黄 金蓮



【秘匿情報】
名前:金蓮(姓はない)
年齢:19歳

金蓮の実家・黄家は代々裏社会で重要人物の鏢師(用心棒)をつとめる家系である。
本来家を継ぐのは彼女ではなく、彼女の兄・慶であり、そのために修行を積んでいた。
しかし、武術に関して慶の筋はあまりよくなく、加えて当時通っていた大学で交際相手ができた慶は家業を継ぐことを嫌がり、普通の社会でまともな人間として生きたがった。

黄家では許されないことであったが、慶が交際相手との将来も考えていることを知っていた金蓮は、十五歳のとき、兄とともに父に直談判を行う。
兄が普通の人間として生きること、裏社会の人間が兄と関わらないことを許してくれ、と。

父は一度はこの頼みをはねつけるものの、それでも食い下がる金蓮に以下の条件を出す。
・金蓮が鏢師として生きること
・金蓮が生涯【不言の行】を行うこと

最愛の兄のため、金蓮はこれを承知し、以降四年間、鏢師として生きるべく、父を師として武術、仙道の修行を積む。
なお、鏢師として生きることが決まったときに父から親子の縁を切られており、彼女はすでに黄家の人間ではない。

箱猫市には師の命令で訪れることになる。
雇い主の意向で昼間は学生として生活し、夜は繁華街で中華系のガールズバー〔紅梅〕の用心棒として働いている。

話せないのは病ではなく、上記の通り兄を守るために【不言の行】を行っているため。
病弱に見えるのは演技であり、本来の身体能力は元々の素養と修行の成果もあって非常に高い。

金蓮が日本にわたった直後、金に困った兄が手を付けてはいけない金に手を出し、その報いとして師に殺害されていることを、彼女はまだ知らない。

【不言の行】
黄家の人間が時に修行、時に罰として行うもの。
行の間、その人間は何があろうと声を出してはならず、行の最中に声を出したときはすなわち死ぬときである。

【紅梅】
箱猫市の繁華街に最近できたガールズバー。
オーナーは秋山隆。

秋山隆(あきやま たかし)
在日中国人。ガールズバー〔紅梅〕のオーナーで金蓮の雇い主。
中華系の犯罪組織の幹部でもあり、伝手を頼って金蓮を雇う。

過去に大病を患ったときに松本医院の院長に助けられたことがあり、松本家の人間には頭が上がらない。

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