残照、凛烈たりしかば
その日の朝は、どこか陰鬱なにおいが漂っていた。
|向風《むかいかぜ》に、ささめ雪がひらり、ひらりと舞って、ほの白い霧のように、江戸の町並みの輪郭をぼやかしている。寒さのせいか雪のせいか、道行く人影も少なく、通りに面した店々の暖簾が寂しげに揺れていた。
暦の上では立春を過ぎていたが、春の気配は未だ遠い。
|土方《ひじかた》|歳三《としぞう》は、ひとりその陰気な静寂を裂くように、大股でゆく。
黒羽二重の着流しに、小洒落た印籠を帯から下げた出で立ちは、いかにも遊びに慣れた|通人《・・》の若旦那、といった風体である。
が、よほど慌てて店でも飛び出してきたものか。
この吹降りの中を、裸の足に雪駄をつっかけただけで、笠も被らず合羽もまとっていない。
|銀杏髷《いちょうまげ》を|拵《こしら》えた頭には、雪がまだらに降りかかっているし、ひと目に上物とわかる羽織の肩は、雪に濡れて見るもむざんなありさまである。歳三が傍らをすり抜けると、|御高祖頭巾《おこそずきん》の町娘は番傘を傾け、ぎょっとした目つきでかれを見送った。
歳三は一路、江戸城坂下門をめざして駆けていた。
——またやりがった。今度も水戸か。
焦燥に近い、何か灼けつくような感慨が、胸中にある。
老中安藤信正殿、襲撃さる。
その報を歳三がきいたのはつい|半刻《いちじかん》ばかり前だった。馴染みの|妓《おんな》の|褥《しとね》で外の騒ぎを聞き、禿をよんで確かめさせたところ、この驚愕すべき報せがわかったのである。それも、襲撃はけさのことではなく、昨日の|辰の刻《午前八時》だという。吉原の奥まったところに立地する妓楼とはいえ、国家の一大事がまる一日近く遅れて伝わるとは思いもかけなかった。
終わったこととはいえ、歳三もひとりの男である。駆けつけずにはいられない。
それから|後朝《きぬぎぬ》の別れの時間も惜しみ、着衣するなり傘も借りずに楼をおりて、今ここにいるのである。
実のところ幕府の大役が襲撃されるのは、これが初めてではない。
一昨年にあたる安政七年の上巳の節句、同じ江戸城の桜田門で大老である井伊が首級を取られたのは記憶に新しい。そのときも歳三は、かれが敬愛する義兄弟であり、かれの剣の流派のあるじでもある|近藤《こんどう》|勇《いさみ》に連れられて、井伊の駕籠があったあたりを見に行った。
今日よりもずっと重く深い雪が視界をとざしていた。
誰のものかも定かでない、散乱した遺体を取り巻く血痕は、既に変色し、黒に近い錆びた赤褐色が雪を穢すのみだった。
歳三はそのことを思い出して、駆けながらぞくりと身を震わせる。
せめて鮮やかな赤であれば胸をかき乱されたものだったろうが。
その、|きたならしい《・・・・・・》、という形容がふさわしいような色は、ひどく惨めなように、かれの目に映った。
井伊大老の独裁とも言うべき過酷な粛清政策——のちに安政の大獄と呼ばれる、かの有名な政策である——が巨大な反感を買っていたことは、武士でさえない歳三も知っていた。あの日、桜田門で井伊を襲ったのはそれをひときわ憎しとする水戸藩士の過激派だった。
むろん、殺人が正しい抗議のかたちであるわけがない。
だが歳三には彼らの感情が察せられた。おそらく歳三だけでなく、ほとんどの男なら理解できたろう。男が集まれば自然、会話は国の先行きを案ずるものになるような時代だった。
二度にわたる黒船の来襲。
留まるところを知らない物価の高騰。
閉ざされていたはずの日ノ本を我が物顔に闊歩する異人。
それに対し有益な政策を布くどころか、異人に|諂《へつら》い、主上の宸襟をわずらわせ奉る幕府。
やみくもに逆らう者の首を刎ね、領地に閉じ込める、それでこの内憂外患の日ノ本が救えるものか——。
あの事件はそういう憂慮、一身を顧みない国家への愛情が暴発した結果であろう。
歳三は『幕府首魁とて暗殺されうる』という事実におののきこそしたが、むしろ彼らに同情的ですらあった。もし自分が水戸藩士であって、もし主君や藩の尊敬する重役が理屈に外れた憂き目にあったら、同じ行動をとったかもしれない、そういう自己投影もあった。
悲しく美しき国家のための犠牲。
歳三のなかでの彼ら水戸藩士の死は、そういう、一種の悲劇の英雄とでもいうような情緒的位置づけをもっていたのだ。
が。
現実に雪の上に遺った事件の爪痕には、|美しさ《・・・》などどこにもなかった。
反吐が出るような、きたならしい、泥のように濁った、赤黒い血痕だけであった。
——国のためにいのちをかけた結果がこれなのか?
