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ケータイがブブブっと震えて、時計を見たら朝の五時。
そういえば、昨日飲み会行って電源落とすの忘れてたんやったっけ。
『おーい、スポ馬さんの新作読んだ!? なんか凄いの来た!!!』

えっと、なんで私はこんなメールで起こされなあかんのでしょうか、と思いながら、徒然亭の六番弟子になりたい陸さんのメールに今から読みますて送って、とりあえずパソコンの電源を付けてインターネットに接続して、その間にお湯沸かしてコーヒー淹れるためにいつものカリタのビーカーみたいのに受け皿とペーパーフィルターセットして。
明日はヤフーBBの契約に行こうて思いながら、接続の悪い光回線でエクスプローラーがぐるぐる回るのを見ているのでした。

スポーツカーって旨いんですか、て長い名前のお姉さん(推定。自家通販のみで、オフラインイベントに出たことない上に自家通販も〇〇様方になってる本名不明の書き手さん。)てもう徒然亭半生界隈という狭い界隈で主流が草々さんと小草若ちゃんの幼馴染喧嘩っプルという時代に、最初っから斜陽の43界に突然沸いたよく分からん人で、世間の小草若ちゃん受けの人たちがテレビの有名プロデューサーとかにいわゆるモブなんちゃらていうか、身体をいいようにされた後での草々兄さんとのお清めセックスとか、むしろ最初っからセックス好きでのし上がってて、普段は口の悪い四草師匠とか年上で格好付けの草々師匠のことをベッドで翻弄してる、女王様兼気紛れ猫ちゃんみたいな流れで話描いては去り、書いては去り、ていう人が多い中で、なんやもう純情可憐お嬢さんな小草若ちゃんばっかり書いてて飽きへんのかなていうか、しかしながら気が付いたら逆王道みたいな位置ていうか、明らかに浮いてはるの分かってて好きにやってるていうか……いやまあ応援してますけど……。なんかこういうの今までなかったのが不思議ていうか???

スポ馬さんちのサイト、なんや前のジャンルがめちゃめちゃ人多かったみたいで、お気に入りからサイト見に行ったらキリ番なんか踏もうとして踏めるもんでもないな、て思いながら111112人目の来訪ていう数字ぼんやり眺めてから、コントロール+Aボタンで全選択してスクロールして、スクロールして、スクロールして、やっと、いつもの『この先は未成年禁止』の文字見つけて四草師匠と小草若ちゃんのページにリンク飛んだら「池の神様」。
なんですか、これ……?




***



「お前の落とした四草は、この妹弟子に熱心に稽古を付けて常に生真面目に稽古を積み賭け事とは縁のない四草か、それとも、傷ついた兄弟子をセックスで慰めようとしたが失敗し、経験値の足りなさを埋めようと懸命になる男を愛し始めてしまった四草か。」
池の神様て、割とご都合主義なんやな、と俺は思った。
四草がどこにもおらへんようになって、女のとこ行ってんのやろうと思って探したけど、気が付いたら妙な池の前に立っていた。
なんや怪談話の始まりみたいやな、これ、と思ったけど、人生てそんなもんと違うやろか。
愛とか恋とか、あいつは全部金に換えて来た男やで、そんな感情、あってたまるかい。
俺かて、時々可愛いとか思わんでもないけど、そんなもん期待して付き合うてへんし……。
「金に汚くて、すぐきつねうどんを奢らせようとする、セックスは巧いけど大人げない四草しかおらんわ。ほな行くで。」
出鼻をくじかれたオレは、ほんまの四草もこの池の中におるんやろうか、どこかに船着き場とかあったらええのに、と池の周りをぐるぐるしようとしたら、家の仏壇のビリケンさんにそっくりの池の神さんが「正直なお前には、これをやろう。」と言った。
光った池の中から出て来た四草は、目付きも優しいて、雰囲気が違う。
「別人なんか、オレはいらんで。食い扶持が増えるだけでええことないし。」
「草若兄さん、」とふっと笑った男は、「こっちは心は清いがセックスは本物より上手いし前戯もあれほどねちこくはないで、」という神さんに背中を押された。
そないな旨い話あってたまるかいな、て思うけどちょっと心が揺れた。
あいつとオレは『お付き合い』ていうような間柄とはちゃう。
そんでも、ここまで続いてるんやから、あいつのセックスが下手やていう訳と違うんやで。
そやけど、指で慣らさんと入らんから言うて三遍もイッてんのに、まだ入れたらんていうし、宿屋仇で徳利のケツ上げるみたいに尻上げてセックスすんの、顔見えんのいやや、て言うのに身体固いんやからしょうがないでしょうて言いながら結局始まったらキスしたい言うてひっくり返して奥まで押し込んでくるし……何遍やってもオレばっかりイッてて……。ホンマはそういうセックスも嫌やないんやけど。
「心の清い四草であれば、お前にだけ愛を捧げてくれるはずや、それでもあかんか?」
「あかん……ことはないけど。」
そいつは今日からお前のものや、と言ってビリケンさんは池の中に消えていった。



