雨思考の由来は花札です
2026.春爛漫。
尾勇って尊い、と唸り続けて今年で三年目。
ここらでひとつ思い出語りでもしてみようかな……と思い立って設けたページです。
完全なる当時の自分と現在の自分の自己対話。
気ままに頭に浮かぶまま綴るのでゆるっと読んでいただけたら幸いです。
そもそも自分の経歴について。
人生の大半を三次元の輝きに魅せられて、創作活動も概ねそっち系(敢えてオブラートに表現しています)で生きてきました。
ゆえに、SNSも創作場所も人目につかない奥深い地底でして、そこで長い間ひっそりと暮らしていたわけです。とはいえ、元々BLが好きというよりも生粋のシンメ厨で運命共同体なブロマンスを醸し出すふたりを観察するのが好き……という性分でして、現在に至ってもその気質は結構顔を覗かせていると思います。
しかしながら、ここ数年は国外のグループを清らかな心でもって愛でながら応援しています。
話が脱線しました。そんなかんじで孤独なオタク生活を送っていた2022年初夏、珍しく二次元ジャンルにハマったのです。言わずもがな、です。
本誌での連載最終回の日になんとなくアプリの無料公開を読み出して、気づいたらどっぷりでした。
その頃はカップリング云々は抜きにして、おもろい漫画だな〜と思いながら楽しんでました。もちろん今もおもろすぎる漫画!宇宙一!と思っています。
そして誰もが一度立ち止まりスペースキャット顔になる310話を読み終えて「あれ??この兄弟……激重な運命共同体なのでは??!」と知るわけです。
頭上に疑問符だらけのまま、また一話から読み進めます。今度は尾形の行動、異母兄弟の関係の部分に焦点を当てて読んでみると、あらまあ不思議、いつのまにか寝ても覚めてもいぼきょのことしか考えられなくなったのです。ちょうど「私、いぼきょ推しかも?」と思った日にXでコミックス30巻につく得点ミニポスターのイラストが発表されたことも大きいきっかけでした。あの力強い勇作さんの兄様抱っこ(笑顔がかわいい&尾形も満更でもなさそう)を見て、地球ってこんなに素敵な場所なんだな〜と涙しつつ、ひたすら上がり続けるいぼきょ抱っこFAにハートを送っていました。人目につかない引きこもりアカウントからいぼきょ創作探索が日課になるのに時間はかかりませんでした。2022年夏、新しい世界がひらけたようでとても幸福でした。
そこからなんだかんだあって、自分はこの二人をカップリングで見ているのだと認知。さらになんかんだ思案の果てに自分は『尾勇』の人間だと悟りました。
天啓ってあるじゃないですか。あんなかんじ。尾勇がめちゃくちゃ腑に落ちたんです。あの日の(真夜中の暗い自室でした)の感動はきっと一生忘れません。
それが2022年の晩秋です。本格的に尾勇の沼に浸かり始めて、素晴らしい方々の作品に日々潤いながら知ったのは、数ヶ月後の春コミでカプオンリーは無いものの尾勇サークルさんがたくさん集まるという情報でした。居ても立っても居られない、衝動に突き動かされるって経験というのは滅多にお目にかかれないものですが、当時の自分はまにそれでした。
冒頭にも書きましたが私は元々、地底の奥底で息をしていた(創作はだいぶ休んでいましたが)人間です。片手で収まる人数の身内しかフォローしていないアカウントで二桁年数過ごしていた自分が、オープンなジャンルアカウントを作ったことに、当時、私以上に友人が驚いていました。それが今のアカウントです。尾勇が好き!とは言いつつまだ何も書いていないまっさらな状態で、ブランクのある創作活動が上手くいくのかも分からなかったけれど、とにかく春コミで尾勇本たくさん欲しい〜〜自分も何か書きたい〜〜尾勇好きな方とお話がしてみたい〜〜という勢いでサークル参加カチコミました。
そこで生まれたのが『きかせて、とわに』です。
ブランクもあるし、初めての尾勇小説だし、とにかく今の自分が抱いている尾勇への解釈を詰め詰めで書き切ろうと頑張ったことをいまだに覚えています。
2023年の春コミ、頒布会もサークル参加も久々でしたがとても楽しかったなあ。尾勇サークルさんがたくさん参加されていて、気軽に声をかけられる距離感に同志がいる!という環境が自分には真新しさがあって興味深かったです。
作品自体への自己感想は、読み返すと拙い箇所が多いな〜なんで丸カッコを多用しているんだろう?とか、技術面にばかり目がいってしまうのですが、やっぱり初めての尾勇本で自分を新しい道に導いてくれた教本みたいなものだなと感じています。
nd先生のインタビューのお答えから着想を得た内容ですが、シンプルに前世のやらかしが因果応報になって尾形が後悔して少しだけ真人間になる……という、自分の中のテンプレ尾勇解釈な話ですね。実はこれ、今年頒布した俳優パロとちょっと内容が近いことに今さら気づきました。きっと私は尾形が悔いたのちに頑張る話が好きなのでしょうね。勇作さんも兄様を無闇に全肯定したりせず、自らの意思と方法を持って強く生きている……部分が読んだ方にちゃんと伝わっていたらいいなと思います。
余談ですが、これまで製本用に書いた話の大半は脳内ロケ地があります。『きかせて、』の後半で二人が暮らしているマンションは東京の三軒茶屋、前半のプラネタリウムは有楽町です。私は東京という巨大都市が何より好きでして、その中でもトップクラスに愛している街をイメージして創作しました。当ててくれてる人がいたらとてもとても嬉しい。そういう散りばめた小ネタは結構たくさんあります。
――と、そんなこんなで尾勇を尊ぶ人生がスタートして、ありがたいことに作品を好きだと言っていただけたり、素敵なご縁にも多く恵まれました。やったー!壊滅的な人付き合いの下手さにもかかわらず、ずっと縁を結び続けてくださる方々に心からの感謝を……!