それに対して歳三は、憤りのような、落胆のような、ひどく哀切にせり上がってくる耐えがたい感傷をおぼえた。
——こんな汚穢になるために、おれは刀を振っているのか?
坂下門はすでに目前だった。
歳三のいるところを理解するには、少々江戸城の構造に関して注釈を要するだろう。
江戸城は、本丸を中心とする|曲輪《くるわ》と西の丸を中心とする|曲輪《くるわ》から成っている。
明暦の大火で天守閣こそ失ったが、なお天を衝くように|聳《そび》えるそれらの巨大な城郭を、|蛟《みずち》の|とぐろ《・・・》のように取り巻くのが内濠と外濠である。この坂下門は、外濠のさらに内側——すなわち、江戸城の|惣構《そうがまえ》と呼ばれる城郭内にあった。
さて、歳三はその惣構へはいりこんで、|蛤《はまぐり》濠という妙に生臭い名を持つ内濠のあたりへすすんでいた。
背後に会津藩の上屋敷がある。
三つ葵の紋をかかげた、卑しからぬ構えの堂々たる藩邸だ。
ちょうどこの藩邸と蛤濠で、登城者をはさみ撃ちするような立地になっている。そのはさみの刃の内側ともいうべきか、ややひらけた空間をまっすぐに進んで、奥まった場所にあるのが坂下門だった。
歳三は門を前方ににらみながら、じりっと雪駄の踵で砂利を踏んだ。
桜田門を見に行ったときは、当日ということもあってか野次馬がいやというほど集まって、それを役人やら番所に詰める当番の武士やらが押しのけていたものだ。しかし今日は、未だ放置されたままの幾つかの遺体を検分しているらしい二、三人の役人を除けば、歳三のほかに|殆《ほとん》ど見物人はいないようだった。
……殆ど。
つまり、誰もいないというわけではない。
歳三の足をためらわせたのは、他でもない、そのひとりきりの見物人だった。
門は奥まった位置にあると、先ほど述べた。つまり、その門の前あたりにいると、門を守るように横に突き出た城郭が邪魔になって見えづらい場所ができる。見物人はそこに立っていた。
女である。
丸髷を結っているから嫁入り後だろうと歳三はあたりをつけたが、それにしては衣紋を抜いたうなじが生娘のように白かった。
雪の中でもはっとするような白さだった。
色白は七難隠すともてはやされるものだが、こうも蒼白いまでに|しろい《・・・》とどこか気味が悪い。
さらに目を凝らしてみれば、藍色の|袷《あわせ》の下の襦袢までが白である。
——死装束みてえな恰好をするもんだ。
死装束。
その言葉に思い当って、みぞおちの下のあたりにざわりとした妙な違和感が走った。
本当に偶然そう見えたというだけなのだろうか。
……真実、死装束のつもりで着ているのだとしたら?
女のまとう雰囲気は、それをあながち愚かな妄想として切り捨てられないものがあった。
「御新造!」
しかし、歳三がそう呼びかけたのと、女の足が地を蹴ったのは同時だった。
草履を履いた足が意外なほど速く回る。
何かを握ったかたちの手の先で、きらりと光る切っ先が、歳三の位置からはっきりと見える。
——馬鹿!
