2023/10/08 ワンドロ2
「イチゴ狩り、潮干狩り、たけのこ狩り。しかし栗だけは栗拾いだよな」
「うん?」
なに、急に? と言うようにペテロが胡乱な眼差しをこちらに向ける。
「しかし、これはやはり栗狩りと言うべきなのでは?」
「どちらかと言うと、狩られているのは僕ら方だけどね!」
ちょっと二人とも、のんびりしてないでよ! と言うお茶漬の叱責を受けながら現実逃避をしていた私とペテロは「はい」とうなずいた。と同時に、レオの悲鳴。
「いでぇぇぇぇぇぇ!」
「なんで立ち止まるでしか!」
光魔法「かっこいいポーズ」みたいにポージングして光るスキルを発動したレオが見事にいがぐりでハチの巣にされた。そう、いがぐりです。ただいま秋のイベントで栗拾いならぬ栗狩りに来ております。
あとレオははだしなのでそれもあるんだろうな。シンはブーツを履いているので問題なし。まぁ、食らっていることは同じなんだが。でかいと的になりやすいようです。
最終的になんとか倒し終わり、私の手元には大量の栗が。
「栗ご飯、栗おこわ、甘露煮、栗きんとん、栗ようかん」
芋の代わりにくりを使った大学栗もいいな。リアルでこれだけの栗があっても下処理でうんざりするが、そこはゲーム。スキルで一発なのはありがたい。
「モンブランに、マロングラッセ」
「そういや、モンブランて、白い山なんだろ? なんで黄色いんだ?」
「あ~それはね」
指折り栗を使ったスイーツを上げるお茶漬に、レオが首を傾げ、お茶漬が説明している。ちなみにあの黄色はクチナシで着色したものだそうです。元が甘露煮を作ってからだからとかなんとか。確かに栗きんときは黄色だな。あれはクチナシの色だったのか。
ちなみにこのゲームでは普通にモンブランを作ると茶色いタイプなのだが、材料を揃えたら黄色いモンブランもできるんだろうか。
「あと栗は焼酎もあるでしよ」
「ほー」
それはちょっと作ってみるか。焼酎ができるならリキュールもありだろうし、こちらはクリームに混ぜると風味が変わりそうだ。
「天津甘栗は?」
「あれは栗の種類が違うな。まぁ焼き栗は別に作るか」
それはそれで美味しい。と言いながらクランハウスへ。あとでソロか雑貨屋の面々とリピるつもりだが、まずは秋の味覚を堪能しなければな。
「あ、サンマあるぞ、サンマ!」
「ナイス、レオ!」
「あ、そうだ。柿あった」
「今日は秋の味覚祭りだな」
レオとペテロからそれぞれ秋の味覚を渡される。なるほど、今日の料理が決まりましたね? シンには肉が足りなそうなので、別途肉料理も用意しよう。
------------
栗拾い~
栗食べたいですね。
powered by 小説執筆ツール「notes」