***



「…………えっ、小草若ちゃん、そんな別人でええの?」

気が付いたら、小草若ちゃんの身体は『清い四草』という触れ込みでやってきた池の神さんの派遣した男に口説かれて、いいようにされてるていうか、きれいや、かわいい、お前だけや、て言われてセックス承諾して、色んな体位試したい、て言われて、初めてのスローセックスで泣かされて、しかも生でしてるし……。清い心てどっちかいうと小草若ちゃんの肉体の方に入ってんのと違うかなていうか……。





***




いきなり立ちバックで突っ込んで来たせいで四草の玉が尻に当たってる。
昨日入れたばかりと言っても、ほとんど慣らしてないとこに突っ込まれた痛みで萎えたとこに、池の神さんが呼んでくれたオレの四草が乳首にちゅう、と吸い付いて来て、立った乳首がざらついた舌先で転がされてる間に、もう一方の乳首は後ろの四草の指に引っ掻かれて……奥まで埋まってたチンコが半分抜けて。
「……っ、あ、しぃ、」
まだ早い。
いつもみたいに前立腺擦られたらすぐにイッてまう、て思ったけど、オレの『いつも』は、もうこいつとしてた闇雲なセックスとは違ってて。
胸を弄ってた四草は、呼ばれたのが自分の名前であると思ってか、伸びあがっていつもみたいにオレの唇を塞いだ。
反射で唇を開いたら、いつもよりずっと息苦しい。
下半身に伸びて来た後ろの四草の手が、濡れて立ち上がったチンコを扱いてくるから、声が出てしもた。
「あっ、」
「こんなんでも立つ体にされてしもて、こいつとどんな風にセックスしてたんですか、」
乳首もほとんど弄ってへんのにこんなんなってるし、と言って四草はオレのを勢いよく射精させた後、濡れた手で左の乳首を摘まんで引っ張った。
そんなん、こないして久しぶりにお前に抱かれてるからやないか、て言いたいけど、オレの舌は口の中で『オレの四草』の舌に捕まってるし、何を聞かれても、答えようがない。
「得体の知れない男なんかと一緒にいられるか、て言うてたくせに、僕と顔だけ同じそいつが傍にいるのは許してたんですね。」
しゃあないやん。
好きな男と同じ顔したヤツに、お前だけや、好きやから抱きたい、て言われたら、そら、オレかてぐらついてまうわ。
それに……『オレの四草』はザーメン飲んでも腹壊さんし、あいつのザーメンも結局池の水みたいなもんやから、オレも、お前のにそっくりのチンコにわざわざゴム着けたりとか、ようせんようになってしまった。
夢の中で、ただの一遍でもええから、中に出してええで、オレの中で気持ちよくなってや、てホンマはお前に言いたかったんや。
お前にとっては生でする方がずっと気持ちええんやろな、いつかは女のとこに行ってまうんやろ、て思ってたから。
でも、違ってた。


……しぃ、オレ、ずっとお前としたかったんや。




***




え?

……小草若ちゃん、いきなり3Pしてるやん……。
……えっ、久しぶりの更新で3P…………。
えっ 何?
ありがとうございます。

続き今すぐ読みたいんですけど……ここまでしかスクロールないんかーーーい!!

完璧両想い夢オチ軸でないと小草若ちゃんの悲恋で終わってまうとこやないですか……。
確かにスポ馬さんていつも書きたいとこだけ書いてる人やけど今回のほんまヤバイな……。
あっ、気が付いたら薬缶のお湯湧きまくってる。
先にコーヒー淹れて、ご本人には流石に送れんから後でロクさんの方に抗議のメール送っとこ……。

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