刹那、思考よりも先に身体が飛び出した。
歳三は雪を跳ね飛ばすようにして走る。
短刀をかざし、役人の集団に迫る女の背中が、わずかに遠い。初めに距離を取っていたのがまずかった。雪に音がかき消されているのか、役人衆は女に気付かない。
歳三の脳裏に、鮮血を撒き散らしながら倒れる役人のすがたが過る。
「女っ!!」
あと少し。
あと少しが届かない。
「夫のかたき——」
鼓膜が引きつるような甲高い声で叫んだ女に役人が振り返る。
時間が伸びる。視界に映るすべての動きが緩慢に伸びていく。
瞬間、女の姿がかき消えた。
それを認識するや、歳三は何かに躓(つまづ)き、倒れ込む。
硬質な砂利の衝撃——ではなく、柔らかな感触。
咄嗟のことに目を瞬かせると、乱れた丸髷が目に入る。
転んだ女のうえに、覆いかぶさったと見える。
女の手が砂利をさぐって、取り落とした短刀を握る。
歳三は我に返った。
「刀を離せ!」
薄っすらと積もった雪のうえで、身を起こそうともがいた身体を、馬乗りで押さえつけ、刀を握る腕をとらえる。
「|厭《いや》!」
女は首を捩るようにして歳三をあおぎみた。
ほんの一瞬、息がとまった。
女はひどく美しかった。
胸が痛くなるような美しさだった。
心臓を掴むような、深くて黒い目をしていた。
それが歳三を怯ませた。
「っ馬鹿が!|殺《や》る気だっただろうが!」
怯みを見抜いたか、女がいっそう激しく抵抗を始める。歳三は焦ってさらに女に体重をかけた。
「そ、その女が」
頭上から役人らしき声が降ってくる。
「私らを手にかけようとしていたのか?」
動揺した声に歳三はうなずこうとして——躊躇した。
ここで自分が頷けば、女は公儀にさからったとして縄につく。鞭打ちですめばいいが、坂下門で安藤老中を襲った水戸藩士と関係があるなら、拷問にかけられ、死罪の沙汰を下されるかもしれない。
腕につたわってくる女の鼓動が途端になまなましくなり、その拍動に合わせて自分の血も流れているように思われた。歳三のなかで、腕の下の身体が、かたき討ちを試みた女ではなく、ひとつの生き物になった。
生き物の命を、歳三は強制的に握らされているのだ。
桜田門で見た、あの惨たらしい赤褐色の血痕が浮かぶ。
血溜りの中に横たわる浪士の遺体と、この美しい女とが脳裏で入れ替わる。
柔らかな|脾腹《ひばら》から臓物がこぼれ血が流れ出る——鮮血が雪に触れ、あの醜い色に変わる。
すさまじい嫌悪感に産毛が逆立った。
違う、と否定する言葉がのどもとまで出かかる。
「さようですわ」
しかし、やはり歳三がそれを言うよりも女が答えるのがさきだった。
先刻の叫びが嘘のようになめらかな声をしていた。
——なぜ。
歳三は我が耳を疑って女を思わず見下ろした。
「鼠色の裃のあなた、ええ、あなたです」
女は歳三を見ていなかった。
涙の膜をはった双眸が、声をかけてきた役人の背後にいた、背の高い男を睨みつけていた。
「あなたが、夫を殺したのです。きのう、安藤の駕籠のななめ後にいらしたでしょう……!」
睨まれた男は動じるふしもなく眉をひそめただけだった。
「あなたが……総次さんを、卑怯にも後ろから!」
そうじ、と。
震える唇から放たれた言葉に歳三は反射的に視線をはねあげた。
心臓が激しく打つ。
そうじ。総司。それは歳三の弟のような青年の名と同じであった。
——そんなわけがねえだろう。総司は、試衛館にいる。総司が斬られるわけがない。
自分の『総司』ではない男のことだ。
そうわかっていても、早まった鼓動は冷たい血を全身に送り続ける。
「総次とはこれのことですかな、御新造どの」
男はつま先で目の前の骸を軽く蹴った。
総髪の頭がごろりと揺れる。
「触れるな、下郎が!」
女は再び叫ぶように言った。
止んでいた抵抗がまた始まる。
——抑え込まなければ。
歳三はそう思ったが、どういうわけか両腕に力が入らない。遺骸が総司と同じ総髪を結っているせいだろうか。男が無遠慮に足で扱った遺骸が、総司のように見えてならない。
——ああ、あいつをそんな風に蹴るな。蹴らないでくれ。
「威勢のいいおなごだのう」
男は冷笑した。
「夫の仇討ちか?殊勝なことよ。だがわしはおなごに下手を打つような腰抜けではないわ」
腕の下で女が絶句した気配があった。
男は嘲笑いつつ、なおも言葉を重ねた。
「おなごなど所詮は慰み者にすぎん。よう見ればそなた器量よしではないか。おとなしゅうしておればよかったものを、妙な心など起こすからそなたの夫はこのざまじゃ。おお哀れな、哀れな……」
言いながら遺骸を踏みつける。草履の下になった鼻梁が、ぐしゃりと不格好な人形のように潰れた。
あまりのことに歳三の視界が束の間白く染まった。
「お侍様!」
とっさに声が出る。
自分の声ながら、どこか遠くの物音を聞いているようだ。
歳三はつんのめるようにして身を乗り出す。
「罪人とはいえ同じ人。それにもう仏となった相手ではありませぬか!」
あからさまの非難に男が歳三を|一瞥《いちべつ》する。
視線がかち合う。
薄い|目蓋《まぶた》に、血管が青く浮き出た三白眼が、ぎろりと動く。
