永久に夢を、永久にきらめきを。

アイカツスターズ きらあこss。
早乙女あこちゃんが太陽のドレス実装された記念おめでとうのssです。
スターズの世界だけどフワフワドリーマーは押しも押されぬラブラブフレンズ♡だからフレンズアピールとかミラクルアピールとか出せると思う。出して。


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 ――ふわふわ、夢をみているみたい。
 自分の背中に宿った大きな翼はキラキラと光を反射して、このままどこか遠くまで飛んで行けそうだった。
眩しい。
 素晴らしい光景のはずなのに思わず目がくらんでおかしくなってしまいそう。未知の感覚に身体が僅かに震えた。どうしよう、と思ったその時、あこの手を彼女の柔らかい手がぎゅっと握ってくれた。
「あこちゃん!行こう、一緒に!」
 優しいミルキーカラーの光をあつめる太陽のドレスを纏った彼女は、ためらいなくあこの手を引いてくれた。だから、あこには心配の余地なんてない。
「もちろんですわ、きらら!」
 二人で一緒にどこまでも高みへと進んでいく。きらめきが最高潮に達したところで、フレンズアピール、そしてミラクルアピールを連続してきめた。

大きな歓声は地鳴りのように響いている。
ワールドアイカツカップ、ニュージーランド代表選考の決勝戦がおこなわれたスタジアムは、最後のフワフワドリーマーのステージが終わった後も、まだ興奮冷めやらぬ状態だった。

 世界規模のアイドルの頂上決戦であるワールドアイカツカップ。
 そのニュージーランド予選では、もちろんフワフワドリーマーは優勝の最有力候補だった。
 しかしステージが始まる瞬間、アイカツシステムの中に吸い込まれ、ステージに立ったきららとあこを見て、観客たちははざわめいた。
 きららはエターナルドリームコーデ、一方あこはスイートライムライトコーデを身に纏っていたのだ。
 片や太陽のドレス。片やSPRドレス。その不釣合いさにスタジアム内には俄かに緊張が立ち込めた。
 大切な決勝戦のステージ。あこは太陽のドレスをまだ手に入れられていない。それならどうしてきららの方もSPRドレスにしておかなかったのか、そう首を捻る者もいた。
 しかしステージの上、きららとあこはそんな周囲の心配なんて気にも留めていなかった。ただ、相手のことだけを視界の中に捉える。そしてお互いの瞳の中に灯る闘志の炎を確かめ合ってから、口元に笑みを浮かべて、同時に頷いた。
――きっとこのステージで、あこちゃんも太陽のドレスを手に入れられる。
 ドレス選びに悩んでいたあこに、きららは確信を持ってそう言った。あこは彼女を信じた。信じて、信じ抜いて、ここまできたのだ。何も怖いものなんてなかった。

 そして今までで最高のパフォーマンスを見せた時、ドレスはキラキラと強い光に包まれた。
 ライムグリーンを基調としたまばゆい輝きを纏ってあこは羽ばたいた。
 エターナルライトコーデ。永久の光を約束されたドレスは、すぐにあこの身体になじんで、アイカツシステムの中をきらめきで満たした。その隣にはもちろん、きららの姿があった。
 揃いの太陽のドレスで二人は舞い踊る。観客は圧倒され、呼吸をするのも忘れる程だった。
 やがてアイカツシステムの見せる夢の世界がその幕を閉じると、スタジアムは一瞬静寂に包まれ、それから爆発したかのように熱狂に包まれた。二人の姿に喜ぶ者、ただただ涙を流す者、二人を讃え大きな拍手を送る者。誰もが歓喜に沸いていた。
 フワフワドリーマーの二人が伝説を作り上げた瞬間だった。

 ドクドクドクと心臓はまだ大きく脈打っている。頬は上気し、息も荒い。渾身のステージだったのだ、無理もない。
 あこは胸に手を置いて呼吸を整えながら、まだざわめいている観客席の様子をぼんやりと眺めていた。
 これが太陽のドレスを手に入れるということなのか。夢の世界の頂点に到達するあの感覚は、ふわふわで甘くてきらきらと眩しいけれど、決して夢でも幻でもなく、ちゃんと手ごたえがある。アピールを決めた時の一瞬一瞬を細部まで全て思い出すことが出来る。想像以上に頭の中は冷静で、自分でも少し驚くくらいだった。
 反対に、きららの方はと言うと。
「あ”こ”ち”ゃ”あ”あ”あ”あ”ん”ほんとにほんとによかったよ”お”お”お”お”お”お”」
 さっきからあこにしがみ付いておんおん泣いていた。
「ああもう、分かりましたから落ち着きなさいな。まったく、なんであなたの方がそんなに泣いてるんですの」
「ぐすっ、だってきらら、本当に嬉しくって・・・・・・ううっ・・・・・・」
「――まったく、本当に誰のおかげだと思ってるんですの」
 きららのピンクと水色の髪を優しく撫でる。そうしているうちに、あこの瞳にもじんわりと涙が滲んできていた。
 最初にきららが手を引いてくれなければ、きっとここまで来ることは出来なかった。それだけは確かだ。

『ワールドアイカツカップ、ニュージーランド代表選考の決勝戦、勝ったのは・・・・・・フワフワドリーマーの二人だーーーー!!!!』

勝利を告げるアナウンスによって、再び会場から大きな歓声が上がった。
「きらら、行きますわよ!」
「うん、あこちゃん!」
 涙を拭って、顔を合わせて笑い合う。
 それから、しっかりと手と手を繋いで、輝くステージの中央へと一緒に駆けていった。
 ふたりなら、大丈夫。
 ふたりなら、どこへだっていける。
 その気持ちはいつまでたっても変わらないって、絡めた指先のぬくもりが教えてくれていた。

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