08. アルフォンソマンゴー ジャングル探検(山の中)

 ただいまマンゴーの消費強化中です。
 ドライマンゴーにするのも飽きてきて、ジャムにしたり、変わり種でドライマンゴーをお茶に混ぜてみたり、ドレッシングにしてみたり。
 今は作ったマンゴーのジャムを乗せたクッキーを作っているところ。ジャムを作るのに精霊の力を借りたし、クッキーもそうなので、ギリギリチェンジリングも味がするかな? といったところだ。

「というわけで、確認してみてくれ」
「任せろ!」

 島の、ソレイユの執務室に顔を出した俺の説明に力強く返事をしてくれたのはもちろんキールだ。アウロがやや呆れた表情で「お茶を淹れましょう」という。ちなみに島では少量ながら茶葉も栽培し始めたようで、こちらも味がするようになってきたようだ。

「ん、甘いわね。それに、さっくりとした歯触り。でも砂糖が……」

 ソレイユも手を止めて休憩ついでに味見をしてくれたが、どうにも商売に頭が行ってしまうようだ。その方が平和なのでいいのですが。
 そして無事にチェンジリングにも味がしたようで、もさもさとキールがエンドレス咀嚼をしております。

「ソレイユ、残りはしまっておいてくれ」
「そうしましょうか」

 残ったクッキーはソレイユに預けておく。彼女がアウロに頼み、アウロが棚にしまういつものノリだ。ついでにソレイユにクッキーに使ったジャムの瓶を数個渡しておく。これは交易に出してオッケーです。

「ありがとう。長距離の輸送にはこちらがいいかしらね。いえ、でもそもそも数が」

 何やら悩んでいるようなので、いったんお暇です。





「すばらしいな」

 続いてはカヌムのアッシュのところに。花の様に並べたマンゴータルトを持参。目をキラキラさせたアッシュの反応に内心でガッツポーズです。
 切るのがもったいないな。というアッシュが、しかし切らなければ食べれないし、それももったいないと、無表情で葛藤しているのを眺めつつ、執事に切り分けてもらう。
 ついでに執事にはマンゴーを使ったドレッシングを渡す。サラダにつけてください。シヴァにも同じものを渡してある。カヌムに生野菜を食べる風習はあんまりないけど、二人なら何とかしてくれると信じている。精霊の力を利用すればチェンジリングも味がするけど、大部分の消費先がカヌムなのは仕方がないのだ。

「ありがとうございます。―――――」
「特に効果はないです」

 桃のせいで微妙に信用がない俺です。ちなみに一番最初に作ったマンゴージャムには桃同様に美肌効果が付きましたので、封印中です。あとでこっそりシヴァに渡しておこう。砂漠で乾きそうなのでハウロンもありか?
 そんなことを考えつつ、嬉しそうに、美味しそうに顔を輝かせる――なおやはりまだ若干無表情――を眺めながらお茶を飲むのだった。



「あ」
「あ?」
「ちょっと、今度は何を持ってきたの?!」

 アッシュたちの家を出た足で借家にいくとハウロンがこちらに来ており、思わず出た声を聞きとがめられ、ハウロンとレッツェに身構えられました。まだ何もしてないぞ?!

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