若造が生意気を申しおるわ、とでも言いたげな眼光である。
人を見下しきったまなざしがたまらなく癇に障った。
歳三は、遮二無二それを睨み返す。
「ご無体はよされよ!」
目を外さぬまま、さらに声高に挑発した。
理に適わないことを言ったわけではない。男に見下される筋合いもない。歳三はそういうところで、筋を通さずにはいられないたちだった。
当時の道徳的価値観からは、はずれている。
そのころ、幕府が公式の学問として定めていたのは、儒学、|殊《こと》に朱子学という中国の|朱熹《しゅき》(南宋時代の思想家)に起源をもつ学問である。|タテ《・・》方向の秩序を守る「礼」を最大に重んじ、広い知識をたくわえなければ正しい行動はできないとして、|先知後行《せんちこうこう》説をとなえていた。
秩序に縛られ知識に縛られる民は従順になる。
支配されることを当然と受け入れ、無抵抗になる。
思想操作から民衆の手綱を握ろうとする幕府の思惑がすけてみえる。
閑話休題。
この朱子学的な価値観にもとづけば、歳三は身分が上の武士に逆らうべきではなく、おとなしく頭を垂れて女を差し出すべきだった。そののち、あくまで理に則り礼を重んじて、丁重に諫言すべきであった。
が、歳三にそんな教養はない。あったとしても、早々にかなぐり捨てただろう。
歳三は武士の生まれではない。豊かな農家に生まれ、二度江戸へ奉公に出て、家に戻ったのちは薬の行商をして二十六まで生きてきた。常に側にあったのは技術と数字であり、生きてゆくために必要だったのは、それらの理論と人情の均衡をとることだった。
自然、それがかれの思考を構成している。
歳三にとっての|正しさ《・・・》は、朱子学の小難しい理だの礼だの秩序だのではなく、合理性の一言につきた。
その点、現代を生きる我々の価値観に一種似ている。
男はしかし、歳三の相手はせずにふいと視線を逸らした。
喉仏の張り出した無骨な喉がうなりを発する。
「……これを取り押さえた男か?」
男は、これ、と顎をしゃくって、地に転がる女を示し、側に控える付き人へ問いかける。
付き人は、白目勝ちの藪にらみのような目を男の半歩前にぼんやりと落としたまま、は、と短く答える。
「まことうるさいのう。部外者はそこを退かぬか」
男は、蠅でも払うように、歳三へ筋張った手の甲をみせ、ひらひらと振る。
「つまみ出せ。女は此方で貰う」
まるで歳三を歯牙にもかけていないのだと、ことさらに軽侮した振る舞い。
つい、血が|逆上《のぼ》る。
女への侮言を黙って見ておれば仏への狼藉。
それに苦言を呈すれば追い出すという。
抑えがたい憤慨がわきあがった。
「つまみ出せたぁ、大した根性ですな」
歳三は切れ長の瞳を爛々光らせる。
——この男、武士にして武士にあらず。
その怒りが、歳三の自制を振り切らせている。
「ここは城の中じゃねえ。外濠の内ではあるが天下の公道です。私がどこを歩こうが、ご公儀のほかは口出しできねえはずだ。それを貴様はつまみ出すという。おそれながらご公儀の|代理《・・》とでも、思いあがっていらっしゃるので?」
巻き舌気味の早口に捲し立てる。
男の眉山のあたりが憎々しげに盛り上がった。
「……ぬかしおる」
歳三の挑発は実を結んだらしい。
男は薄い唇をゆがめて付き人に吐き捨てる。
「|寛爾《かんじ》。これの|髷《・》を切れ」
寛爾、と呼ばれた付き人が、焦点の微妙にあわない目をぬるりと主へ向ける。
皮膚がどことなく脂ぎっている。
「は」
寛爾は、感情をみせることなく、また短く応えた。
そうして歳三をその不気味な目にとらえる。
そのまま、動かない。
見定めるようなまなざしが注がれ、歳三は頬をこわばらせる。
言わずと知れたことだが、髷を切られるとは恥辱の極み。
あまりの舐めくさりように、思わず男の胸倉をつかんで引き摺り倒してやろうかと思われたが、寛爾とかいう男の腕前が気にかかる。
一見、猫背気味に巻き肩の陰気な男である。
が。|鬢《びん》の毛の面擦れと、先ほどちらりと見えた剣胼胝の盛り上がりを歳三はみのがさなかった。姿勢こそ悪いが、身体の軸がすんなりと通り、それが微塵も揺らがない。
常人ではない、と見た。
「……女」
歳三は女の胴を締めていた膝をゆるめる。
男に抗議した歳三の気迫に呑まれたか、先ほどから女はおとなしく押さえ込まれたまま、しばし抵抗をやめ、身体の力を緩めていた。
寛爾に視線をつけたまま、女の耳に唇を寄せる。
「かたきは取ってやる。おれが立ったらすぐさま背中の方向へ走って市中へ出ろ」
女が、信じられない、といった風に目を|瞠《みは》る。
「おれのことなら案ずるな」
歳三は目の端を和らげた。
もとより役者と見紛う細面。きりりと締まった目許は気難しく見られることも多いが、笑えば沁みるように|艶《あで》やかな雰囲気を湛える。嫉妬交りに評される女泣かせの二つ名は伊達ではない。
「死にはしねえさ」
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