誘い


「譲介君、和久井先生、なあ、君、本当~に今晩そのホテルでいいのかい?」
十時間超えのフライトを終えてくたくたになった一日の終わりだというのに、彼はこれから夜遊びに繰り出そうとしているような調子だった。流石に、移動の間はビジネスマンのような顔を取り繕ってはいたけれど、空港に降り立ってからはずっとこの調子だ。クエイドの次期トップに一番近い男、と言われている彼の肩に、普段どれほどの重いものが載せられているのかは、普段の変わらない様子から察することは出来ないけれど、今日のようにスイッチをオフにしている様子を見ると、医学への学びを深めるという以外の面でも、この学会を楽しみにしていたのだろうと思う。
出会ってから十年近く経過しているというのに、この人のエネルギッシュなところは全く変わらない。
明日の学会どころか、朝食を買いに行くパン屋で通用するようなフランス語が通用しないだろうことを見越して、指さし単語帳をジャケットの中に忍ばせ、何時に起きようかと悩んでいる弟子は、しかしそのエネルギーについていく余力がない。
「ベッドに飛び込んだら最後、朝になるまで起きない自信があるので大丈夫です。」
そんなにダメですかね、ここ、と呟いて、今日宿泊する予定のホテルを見上げた。日が暮れて見えないが、外装も悪くない。それに、旅行サイトに、パリ初心者は避けた方が宜しい云々と書かれたコメントがいくつか目に付いたところで、料金の安さには代えられない。
ホテルに入ったら、まず明日から着るスーツやシャツを広げて、ズボンをプレスして……アラームもかけて置かないとならない。朝倉先生の朝食には無理だろうけど、食後のコーヒーを飲んでいるくらいには合流しないと。そんなことを考えていると、目の前で、ちちちち、と朝倉先生は指を振った。
「君のチョイスにケチをつける訳じゃないが、僕が選んだホテルで僕と一緒に泊まるなら色んな面で安心だ。プールもあって、普段の運動不足を解消するにはうってつけ。バルコニーから見える夜景も、たまの息抜きになる。最上階にあるバーフロアも、安ホテルにあるとってつけた代物みたいに狭くはないし、しつこい誘いを掛けてくる馬鹿は少ない。」
「酒ですか? 学会前には酔えませんよ。」
二十歳を過ぎて少し酒を嗜むようになったけれど、不文律の多いクエイドでは、酒を飲んでも飲まれるな、が鉄則だ。朝倉先生と共に、断酒会のプログラムを組んでいる医師からの講習会にも参加したこともある譲介もまた、他の大勢と同じように、酒に関しては無理をしないと決めていた。そもそも、コーヒー派のパートナーと暮らす譲介は、今でも、酒との関わりは、特別な日に一杯、とかそういう程度だ。
「たまにはいいじゃないか。」と言われて、おや、と思う。
朝倉先生が普段、こんな風に譲介に食い下がることは少ない。何かあるのだろうか、と思って見つめると、彼はこちらの注目を感じたのか、プレゼンの時のようにぐい、と眉を上げた。
「考えてもごらん、ぐらっとくるような美人が君に粉を掛けて来たとしても、私が保護者代わりになって、君を無事にあのおっかないパートナーの元に返してあげるよ。まあ、我らがドクタージョーはちょっと酔ったくらいで大事な人を忘れるようには見えないけどね。」と言った朝倉先生の顔には、子どもを相手にするときのような微笑が広がる。
「……っ、朝倉先生。」
譲介の三番目の師匠は、僕は浮気なんてしません、とこちらが慌てれば慌てるほど、にこにこと笑みを深める。
「いや、まあほんとのところ、パリに慣れるまでは、こういうホテルはハードルが高い気がするよ。それに、私の泊まる宿、カレーはないにしても、そこそこ旨いペストリーにありつけるんだけどなあ。」と言われて、数か月前のことを思い出した僕は、はっと我に返った。
