、憧憬を感じたのは、必然だったのだとハッキリ分かった。
私達だって、同じように思う。救いを求めて手を伸ばす人が目の前に居て、何もしないなんて罪深い怠慢に他ならない。
……そして、同時に気が付いた。
この人はきっと、『その時』が訪れた時に、迷いなく自らの命を使える人だ。
決して死に急いでいる訳ではない。彼女から、希死念慮は感じない。むしろ、最後の一瞬まで、希望を捨てずに抗い続ける。
けれど、あらゆる手を尽くして、最善を積み重ねて、それでも足りないと感じた時に。きっと、必要ならば自分の命も投げ打ててしまえる。それこそ、おじい様のように。
これは、懸念でも可能性でも無い。確信だった。
無論、命を懸けてエオルゼアを救い、新生へと導いたルイゾワおじい様の事は、今も尊敬している。時に救世の賢人として愛され、感謝を口にされる事を、今は誇りにも思っている。
それでも。おじい様は、私にとって大事な家族だった。死を伝えられ、私達家族がどれだけ嘆き悲しんだか。
こんな時代なのだ。犠牲の無い解決なんて、望めないのかもしれない。
けれど、でも、あんな悲しい思いは、少しでも無くしたいと思うのは、当たり前でしょう?
私はもう、あの頃の本国で待っているしか出来ない、無力な学生ではない。今ここに、エオルゼアの地に、立っている。
幸い、同じように彼女を想う仲間達だって居る。
私達が思い悩んだ時に、その手で、言葉で、戦う姿で導いてくれた貴女を、これ以上一人で立たせたりなんてするものですか。
例えその背に追い付く事が、如何に遠く困難な道程でも、決してあきらめないと決めた。
絶対に私達も……、私も、貴女と共に。
だから今日も。私は、彼女という光を追い駆け続けている。
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