そしてあっという間に季節は移り、2023年の12月には勇作受けオンリーが開催されました。勇作さん受けの畑を耕し切り拓いてくれた方たちの新刊カードによって初めて開かれた勇作さん絡みのカプオンリー。戦場に花の咲く、とても素敵なタイトルですよね。新刊カードで推しカプのオンリーが開けるという文化を知ったのもこの年でした。
もちろん開催決定と同時にサークル参加を申し込んだわけですが、思い起こすと初期に書こうと思っていた話は、実際に頒布した『18センチメートルのむこうがわには、』とはまったく別の内容でした(お蔵入りした初期の内容の方は、いまだに温めているので来年以降にちゃんと本にしたいです)。
プロットを練っている期間に夢の中で見た話が『18センチ』の原型でした。目覚めてすぐに「え、めっちゃ好き……」となりまして、急遽変更する方向に舵を切りました。
二冊目の尾勇本。多少なりとも執筆の勘というものを取り戻してきた頃で、前作に比べると遊び心を持って原稿に向き合えたと記憶しています。
尾形視点と勇作視点を交互にしたり(私は一作中に複数視点を入れるのが大好きです)、伏線を張り巡らせたり、最後に読んでくれた方が「あ〜なるほど」と思ってくれるような構成にしたりと、この作品は自分の性癖が凝縮されたような物語です。もしかしたら未読の方も居られるかもしれないのでオチのネタバレだけ伏せますが、これまで頒布した六冊のなかだと『18センチ』が一番のお気に入りです。控えめに言って超オキニ。ストーリーもキャラ解釈も構成も、またこういうトリッキーな話が書きたいなと思いつつ、まだ書けていないことが悔しくて堪りません。門倉さんが登場する話もまた創作したいな……!
今年2月の百花で「18センチ〜が好きで何度も読み返している」と仰ってくださった方がいて、めちゃくちゃ嬉しかったです。感情があまり表に出ない体質なので、こちらの喜びはあまり伝わっていなかったかもしれませんが、本当に嬉しかったな……創作活動を再開して本当に良かった。そして尾勇を尊いと悟ったあの日から、今も地続きで自分を救ってくれているんだなと改めて実感しました。
これもまた余談ですが、こちらの作中で尾形と勇作が住んでいるマンションは東京の谷中です。途中で訪れる商店街は谷中銀座、夕やけだんだんをイメージしています。ここも好きな街のひとつなので、東京に行くと時間を設けてよく遊びに行きます。
二冊目の尾勇本が無事に発行したあとくらいでしょうか。イベント参加や本作りが、自分の中で大きな割合を占める趣味となりました。尾勇の解釈をもっと深めたい。尾勇ってなんでこんなに愛おしいのか。それを表現するためには?そう、本を作ろう!イベントに出よう!せっかく作るなら装丁にも拘っていきたい!みたいな欲が生まれ始めた時期です。
どうしてそんなにパッションに溢れていたか。答えは至極シンプルです。翌年の6月に初の尾勇オンリーの開催が決まっていたからです。ジューンブライドに咲いた『百花の祝福』。あまりにも““良””すぎる名付けも、自分の新刊カードも微力ながら開催のお役に立てたことが本当に嬉しくて感無量だったな〜〜現在も定期的に開催できていることは、私が思うにそれは決して当たり前のことではなく、たくさんの尾勇人がカップリングを愛し、手間や時間や、あるいはお金をかけて成り立っているものだと考えています。その気持ちや熱意が何より尊い。尾勇って本当に最高だ。
そうして2024年の初夏を迎え、初の百花の祝福で発行したのが“『舞われ ロマンス!』です。この時も最初に作ろうと思っていたのは別の話だったのですが、訳あって断念せざるを得ない状況になってしまい、さてどうしよう、そうだ!ジュンブラに併せて去年の尾勇webオンリー(おゆめぐりさんです)でざっくり書いた結婚話を加筆修正するのが良いんじゃないか??となった経緯です(因みに断念した話は翌年『スイソウ』として発行しました。この件については色々あったけど無事に生み出せて良かったです)。