一泊が何万するホテル――勿論単位はドルではなくユーロだ――かは知らないけれど、学会での宿泊は事前の立替払いになる。以前、似たような甘言に惑わされて彼と続きの階に部屋を取った時、気が遠くなるような金額がカードから引き落とされて、残高はたっぷり残っているものの、頭が貧血になりそうになった。
寝る前にパソコンを開いて呆然としていたら、後ろからこちらの様子を伺っていたTETSUには久しぶりに、クククク、と嘲笑され、「おめぇもとうとう年相応の金の使い方を身につけたか。」などと感慨深いような声音でからかわれたのは記憶に新しい。あれは、渡米後も、元保護者から預けられた通帳から引き出した分を、いつか耳を揃えて突き返すのだ、という一念でずっと清貧の道を歩いて来た僕には、ほとんどトラウマとも言える体験だった。
「譲介君、本当にいいのかい?」と一言、朝倉先生は念を押すように言うと、やっとのことで物思いから引き戻された。
「今日はありがとうございました。明日、早く起きられたら先生の泊まるホテルまで伺います。」と言うと、朝倉先生は、分かったよ、と言って引き下がった。
日本でK先生に付いていた頃は、こういう時、大仰なほどに礼をしていたけれど、君がクエイドに居る限り、そういうしゃちほこばったポーズは必要ない、目を見て話せばわかるから、と朝倉先生に教わって以来、頭を下げた記憶はない。……いや、一回はあったかもしれない。あれは指輪を……、くそ。象のことを考えるなと言った途端に象のことしか考えられなくなるという格言は、自分がなってみると、確かにその通りだ。
「うーん、やっぱり疲れてるみたいだね、それとも時差ボケかな? ずるずると引き留めて申し訳なかったね。私もそろそろ退散するよ。じゃあ和久井先生、また明日会おう。」
そう言って朝倉先生は、目にもとまらぬ早業で送迎用のリムジン風の車に乗り込み、颯爽と去っていった。
カリフォルニアほどではないけれど、パリの夜は明るい。
明日、近くのカフェまででもいい、一緒に歩いて行けたら楽しかっただろうに、とアメリカに残して来た人のことを思い出す。
そんな風に呑気に考えられるのも、これまで学会に出た時ほど緊張してないからかもしれなかった。会場の準備は現地のスタッフ任せで、自分の発表の準備もないからだろう。
合衆国開催の学会であれば、当然、発表も質疑応答も何もかもが英語がスタンダードになる。予算が潤沢で許可が出れば通訳は付けられることもあるらしいけど、医学用語に詳しい人間は争奪戦だ。英語が喋れません、と白状しているのも同じことだし、結局、相手の言葉のニュアンスまで汲み取ることが難しい。前回のマドリードでは、いくつかの質問で基礎的な単語の意味を度忘れして、失態を見せることもあったけれど、次の機会があればもっとうまくやれる。基本的にはネガティブな僕が、こんな大層な決意を気負いなく考えられるのは、間違いなく朝倉先生のおかげだ。カリフォルニア育ちのあの人の自然体な明るさに、いつも救われている。
まあ、だから、どんなホテルかは分からないがとにかく今日はここが僕の寝床だ。小金は払っているのだから、少なくとも野営するよりはましな設備を使えるはずだ。


街中にあるオテルドゥラメールと言う名のこのホテルは、先任の先生にとりあえずの安全と最低限、ベッドと灯りはある、と言わしめた環境だが、朝倉先生にあちこち連れ回されて、最後はどうせ死んだように寝るだけになるのだから構わない、と思った時に予約をしたのだった。
旧式の鍵の部屋というのは、今も少なくない。
