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 同室になってみてわかったんだけどね? 燐音先輩って、意外とすっごく静かなんだよね。いないのかなと思ってふと見ると、黙々と読書してることもあるね。びっくりするからやめてほしいね。
 ……なあにその顔? 信じられないって顔だね。あのねHiMERUくん、いい機会だから教えてあげる。ぼくの話が嘘であれ誠であれ、ぼくの言うことが正しく、唯一絶対なんだからね! わかったら一緒に言ってねっ、“おひいさんの言うことは”、「ぜった〜い……♪」うんうんっ、奏汰くんは完璧だね!
 というかきみ、燐音先輩に隠れて何をこそこそやってるの? うん、ぼく達を部屋から連れ出してまで聞きたいことがあるってことは、そういうことだよね。バレバレだね! ……ふうん、トークのネタ集めなんだ。まあいいや、そういうことにしといてあげるね。

 ……日用品で足りてないもの? ん〜。何か言ってた、奏汰くん?
 そう、燐音先輩って元から私物が少ないんだよね。必要最低限っていうの? ぼくなんて美容関係のアイテムだけで彼の四倍は持ってるね。……でしょう!? あり得ないよね、アイドルの自覚があるのかねあの男は。ジュンくんの時も思ったけど、どうして男ってああなの?

 燐音先輩といえばね。こないだひとりでにやけてて気持ち悪かったから、どうしたの? って聞いてみたんだけど……ふふっ。いつも既読無視してくる生意気な子が珍しくスタンプ返してくれたんだ〜って、原型留めないくらいデレデレしててね!
 ……誰? って……あはは! きみのことだねHiMERUくん! もっとあのひとに優しくしてあげてもいいんじゃない?
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