09. グラナダ 海の楽園(Zodiac)

 夏です。イベントです。
 というわけで、今年の『異世界』での夏のシーズナルイベントが開催されている。
 今年のテーマは「海の楽園」ということで、海の底に人魚の町が期間限定で開かれるという設定だそうだ。

「人魚」
「人魚です」

 運営からのお知らせを見ながらお茶漬とペテロが首をかしげる。私とレオは珍しい魚が見れないのかとワクワクしております。

「プレイヤーはなれねぇんだっけ?」
「なってどうするのさ」

 陸上生活アウトでしょ。と、シンの言葉にお茶漬があきれたように言う。もしかしたらひれが乾いて二本足になるのかもしれない。
 それはともかく、海の底にある人魚の町へはファガットの海岸からいけるらしい。




「おぉ、すごいでし!」
「すごいね。破れないのかな」
「怖いこと言わないで」

 ファガットの海岸から、大きな泡に包まれてふよふよ海の中を移動している。淡く虹色に輝く透明な膜越しに海の中は輝いて見える。空間は体格の違う六人が入ってそれなりに動ける程度の広さ。だからってはしゃぐなレオ。
 レオが動くたびにぼよんぼよんとたわむ膜に、大丈夫だと思うが不安が沸き上がる。

「これ、海恐怖症だっけ? そういう人大丈夫かな」
「海洋恐怖症だったかな? いろいろなタイプがいる見たいだけ、水の中がアウトな人無理だろうねぇ」

 お茶漬とペテロがそんなことを話している。まぁ、事前にその辺はゲーム情報として開示してあるから、ゲームをプレイしている以上は自己責任なんだろう。
 そうこうしているうちに、眼下が明るくなっていく。どうやら町が見えてきたのだろう。

 そうして、泡の結界に囲まれた人魚の都にて、主にレオのやらかしによって大きな騒動に巻き込まれることになるのだが、それはまた別の話です。
 別の話と言ったら別の話です!


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多分なんかやらかした(レオが)
多分人魚姫モチーフのなんかがあったんじゃないかなぁ(何も考えてない)
そのうち別のお題とかで続きを書きたいなぁ。

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