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【原利土1819IF】頸と心7


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七 あばら家



 日が暮れかけた頃、二人はようやく手頃な隠れ家を見つけることができた。
 山道を下った先に、捨てられた集落があった。随分前に人が去ったのだろう。屋根は崩れかけ、壁は蔦に覆われ、井戸の縁には苔が厚く張りついていた。かつては五、六軒の家があったらしいが、今では朽ちた柱と崩れた土壁が残るばかりで、人の気配どころか獣の気配すらない。飢饉か、疫病か──あるいは戦乱の時代にはありふれた理由で、村ごと消えたのかもしれなかった。
 利吉はその集落を通り過ぎ、更に奥へと足を進めた。黒も黙ってその後についていった。集落の外れには廃れた墓地があった。苔むした墓石が傾き、卒塔婆は朽ちて文字も読めない。供える者のいなくなった墓は雑草に埋もれ、この地に暮らしていた人々の記憶だけが静かに眠っていた。
 その墓地を越えた先に、一軒の小さな家があった。
 集落からは少し離れている。墓地の番をするために建てられたのだろう。墓守の住まいだったのかもしれない。周囲は雑木林に囲まれて道らしい道もなく、知らなければ見つけることは難しい。集落が隠れ蓑になり、追っ手の目を欺くにはちょうど良い立地だった。
 利吉は家の周囲を一巡りして確認した。壁は土壁で、ところどころ崩れてはいるが大きな穴は空いていない。戸は傾いでいるが一応閉まる。窓は板で塞がれている。人が住まなくなってどれほど経つのか分からないが、完全に朽ちてはいなかった。

 中に入ると、埃と黴の匂いがした。部屋は二間あり、手前の部屋には囲炉裏があった。奥の部屋は板戸で仕切られていて、利吉はその板戸を開けて奥を覗いた。奥の部屋は屋根の傷みが酷かった。天井板が落ち、梁が剥き出しになって空が見えている。雨が降れば水浸しになるだろう。使い物にならない。
 手前の囲炉裏のある部屋に戻ると、こちらはまだましだった。屋根は辛うじてもっている。天井には染みがあるが穴は空いていない。囲炉裏の周りは埃を払えば使えそうだったが、部屋の半分──奥の間に近い側は床板が腐りかけていて踏み抜きそうな状態だ。使える範囲は囲炉裏の側の六畳ほどの空間だけだろう。
 利吉は腰を下ろして囲炉裏を確かめた。灰は残っている。土間の隅には乾いた薪も少し残っていた。墓守が使い残したものだろうか。すぐに火の準備ができる状態なのは有り難かった。
 黒が家の中に入ってきた。部屋を見回し、囲炉裏の傍に座る。黒は何も言わなかった。ただ周囲を観察している。忍の目だ。逃げ道を確認し危険を測り、この場所の価値を計算している目。
「ここにするのか」
 黒が問うた。その声に感情はない。努めて圧し殺したような平坦な声だ。利吉も同じように平坦に答えた。
「多少修補は要るが、隠れるには悪くない。暫くはここを拠点にする」
 利吉は残っていた薪を囲炉裏に組み、火打石を取り出した。乾いた草を火口にして火を起こす。小さな炎が生まれて薪に移り、やがて赤い光が部屋を照らし始めた。煙が立ち上り、天井の隙間から外へ抜けていく。



 火の明かりが二人の顔を照らしていた。
 黒は囲炉裏の傍で膝を抱えていた。炎を見つめている。その横顔を利吉は盗み見た。白い曼殊沙華の野原で見たあの顔が脳裏にちらつく。救いを求めるような、許しを乞うような子供のような顔。今はいつもの無表情だ。けれども利吉はこの男の奥にあるものを知ってしまった。
 二人は黙ったまま火を見つめ続けた。外では風が鳴っている。木々が揺れる音。日が落ち、闇が濃くなっていく。廃れた集落の向こうで何かの獣が啼いた。遠い声だ。利吉は立ち上がり、壁の隙間を確かめた。指が入る程度の隙間があり、ここから風が入る。冬になれば凍えるから塞がなければならない。屋根も補強が要る。床板も張り替えた方がいい。やることは山ほどあると考えかけて──ふと我に返った。
(馬鹿な……何を考えている)
 ここを修補などしなくとも、迂回すれば補給部隊と落ち合える。山火事で道が塞がれたと言っても永遠にではない。火が収まれば通れるようになるのだからそれを待てばいい筈だし、あるいは別の経路を探してもいい。いっそ本陣を目指すという手もある。時間はかかるがどれも不可能な手段ではない。そう──黒を引き渡す方法はいくらでもあるのだ。

