2024/03/27 04.AFTERNOON TEA

 煌めく金髪の美青年騎士にサーブされる、優雅なアフタヌーンティ。一段目はサンドイッチ、二段目はプチケーキ、三段目はゼリーやマカロン。それから山盛りのスコーン。まぁあくまでも概念なんだが。
 スコーンはブルーベリーとアールグレイ系の紅茶を練り込んだものをチョイスした。

「これでしたら、ミルクティにしましょうか」
「あぁ頼む」

 ブルーベリーの酸味と香りは、濃厚なミルクティ似合うだろう。ウキウキとしたカルにうなずいた。
 ただいま迷宮の食材ルートに来ております。季節の食材、今月は新ジャガ、新タマネギ、キウイに柑橘類各種。とくに土佐文旦は甘さがぴか一です。そのまま食べてもいいが、ゼリーやタルトにしたい。ジュースにもいいし、皮はジャムにもなるだろう。というわけで、ハムハムしに来ました。

「白、黒」
「うむ」
「早くよこせ」

 先ほどまで大暴れしていた二匹に、その土佐文旦を剥いて差し出す。二匹はぶんぶんと尻尾を振りながら食いついている。隙を見てモフらせてもらいつつ、カルに入れてもらった紅茶を一口。うん、美味しい。
 カルが今日選んだ茶器はあわいタッチの赤い花が描かれた陶器のセット。【鑑定】してみるとプレイヤー作だった。華やかな大輪の花の描かれたティーポットとカップはこれがテーブルの上にあるだけで目を楽しませてくれるだろう。間違ってもダンジョンで出すものではないのだが、いまさらですよ。

「今日も美味しいです」
「そうか、よかった。カルの紅茶も美味しい」
「ありがとうございます」

 スコーンも美味しいし、紅茶も美味しい、天気()もいいし、遠くにはモフモフしたウサギ(ドロップはカラフルな卵)も平和に跳ねている。いやぁ、平和だなぁ。

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