先述したとおり、『舞われ』は元々プロトタイプを世に出していてその時は確か三万文字くらいのボリュームでした。修正するにあたり読み返したら誤字や重複表現ばかりで、よくもまあこれを公開していたなと冷や汗をかいたことを覚えています。そんなわけで、拙すぎるプロトタイプを一から修正する羽目になり、気づいたらボリュームが倍近くになっていたのです。
たとえるなら、あれは生地を綿棒で伸ばす作業に似ていましたね。あと『舞われ』は自分の中では珍しく、長い話にもかかわらず単視点です。尾形視点だけで七万文字を超えているのは恐らくこの一作だけです。他作と比べても少し毛色が違う気もするので、たまに見返すと新鮮な気持ちになれます。
この作品はほんと……ただただハッピーで尾形がいい意味で狂っている、そんなかんじです。尾形にとって結婚って、無条件で愛されるための祝福の象徴なのにお手本となる存在がいない。両親の関係性ゆえに。そういう点では、尾形はある意味では可哀想なのかもなあと思いながら書いた気がする。お手本がいないから他人や情報ツールから得たガバガバ知識で空回りする現代を生きる尾形、合理的なようでいて実はそうでもないところがめっちゃ好きです。
尾形が作中で勇作を連れ戻しに向かうホテルは帝国ホテルです。実際にあるバー。そして日比谷公園を意識して書いています。有楽町⇄日比谷周辺は私の聖地とでも言いますか、心の故郷みたいな場所なのでわりと熱量を込めて表現していますね。
夏のはじまりのイベント会場、暑かったけど尾勇の盛り上がりを感じられて楽しかったです!!これまでのB6サイズをお休みして文庫サイズにしてみたり、特殊紙を使ってみたり、中の事務ページをちょこっと工夫してみたり、振り返ると装丁への意識が初級レベルから一段階上がったのはこの作品からかな?と気づきました。文庫本っていいですね。かわいい。ちょっとした願望として、文庫本を出したときは手に取ってくれた方がお好みのブックカバーを付けてくれたら嬉しいな〜それ付けたところ見せてほしいな〜という気持ちを抱いております。尾勇人が選ぶ市販や手製のブックカバー、ぜひ拝見したいです。
――ととと、気づけば超スクロールになっておりますので一旦ここで締めに入らせていただきます。
今回、いぼきょのつどい花見酒さまのイベントに参加させていただき、なかなか手をつけられていなかったweb再録をする良ききっかけとなりました。
このたび展示した再録三作品は、個人的におのれの尾勇小説における初期メンのような立ち位置にいて、恥ずかしさと愛おしさが混じった、とても一言では言い表せない大切な我が子みたいな作品たちです。
普段SNS上ではなるべく自我を消していたり、思い出語りなどはしない主義なのですが、尾勇を愛してこんなに時が経ったのかと思うと感慨深さが上回り、この長文(本当に長い)を綴るに至りました。
まあなんといいますか。ここでの記録は2024年までなので続けられる語りはまだまだあるのですが、それはいずれまた別の機会を設けたいと思います。
とりあえず2026年の目標をば!
夏頃に尾勇の台風すけべ本を作りたい。イベント併せでは無いけどどうしても新刊カードが欲しい。
それから10月に大阪の百花にサークル参加します。たぶん観光バスをテーマにした不思議系な新刊を…!卓上に置きたい…!
この流れ、この場で言うことではないかもしれませんが、密やかな夢としてイラスト表紙の本の頒布に心の底から憧れているので「描いても良いよ〜」という方がいたら……お願いします。
ではでは、皆様に春の息吹と共に素敵な日々が訪れますように♡︎♡︎♡︎
おゆうってとうとい!
@_Zarathustra___
86(はろ)
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