キーホルダーごとチャラチャラと言わせながら部屋の中に入ると、ベッドと鏡と机。日本のビジネスホテルと比べれば、やはりそれなりの広さがあった。電灯は、夜は寝るようにと言わんばかりに薄暗い。一階のロビーもそんなに明るくはなかったし、人々がくつろげるような広さはなかった。
時差ボケがあって起きていることになっても、灯りを消せばなんとか過ごせるだろう。時計を見れば夜の十一時を過ぎている。カリフォルニアは……十時間違う。どっちにしても電話はかけない方が無難だ。
声が聴きたいと思ったけど、ホームシックになるのはまだ早い、と自分に言い聞かせて、荷物の中から着替えを取り出すと、着ていたよそ行きの服を脱ぎ始める。
ジャケットをハンガーにかけ、シャツを脱いで、ズボンはプレッサーをフロントから借りて来るべきだった。まあいいか、とぽいぽい脱いでシャワーブースに入り、カランのところで温度を調節してから、蛇口を回す。
「……っ、くそ、何だこれ。」
普段なら手に受けるのに、うっかりシャワーブースの中に突っ立っていたせいで、出て来た水を頭から被ってしまった。そのまま少し我慢すればいいか、と思ってシャワーヘッドの下に立っていたけれど、いっかな水が温まる気配はない。カランの温度を限界まで調整してみたが、反応がないままに時間だけが過ぎていく。
「、っ、くしゅ。」と小さなくしゃみが反射的に出てしまう。
背筋がぶるりと震える。まずい。
依然として、シャワーヘッドから吹き出す水は冷たいままだ。
浪人時代からの一時期、秘境のような山奥の診療所での暮らしはしたものの、少なくとも滝修行や水垢離などというものとは無縁に生きて来た。シャワーは飛び上がりたいくらいに冷たいというのに、なぜか身体が言うことを利かない。
もしかしたら、自分が思うより疲れていたのか、とやっとのことで気づいた。
ここにいてはダメだ、と気合を入れて蛇口を締め、棚に置いてある白いバスタオルに手を伸ばす。震える手で身体を拭くと、なんだかタオルからは妙な匂いがするので、すっかり目が冴えてしまった。ここではちゃんと洗濯をしているのだろうかという考えがちらりと頭をかすめたが、頭を振って忘れることにした。
バスルームを一歩出ると、暖かいどころか、暖房が付いていないことに気が付いた。春先のパリの夜の、その無情な寒さ。なんとかエアコンを付けて、フロントに電話をした。
お湯が出ない、と伝える必要がある、と思って片手に辞書を持ってはみたものの、フロントから人間が消えてしまったのか、他の電話を取っているのか、誰も出ないまま数分が過ぎた。玄関の大理石が欠けてそのままになっているのを放置している様子を思い出す。そういえば、と思って辺りを見渡すと、この部屋にはドライヤーも見当たらなかった。ため息が出て来る。エアコンは温風を吐き出すまでに、たっぷり五分は待った。余りにも遅いので、電話を置いた。
さっき別れたばかりの朝倉先生の笑顔が、思慮深いボスの顔になって頭の隅に現れ、そら見たまえ、とこちらに語り掛けて来る。なんでこういうときに頭に浮かぶのがあの人じゃないんだろう。
水のしたたる頭を振りながら、やっとのことで自宅からはるばる持って来た生成りのパジャマを身につけて、なんとかよろよろとベッドにたどり着き、顔から寝床にダイブした。旅行に行くなら念のため持っていけ、とあの人から渡されたアスピリンは鞄の中に入れたままだ。今すぐ立って水を汲んできて、あれを飲まないと、と思うけれど、冷たいシーツの感触が頬を撫でると、その考えは頭の隅に消えていった。シャワーで水垢離する羽目になった話をするために、あの人に明日、電話を掛けてみようかと思う。

「……っ、くしっ、」
最近、自分でも聞いたことがないような大きなくしゃみの音で目を覚ますと、喉の違和感と悪寒に身震いした。喉は痛い、というほどではないが、やたらと違和感を感じる。