 利吉は自分の思考を睨みつけた。それなのに、何故「冬を越す」などという考えが真っ先に浮かんだ。何故その考えを心地よいと感じた。引き渡す方法を探す前に、自分はこの廃屋の修補のことを考えた。これではまるで──。
(まるで、逃避行だ)
 二人でこの山奥に隠れ住む。誰にも見つからずに。誰にも邪魔されずに。囲炉裏を囲んで火を焚き、同じ飯を食い、同じ屋根の下で眠る。そんな暮らしを、微かに望んでいる自分がいる。
 利吉は拳を握った。
 認めるな。認めてはいけない。これは忍務だ。黒は捕虜で、情報源だ。いずれ引き渡さなければならない存在で、それ以上でも以下でもない。ここに留まるのは一時的なことで、道が通れるようになるまでの仮の宿だ。冬を越すわけではない。そんなつもりはない。
 けれども否定すればするほど、別の声が奥で囁く。
 本当にそうなのか。本当に引き渡すつもりがあるのか。あの白い花畑で斥候から隠した時、お前は何を考えていた。見つかると面倒だから隠した──本当にそれだけか。
 白い曼殊沙華が瞼の裏に浮かぶ。花の中に沈めた黒の顔が浮かぶ。あの瞬間確かに自分は、この男を誰にも渡したくないと思っていた。分かっているのに止められない、止める気がない自分がいる。その事実が利吉には恐ろしかった。
 火が爆ぜ、赤い光が揺れた。黒が顔を上げる。利吉と目が合い、一瞬だけ絡ませてすぐに二人とも視線を逸らした。沈黙が続き、火の音だけが響く。
 やがて黒が口を開いた。
「……悪くない場所だな」
 それだけだった。利吉は頷いた。悪くない──それは確かだ。とはいえ二人で囲炉裏を囲もうにも、使える場所が狭すぎる。六畳ほどの空間の中央に囲炉裏が切ってあり、片側は床板が腐りかけていて腰を下ろすこともできない。必然的に二人は囲炉裏の角を挟み、正面ではないが斜め向かいという逃げ場のない距離に座るほかなかった。

 洞窟にいた頃は、もっと広さがあった。黒が眠る場所と火の番をする場所のあいだは遠く、黙っていても呼吸がぶつからないだけの余白があった。けれどもこの狭い部屋ではそれが叶わず、手を伸ばせば届く距離に身体がある。互いの体温が、互いの影が、否応なく置かれてしまう。
 利吉は囲炉裏を見つめた。落ち着かない気持ちを、火を見ているふりで押し殺そうとした。けれども視線はどうしても黒の方に流れそうになる。気づいて引き戻して、また滑る。引き戻したはずの心まで一緒に引きずられていくのを止められない。白い花畑での記憶が、炎よりも鮮やかに頭の中に立ち上がってくる。黒を花の中へ沈めたときの指先の感触。押さえた胸から伝わってきた体温。掌の下で打っていた心臓の音が今もなお手に残り、手のひらの奥にまで沁み込んでいる気がした。
 黒もまた落ち着かないようだった。普段ならどんな状況でも飄々として、己の輪郭を崩さない男だ。だが今夜に限っては火を見つめる眼差しが時折揺れる。姿勢を直しては崩し、膝を抱えたりほどいたりする。

 二人のあいだにある沈黙は、洞窟で共有していた沈黙とはまるで質が違っていた。あの頃の沈黙は互いに干渉せず、ただ同じ空間にいるだけで成り立つ静けさだった。今夜の沈黙は息苦しい。何かを言わなければならないという強迫めいた気配が、じわじわと喉の奥を締めつけてくる。

