ジェローム・シンドローム(高校生譲テツ)
高校生譲テツ連作短歌 ジェローム・シンドローム
歌意というか反省会
自由な二次ツイッターランドではタブー視されがちな自作歌意説明もゆるされると聞いて
まあでも気にせず自由に受け取ってほしい 「どうとでもとれるもの」をつくるのがわたしはすきだよ とんちんかんな解釈などこの世にないと思ってます
今思ったけどタイトル韻を踏んでるんだね、テキトーにつけた
徹)夏しぐれ無風になればなるほどにおまえにあれくるう波のこと
→譲介くんのなかに「あれくるう波」を見ている、実際はそうでもないかもしれず、とにかく徹郎くんは恋をしている
周囲が静かであるほど際立つものが譲介くんなんだろう
譲)ふぶきって作りものだよ赤点のテストがふたりの花道に降る
→ふつうの吹雪も花吹雪も作ってやるよ!!!という気概 赤点のテストをちぎって撒いている こういうことするから徹郎くんが惚れる
徹)「きらいだ」と百回なじるその裏でそろそろ千回目になる「すきだ」
→もう手遅れ
譲)恋人や友と言い表すよりはさっき拾ったいいかんじの枝
→譲介くん塩対応のターン 「さっき拾ったいいかんじの枝」は子どもが武器にしがちなやつ、すぐ捨てちゃうけど、でも確かにお気に入りで……というもだもだ幼い表現
でも誰かに「お前って拾ったいいかんじの枝みたいな存在だよ」っていわれたら嬉しいな 嬉しいかもしれん わからん 譲介くんなりの賛辞です
徹)暴言の手紙をもらい純情をとむらうために三駅歩く
→塩対応の手紙もらってキレてる
クールダウンしたかったのかもしれないし、それくらい好きだと思い詰めているのかも
この足で会いに行ったんじゃないかな
ぐすぐすむかむかしながら譲介くんのこと考えて歩いてる徹郎くん健気
譲)ゲームにはきみの名前のキャラがいて状態異常を恋と呼んでる
→熱意がちょっと通じてうつった
譲介くんなりにいろいろ考えている この時点で徹郎くんのことが気になってるので、なんでもないゲーム画面に徹郎くんを見出している
徹)何度でもゆるしてやろう、待ちぼうけ、おれに謝るおまえという図
→骨抜きなので何されても嬉しい徹郎くん
待ちぼうけってことは待ち合わせのときに譲介くんが遅刻したんだろうね
譲)キスだけで機嫌をなおすなこのままじゃ溶けたアイスの中毒になる
→安定のチョロい徹郎くんにほだされてしまってる譲介くん アイスそっちのけで何やってんだ 手遅れ
ここでは依存症の意で中毒という表現を使ってます
徹)見ない 曲がり角しかない世の中で未来でおまえの顔しか見ない
→暗喩 リズムを崩してスペースを入れることで徹郎くんがいかにぐちゃぐちゃかを出してるつもり
恋は盲目だね……この連作の徹郎くんめちゃくちゃ一途で乙女チックだな
譲)シーソーの片側かばんを積重ね罪重ね微動だにしない夜
→暗喩
うるさいはずのシーソーの片側にものが重なって静かになっている
徹)墓だってむかしは海原だったのだ眠るおまえも星だったのだ
→事後っぽい 徹郎くんってこういうときにしんみり相手見て考え事しそう
譲)はしかよりさっさと治ってしまったらどうしてくれる ジェロームのばか
→譲介くんは浮かれています そしてそれを怖がっています ジェロームは「恋ははしかのようなもの。誰でも一度は罹らなくてはならない」みたいなこと言ったひとです ここをタイトルに持っていきます
徹)人生はにらめっこだと言い張られ笑顔が見たいと伝えそびれる
→ちょっとすれ違ってる?ところで「人生はにらめっこだから笑ったら負けなんだよ」って言ってる譲介くんいいと思わんか
譲)校庭の砂、浜の砂、公園の砂、詰め込んでさかさまにして
→砂時計です 箸休めの歌 時間を巻き戻したい=変化に焦ってるんだなという気配
徹)目薬のひかりの丸のいつだってとつぜん会いたくなるのは深夜
→写真の丸ボケみたいな光景 箸休め
願いは叶わないよね〜というちょっとしたさびしさを出す
譲)痛いって居たいだからねぼくらってすきだらけだね隙だらけだね
→不穏 下の句を逆にするとやや希望になる?
徹)証明としての反抗これからは左右を見ずに渡る、すべてを
→証明というのは「一緒にいたこと」の証明です
いい子だった自分に対して譲介くんとの日々のために革命を起こそうとしている
でもそんなことしたら危険なんだよな
ふたりに何が起きたのか 何が起きたんだろうね
?)あんなにもせんたくが下手だったのであいしていたとはとても言えない
→よごれてるんですね
せんたくをまちがったから
あいしていたとは言えなくても恋だったのは間違いないんでは?
という18首の歌で見る高校生譲テツの青春でした こういう世界もあるかもねという大幻覚です
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