ベッドサイドに置いておいた時計を見ると、午前三時を回ったところだった。あれからまだ四時間と経過していない。ふと胸の辺りの違和感に気づく。首から下げたパスポート入れをそのままにしていたのだ。高校時代に定期券を入れていたものより一回り大きなパスケースを首から外して、中身を取り出す。枕元につけっぱなしになっていた茶色いライトで、去年並んで撮った写真を眺める。出会った頃とさして身長差は変わらないけれど、気持ちの方は彼に追いついて来た三十の自分が、彼の隣にいる。来年も、再来年も、撮り直しをする、と約束したあの日のことを思い出し、ほっとして、また首にかけ直す。
「さむ……。」
手を動かして、パジャマの襟を合わせる。そのままベッドの上でごそごそと動き、やっとのことで頭から掛け布団を被って仰向けの寝る体勢になったが、弛緩した身体に関節痛のようなものを感じる。
こうなってしまっては後の祭りだ。大学受験を失敗して以来、ここぞというときの体調には十分に気を付けていたというのに。日本を出てから、勉強の合間にジムにも通っていたけれど、やはり診療所に居た頃のように、多い時は週六で朝から田圃道を歩いて出歩いていた頃とは違う。すっかり身体がなまってしまった。
体温計はないが、普段の体調ではないことだけは分かる。このままの状態が続けば、老若男女が集う明日の学会への出席は難しいだろう。学会は三日間あるけれど、よりによって、一番に期待していたのが明日の十時過ぎからの基調講演への参加だ。自己嫌悪に陥りながらスマートフォンの画面を開いて、体調を崩しました、様子を見るので明日は遅刻しますとメッセージを朝倉先生に送る。これで、明日出発が遅れても言い訳は経つだろう。ほっとして、瞼が落ちて来た。ブウブウと着信を知らせる耳障りな音が鳴り続けているが、これ以上目を開けていることは難しかった。

空調の唸る音に混じって、「おい、開けろォ、譲介。」という声が外から聞こえて来る。
これは夢だな、と思う。
ここはパリの狭いホテルの一室で、僕はベッドの上だ。
窓のある方角からは、明るい光が入って来て、いつかの朝を思い出す。意欲を持って学び始めた高校時代の後半は、不在にしたが最後、最低一週間は家に戻らないTETSUのことを頭の隅で考えながら、いつもひとりで使うには広すぎるあのリビングで勉強していた。夜の間でもいいから、帰って来たらいいのに、と考えながら手を動かしているうちに、今日のように少し窮屈なソファで寝落ちしてしまっていた高校生の自分は、今思えばよくやっていたと思う。
まさかとは思うけれど、今の幻聴は妙に声の調子がリアルだった。僕が今の人生を歩くようにと最初のレールを敷いた当の本人は今、海を飛び越えたカリフォルニアにある僕の部屋を根城にして、家主の不在をいいことに、すっかり顔パスになってしまったクエイドのビルの中で縦横無尽に動き、有益に時間を使っているに違いない。
まあ、僕がいてもいなくても、財団の内部にある図書室の司書と顔見知りになったり、駐車場の担当者を脅して職員でもないのに勝手に出入りしたり、あの人は常に自分のやりたいことしかしない。こちらが喉が痛いと言えば、薬を処方してくれたりするだろうけれど、そのくらいなら寝てりゃ治るだろ、くらいのことは言って、往診鞄を持って外に出て行くのだ。
会いたいなァ、と考えていると、外からドアを叩く、どこかで聞き慣れた音が聞こえて来る。
杖の音だ。
まさか。
ベッドから起き上がり、脱いだ靴も履かずに玄関を開ける。
ドアの外には、彼が、いた。
二十歳を過ぎて別れた頃と寸分も違わないスタイル。
朝の光の中で、年経た彼の髪の間に白髪がきらめいていて、笑いたいような泣きたいような気持になる。
「………徹郎さん、」