 利吉は耐えきれずに口を開いた。けれども「お前は」と出かかった声は思いがけず掠れた。咳払いで誤魔化してから、いかにもどうでもよいことのように言い直す。
「お前は、どこの生まれなんだ」
 問うた瞬間に利吉は後悔した。何を聞いている──こんなことを聞いてどうする。どうせ答えない。名すら教えなかった男だ。出自など尚更だ。そう思ったのに、黒はあっさりと火を見つめたまま答えた。
「西だ」
 利吉が思わず顔を上げると、黒はそのまま続ける。
「福原の辺りだ。海が近かった。潮の匂いがした」
 利吉は言葉を失った。福原といえば西国の要衝だ。あの寝言の口調。父上と呼ぶ声。黒はやはりただの百姓の出ではない。警戒が声に滲むのを止められないまま、利吉は低く問うた。
「……どういう風の吹き回しだ」
 何か企んでいるのか。情報を与えることで何かを引き出そうとしているのか。そう疑う利吉に、黒は顔を上げた。火に照らされた眼で利吉を見る。だがその声は静かで、逆にこちらの胸の内を揺らした。
「……曼殊沙華の野原で、話しただろう」
 記憶はいつも血と炎の赤だと。寺に身を寄せていたと。あそこまで話したのだから、ここまで来たら大差ない。そう言うように黒は言葉を継ぎ、利吉は黙ってその続きを待つしかなかった。自分から内側を覗かせることなど滅多にない男が、あの野原で確かに語った。今になって、その事実が重く胸に沈む。
「……それに」
 黒は一度、言葉を溜めた。まるで自分でも測りかねている感情を扱うように、慎重に言う。
「お前には、教えてもいいような気がした」
 その一言が胸に落ちた瞬間、利吉の心臓はひどく騒いだ。重く、熱く、落ちて消えずに居座る。喉の奥が渇いて、利吉は重ねて問うた。
「……何故だ」
 声が掠れる。黒は答えない。ただ薄く笑っただけだった。その笑みがからかいなのか本気なのか、あるいは別の何かなのかは利吉には判別できない。黒は視線を火へ戻し、淡々と語り始めた。
「家は──焼けた。私が十にもならない頃だ」
 他人の話でもするような調子だった。父は殺された。母も。使用人も皆殺された。自分だけが逃げた。逃げて寺に拾われた。そこで様々な書を読んだ。利吉が知っている孫子もそこで学んだ。黒は感情を削いだ声でそれらを並べる。口を挟む気など起こらず、利吉はただ聞いていた。黒のその無感情さこそが、感情を殺さなければ語れないほどの過去なのだとかえって痛々しく伝えてくる。
「寺を出た後は忍の里に拾われた。そこで技を仕込まれた。殺し方を。潜み方を。嘘のつき方を」
 黒の唇が歪んだ。自嘲の笑みだった。
「上手くなったよ。何もかも。だから重宝された。汚れ仕事を任された。人を殺し、情報を盗み、嘘を重ねた。そうやって生きてきた」
 火が爆ぜた。赤い火の粉が舞い上がり、闇に消えた。その一瞬の輝きさえ、利吉には痛みのように感じられる。黒は事実だけを積み木のように置いていく。
「それでも……子供は切れなかった」
 そう言ったときだけ、黒の声がほんの僅かに揺れた。以前言っていた、忍務で子供を殺せと命じられた夜のことだ。何の罪もない子供を、ただそこにいただけの子供を、目撃者だから消せと言われた。言葉のあとに落ちた沈黙は同情を求めるものではなかった。それはただ並べた事実がそこに留まっているだけの沈黙で、だからこそ利吉は何も言えなかった。家族を全員殺された男に対して、両親が生きている自分が何を言っても薄っぺらくなる気がした。喉元まで上がってきた言葉は、どれも形になる前に崩れた。
「……そうか」
 結局利吉が吐き出せたのは、それだけだった。黒は何も言わない。沈黙が戻る。だがその沈黙は重いままでも不快ではなかった。そこには共有された何かがあった。その何かが言葉にならないまま二人のあいだに漂っている。互いの呼吸の温度だけが、じっとそれを確かめているようだった。
 やがて黒が顔を上げた。火に照らされた目で利吉を捉えたまま、今度は同じ問いを投げ返す。
「──お前は、どこの生まれだ」
 利吉は口を噤む。答えるべきか。答えないべきか。一瞬で幾度も往復する。黒は自分の過去を話した。ならば自分も話すべきなのか。けれど父のこと、あの春の日のことを言葉にしようとすると喉が詰まる。まだ誰にも話していない。話せば何かが崩れる気がした。
「……山だ」
 利吉は短く答えた。
「山奥の。人里から遠い」
 それだけだった。地名は言わなかった。詳しいことも言わなかった。だが黒は追及しなかった。ただ頷いただけだった。
「そうか」
 同じ言葉が返ってきた。それだけで十分だと言うように。

 利吉は息を吐いた。張り詰めていた何かが少しだけ緩んだ。
 気がつくと、利吉の身体は僅かに黒の方へ傾いていた。三歩あった距離が二歩になっている。いつの間にか無意識に。黒はそれに気づいているようだった。気が付いていて何も言わなかった。利吉も何も言わなかった。火が燃えている。二人の影が壁に落ちる。利吉は立ち上がり、部屋の隅に置いてあった荷から干し飯を取り出した。二人分を器に盛り、黒の前に置いた。
「食え」
 それだけ言った。黒は顔を上げ、利吉を見た。それから器を手に取った。
「……ああ」
 二人は黙って干し飯を食べた。囲炉裏の火が二人を照らしていた。外では風が鳴っている。夜が深まっていく。



