小噺



「今日PTAの打ち合わせ行ったら吉田さんて気さくな方ですね、て言われましたけど。」と四草が言った。
お前そんな頻繁にガッコ行く用事てあんのか、と聞いたら、今は、そういう時期なんで、という答えが返って来た。そういう時期て、どういう時期やねん、て突っ込んだらええんか?
「子どものPTAて、今は別にガッコではせえへんのです。一応話合いしたことの議事録は取りますけど、議事録に書かんこととかしゃべくるだけの仲良しクラブみたいになってんので。」
こっちがちょっと逡巡しているうちに、なんや知らんけど立て板に水のしゃべくりが始まった。へえ、と相槌を打ったら、そこで四草が笑ったらしく、振動が伝わって来た。
「ファミレスとか、公民館の会議室とか、人んちの居間とか借りてやったりするんですけど、今年会長が回って来た僕が、自分のうちには人を上げたない、ファミレスも苦手やていうたら、今年はここから近い地区センターの部屋借りてしましょ、て言うことになって。」とそこまで言われて、オレの知らん世界やな、て思った。
月一回くらいあります、てな返事が返って来ると思ってたら、妙に長い話になって笑ってしもたら「枕は動かんとってください。」と来た。
いや、お前こそそんなとこで何話してんねん。
おチビが外に遊びに行っとるから言うて、子どものPTAの話なんか、寝っ転がっとるオレの尻に頭乗せながらするもんとちゃうで。

長っ尻て、こういう言葉とちゃうねんぞ。

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