ニネットと侍女



前書き


ニネットとアニエスの話をボツにした後に書き直そうと思って執筆していたもの。。
暫く放置して続きが書けなくなってしまったのでお蔵入り。


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 モーナット王国西部に位置する丘の上には、立派に聳え建つロイヒテンダーベルク城がある。
 今にも空に突き刺さりそうな摩天楼、白鳥のように白い外壁。見た者を圧倒するかのような外面だ。
 ロイヒテンダーベルクという名前は王国の言葉で「輝く山」を意味している。この城が建つ丘は太陽に近い場所だと昔からの言い伝えがあり、それをもとにして名付けられたのだった。
 王族とその関係者たちが住まう城で、毎日大勢の人間が出入りする。まだ昼にもなっていないというのに、伯爵や他国の貴族、近衛兵などが城を訪れ忙しなく動いている。
 この城で働く侍女も例外ではなかった。
 彼女たちは女主人の元に仕え、髪結い、服装や装飾の選択、衣装の管理などを行い、この他にも全般的に女主人を補佐する役割を担っている。
 侍女の社会的な身分はそれなりに高く、貴族出身の者も多くいた。
 今日は彼女たちの女主人であるニネットがピアノの演奏会を行う。そのために侍女たちは数人がかりで美しく仕立てるのだ。
 ニネットに仕えているのは、クロエ、イネス、アニエスの三名。クロエがこの中では最年長のベテランで、アニエスはまだ新米だった。しかし主人に仕えていることにはかわりはないので勤続年数は関係ない。
 
 支度はニネットの部屋で行われている。
 すでにドレスの着用は済んでいた。ミントグリーンの綺麗な色合いだ。
 ドレスを身につけた後は、クロエが髪型を整えてくれている。
 ソファに腰掛けた状態で手鏡を持ち、髪型の様子を確認した。
 「なかなかいい感じよ、理想的だわ」
 「それは嬉しゅうございますわ」
 手際よくニネットの長い髪をまとめあげた。当然のことながら美しく仕上がっている。
 次は、アニエスがクロエに支持されていくつかの髪飾りを用意した。薔薇の装飾が施されているものや羽がついたリボンなど、彩りのよいものが並べられた。
 「どれにしようかしらね。アニエス、どれがいいと思う?」
 髪飾りをじっくり眺めながら迷うニネット。アニエスは髪飾りとニネットの髪型を交互に見た。どれを身につけるかはとても重要だ。間違いのないようにしなくては。
 「私はこれがいいと思います」
 そう言って指差したのは蝶の形をした飾りだ。緑色のリボンも付いている。
 「あら素敵じゃない! 緑色、好きなのよ。これにするわ」
 アニエスが選んだ髪飾りを手に取った。


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めちゃくちゃ短い。でもおわり


公開日:2020/8/1


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