「随分顔色が良いじゃねえか、おい、譲す、」
気紛れでもいい、会いに来てくれた。
そのことが嬉しくて、目もくらむようだった。
泣きそうになりながらギュッとハグをすると「おめぇなあ、まず部屋に入れろ。」という抗議が耳元に聞こえて来る。
「……だって、あなた、僕が手を離したらどこかに行くでしょう。」
夢ならさめたくない、と背中に手を回してぎゅうぎゅうに抱きしめると、腕の中の彼が居心地悪そうに身じろぎするのが分かった。
「行くってなあ。……おめぇも一緒に行くんだよ、馬鹿野郎が。」
「え?」と言って顔を上げると、見せもんじゃねえぞ、と僕の腕の中に囲い込まれたTETSUが、周囲を威嚇する。
愁嘆場を演じていると野次馬がやって来るのは世の常で、彼を見つめる譲介の視界の端には、今見えただけで二組のカップルがこちらを眺めている。現実だ。遅れた羞恥心が発動して、ぱっと手を離した。
その隙に「おい、譲介、……こんな狭っ苦しい場所に長居すんじゃねぇよ。」と言って、TETSUはふたりの身体をドアの中へと押し込んだ。
扉を閉めて、やっとまた彼の顔を見る。狭い玄関で良かった、と場違いなことを考えながら、徹郎さん、と名前を呼んで口元にキスをする。互いに戯れるようにキスを繰り返し、徐々に深い口づけに移ろうとしたとき、TETSUは、おい本当に熱はねぇんだろうな、と言って口と口の間に手を挟んで来た。掌でそのまま額の熱を測るようなしぐさをされる。
……すっかり忘れてた。
微熱感もないし、喉の痛みもすっかり消えている。
今元気になりました、と医師らしからぬ返事をしようかと考えあぐねたタイミングで、部屋の奥から着信音が響く。
待ってください、と背を向けると、首元を引っ張られ、長話は後にしろ、と止められる。
「電話に出ねぇなら出ねぇで、こっちはどうなってるか分かってんだろ。それにしても、悪寒と他に何かあんのか? 原因はエアコンの故障か、ボイラーの故障か。」と言う問いに、彼は僕の顔つきを見ただけで原因が分かったようだった。
「……ああ、言わんこっちゃねえ。省吾のやつ、てめぇと同じホテルに泊める、っつってたくせに。肝心なところで役に立たねえ。」と独り言を言って、彼はぽりぽりと頭を掻いている。
「まさか。元からこっちの学会に来るつもりだったんですか?」
「和久井センセイは、パートナーとの同伴出勤が好きみたいだからな。」
まあオレも暇だったし、たまにはいいだろ、とTETSUはぼそりと言った。
なるほど、昨日の朝倉先生からの猛プッシュには、こんな裏事情があったということか。
すとん、と腑に落ちた。あの時に僕が頷いていたら、朝倉先生の誘いは、彼と僕を異国で出会わせる粋な計らいになっていたはずだ。
失敗したなァ、と小さく笑うと、そうやって好きなだけ笑ってろ、と彼は獰猛な声を出す。
「昔から、あの顔は信用ならねえんだよ。」と言うTETSUの言葉に滲む悔しそうな口調がなぜかおかしくて、彼の肩口に顔を埋めながら「こっちに来て、随分と手回しが下手になりましたね。」と指摘する。
「譲介、元気になったって言うなら、おめぇは早く荷物をまとめろ。」とTETSUは譲介の背中を軽く叩く。
「学会は十時からだったな。俺が取ったホテルで一通りは検査するが、間に合ったら行ってこい。飛行機代がもったいねえだろ。」と言われて、分かりました、と頷く。
良い返事だ、と言われて、なんだか子どものように嬉しくなってしまう。
「夜は、懇親会の誘いがあっても抜けて来い。金の使い方を知らないおめぇに色々教えてやるよ。」
今夜は寝かせてやれねぇぞと言って、TETSUは楽しそうに笑った。




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