レイン・レーニア(f26412)

Rain Rainier。
嘗て居住可能惑星に広がっていた海洋の再現および研究目的に造られた宇宙船が落下。落下衝撃と経年劣化で外装に穴が開き、ナノマシンが溶け込んだ人工の海に雨が降り注いだ。
そんな経緯で誕生(発生)した、グリードオーシャン内スペースシップワールド由来「島」出身セイレーン。
形成の際、人工の海に溶け込んでいた 『豊かな思考力と表現力を持ち、多様な環境に適応する生物』である人間の情報がベースとなった。
お喋りで明るく活動的。研究船生まれが気質に影響したのか、探求と研究好き。故郷では話し相手といえば後から同じ経緯で出来た弟妹と巡回ロボットくらいだったため、 出会う他者に対してやたらとフレンドリー。距離感がおかしい、もとい不慣れとも言う。
基本温厚だが倫理観はゆるめ。無用な争いはスマートじゃないので好まないが、 欲しいのなら暴力を手段として用いるのもアリだよねくらいのスタンス。
にこやかに鼻唄混じりに、覚醒者の船やコンキスタドールの島を急襲してはメガリスを略奪していく欲望の海の海賊。 そうまでしてメガリスを求めるのは、より遠くの海へ行く力が欲しいから。
水は雲になり、雨となって再び海に還ってくるなら、 消えて無くなった弟妹達も広い空の下、海の何処かにいるはずだ。 たとえ形が変わったとしても会いに行こう。 そうしてまた会えた時、僕はようやく――  

□身体について  
他のセイレーン同様に、深海のソーダ水から成る肉体を持つ。 人間の情報をベースに発生したため基本的には人間型。 変幻自在な体が故に、形から入るのがいいのだとかなんとか。  
断っても断てない水の体だが、宿したメガリスの影響でその体積は減り続けている。 容量不足で機能を果たせなくなった四肢を、蒸気魔法とメガリスを利用した義肢で補ってはいるが、 HP回復はできても最大HPの方がどんどん減っているような状態の根本的解決にはなっていない。 最大HP=保てる体積が0になった時が彼の最期。
迫るその時に対して嘆き悲しむ様子はない。 そもそも溢れる前に乾いてしまうので泣くことが出来ない体である。  泣けないのなら、この気持ちは悲しみではないのだろう、と彼は笑う。  

□感情について  
よく笑い、よく怒り、よく楽しむが、悲しめない。 より詳しく述べると、悲哀を悲哀として、欠落感を欠落感として正常に認識し表すことが出来ない。
弟妹達がメガリスを制御しきれず苦しむ自分を助けようと、次々手を伸ばしては消えていった。 これ以上の悲しみなどあるはずがないのに泣けなかった。 涙という形になる前にメガリスが乾かしていった。  行くべき場所を失った情動は他の感情として表情に表され、 表れた表情を自分の感じたものだと彼は認識する。表情のフィードバック。
ヒトは悲しむ――だから涙を流す。
彼は涙を流せない――よって感じるそれは悲しみではない。
  彼はいつも朗らかで楽しそうだ。 

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