 黒は干し飯を噛みながら、自分の計算を確認していた。
 過去を話したのは計算だった。信頼を得るためだ。この男に心を開いたふりをすれば、この男も心を開く。心を開けば情報が得られる。情報が得られれば生き延びる確率が上がる。そういう計算だった。
 だが──。
 黒は利吉の横顔を盗み見た。干し飯を噛む横顔。火に照らされた横顔。さっき過去を語った時、この男は黙って聞いていた。同情も憐憫も口にしなかった。ただ「そうか」と言っただけだった。その一言が妙に沁みた。
 計算通りだ。この男は自分に情を寄せ始めている。距離が縮まった。三歩が二歩になった。計算通りに事が運んでいる。それなのに。
 この男を騙している。利用している。その事実が、今夜は少しだけ重かった。
 黒は干し飯を飲み込み、火を見つめた。考えるな。感じるな。これは生き延びるためだ。そのためには何でもする──。そうやって自分は生きてきた。これからも、そうやって生きていく。


***


 翌朝、利吉は日が昇る前に目を覚ました。
 囲炉裏の火は落ちていた。灰の中に僅かな赤が残っているだけだ。息が白い。夜の間にずいぶん冷え込んだらしい。壁の隙間から差し込む薄明かりが、埃っぽい空気の中を細い筋になって落ちている。
 黒はまだ眠っていた。囲炉裏の傍で身体を丸めている。昨夜より更に近い位置だ。二歩どころではない。手を伸ばせば髪に触れられる距離まで寄ってきている。寝ている間に無意識に近づいたのだろう。利吉の体温を求めるように。
 利吉はその姿から目を逸らした。

 立ち上がり、音を立てないように荷物を確認する。火事で焼け出されたせいで何もかもが足りなかった。食料はほとんどない。昨夜の干し飯で残りは僅かだ。水も底を尽きかけている。忍として必要な道具は辛うじて持って出たが、罠を仕掛ける縄も餌も足りない。
 水場を探さなければならない。食料を調達しなければならない。狩りをするなら早朝か夕刻だ。獣は夜明けに水を飲みに来る。日が高くなれば姿を隠す。このあたりの地理にはまだ疎いから日暮れは危険だ。動くなら今しかない。

 利吉は腰の刀を確かめ、火打石を懐にしまい、外へ出る支度を整えた。そうしていると背後で気配が動いた。振り返ると黒が目を開けている。身体は横たえたまま、目だけがこちらを見ていた。まだ半分眠っているような目だ。その目の奥に警戒の色がある。利吉の動きを見ている。荷物を確認している。出掛ける支度をしていることを理解している。
 黒は何も言わなかった。けれどもその目が問うている。置いていくのか、と。
 利吉は視線だけの問いに答えようとして口を閉じた。何と言えばいい。縛っていくとでも言うべきか。逃げるなよとでも言うべきか。だがもう縄は切った。あの火事の日に切って、それ以来黒を縛り直してはいない。縛り直す気にもなれなかった。
 黒は自由だ。逃げようと思えば逃げられる。脚はもう動く。走れることは山火事の日に証明された。利吉がいない間に姿を消すことなど造作もないだろう。
 利吉はそれでいいと思った。むしろ逃げてくれとすら思った。
 この男がいなくなれば楽になる。捕虜を抱えているという重荷がなくなる。報告していない後ろめたさがなくなる。引き渡すか逃がすかという決断を迫られることもなくなり、何より──この男への感情に振り回されることがなくなる。
 逃げてくれ。消えてくれ。いなくなってくれ。そうすれば自分は忍に戻れる。冷徹で合理的な、感情を殺した忍に戻れる。
 けれどもそう思う一方で、別の感情が叫んでいる。いなくなるな。消えるな。ここにいろ。戻ってきた時にいなかったら──。
 利吉は頭を振った。考えるな。今は食料を調達することだけを考えろ。
「……集落の井戸を見てくる」
 利吉は短く言った。黒を見ないまま。
「狩り場も探す。獲物が見つかれば狩ってくる」
 それだけ言って戸口に向かった。背中に黒の視線を感じる。何か言いたげな視線だが、黒は何も言わなかった。利吉も振り返らなかった。

 戸を開けると冷たい空気が頬を打った。夜明け前の山は青く沈んでいる。木々の輪郭がぼんやりと浮かび、鳥もまだ啼き始めてはいない。静寂の中を利吉は歩き出した。
 利吉は振り返らなかった。振り返らずにただ歩いていく。戻ってきた時に黒がいなければ、それでいい。それが正しい結末だ。火事の混乱に乗じて、捕虜が逃げた。それだけのことだ。追う義理はないし、報告する必要もない。何もなかったことにすればいい。
 そう言い聞かせながら、利吉は廃れた墓地を抜け、集落へと向かった。
 足取りが重かった。振り返りたい衝動を押し殺しながら、一歩一歩、墓守の家から遠ざかる。朝靄が足元に漂っている。冷たい空気が肺を満たす。
 戻ってきた時──あの男はまだいるだろうか。
 利吉はその問いを頭から追い出した。追い出しても追い出しても、また浮かんでくる。
 いてほしいのか。いてほしくないのか。
 自分でもその答えが分からなかった。





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