きらあこ♡オンパレード② ~13話の舞台裏~
アイカツスターズ きらあこss。
アニメ、アイカツオンパレード13話、ついにきらあこがオンパレードで初めてふたり一緒に画面に映りましたね!?
というわけで、あのステージの前後のことについて脳内で保管したものを出力してみました。
きらあこ、相変わらずめちゃくちゃめんどくさいタイプのいちゃこらを繰り広げていてくれ~~!!
そしてあいみおに「うわ……」て思われててくれ~~!!!!
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「早乙女あこ、輝いてまいりますわ!」
「きららと見よう、ふわふわないい夢を!」
ぎゅっと手をつないで、二人一緒にアイカツシステムの中に身を投じていく。眩い光の中で、ふわふわもこもこのドレスに包まれていった。ピンクとパープルを基調に、甘くメルヘンチックに仕上げられたスートドリームスコーデ。イエローとライムグリーンがフレッシュできらびやかに夢を見せてくれるようなスイートライムライトコーデ。お揃いのツバサがもこもことはためいた。
歌うのはもちろん〝おねがいメリー〟だ。
エメラルドとアメジスト。ステージの照明を反射して宝石のように輝く瞳は、お互いの全力のパフォーマンスに感化され、更に輝きを増した。二人の甘い声が絡み合い、溶けあって、辺りはふわふわな夢の世界に変わっていく。客席の盛り上がりは最高潮だ。
『あこちゃん、いくよ!』
『きらら、もちろん分かってますわ!』
言葉に出さずとも、視線を交わせば分かる。二人、ぴったり一緒に跳びあがり、ここぞとばかりに決めたのは、難易度の高いアピール、「スタープレミアムスターミルキードリーミータイム」だった。
観客たちは甘い夢に酔いしれ、パフォーマンスを終えたばかりのきららとあこに、割れんばかりの拍手と歓声を送る。
二人一緒のステージは実は随分久しぶりだったのだが、何の問題もなく終えることができた。
ステージを降りて楽屋へ向かう通路で、あこはほっとしたように息をついた。
「良いパフォーメンスが出来て、本当によかったですわ」
「うん!すっごく楽しかったね~!」
言いながらきららはあこの腕にぎゅっと抱き着いてきた。くるんとカールした睫毛が、どこか熱を帯びたように揺れる。あこは思わず胸をどきりとさせてしまって、それを誤魔化すように、出来るだけさり気なく視線を外した。しかしそんなことに大した効果があるわけではない。
「ね、あこちゃん、今夜、どうする?」
甘ったるい声はすぐにあこを絡み取ってしまって、離さない。
「ど、どどどうするって……」
「せっかくNVAに来たんだしぃ、今夜は泊まってきなよ」
「ええっと……」
その言葉が意味するところを察して、顔が熱くなっていくのが分かる。きららとのお泊りは別段珍しいことではなくなった。それでもこうして誘われてしまうと、恥ずかしくなって生娘のように初々しい反応を返してしまう。確かに最近はアイカツニューワールドフェスで、お互い準備に走り回っていたから、随分久しぶりのことではあった。だからいつもよりも緊張してしまうのだ。決して嫌だというわけではないのは自分でも分かっている。
それでも、素直にYESと言えないのはあこの性格上、仕方ないことではあるけれど、心臓が勝手に心拍数を上げる度、あこはたまらない気持ちになってしまうのだった。
「約束、ね?」
するりと小指に、きららのそれが絡んでくる。きららの丸い瞳があこの顔を覗き込んだ。
「し、仕方ありませんわね……今日はその、このあとお仕事もレッスンも入れていませんから、べ、別に構いませんけれど」
「やったぁ! 今夜はあーこちゃんと一緒♡ あーこちゃんと一緒♡」
「ちょっと、大きな声で言わないで下さる!?」
その時、廊下の向こうにいた人影がきららとあこに気が付いた。
「あこちゃん! きららちゃん!」
おーいと手を振ったのはゆめだった。その隣には小春、そしてあいねとみおの二人も一緒だ。ちょうどきららとあこの前に、この4人でのスペシャルステージもあったのだ。
「にゃああ!?」
あこは慌てて絡めていた指先をふりほどいた。まさか見られていたなんて。心臓が別の意味で飛び跳ねているのが自分でも分かる。きららはそんな様子のあこにむぅと唇を尖らせた。
「ちょっとぉ、あこちゃん何で手ぇ放しちゃうかなぁ。ひどいよ~」
「にゃにゃにを言ってるんですの! 所かまわずベタベタしないでくださいませんこと!?」
そうしている間に、4人――ゆめ、小春、あいね、みおが二人のすぐ近くまでやってきていた。
ふたりともとっても可愛い♡と言う小春、ほんと仲良しだよね!とにっこり笑うゆめ。それはいつものことなのだが、あいねとみおも微笑ましそうな視線をこちらに向けている。
「にゃ!? あ、あなた達っ、なんなんですのその目は……!」
「だってあこにゃんときららちゃん、とっても仲が良さそうで、見てたらこっちまで嬉しくなってきちゃって」
「そうそう。ステージも息ぴったりだったけど、普段から仲が良いのね。私とあいねみたいだわ」
「そそそんにゃことは……そにょ、あるような、ないような……」
「えへへー♡ありがと~!ダイヤモンドフレンズの二人にそう言ってもらえるとすっごく嬉しいよっ♡」
ぎゅうっと思いっきり抱きしめられて、きららの香りが強くなる。
「ちょっと、きららぁ~~!!!!」
恥ずかしさとドキドキでたまらなくなって、あこは子猫の悲鳴のような声をあげるのだった。
「お取込み中のところすまないんだけれど」
そこにやってきたのは、ふわりとしたミルキーベージュのショートカットを揺らめかせる、みんなの王子様。
「レイさん!」
ぱぁっとあいねの頬が染まったのを見て、みおが冷や汗をかいたのには誰も気づいていないようだった。
レイは実はねと、その場のトップアイドル達にそれを告げる。
「姫石らきがこのあとステージを披露することになったよ」
それを聞いて、わ~!と誰よりも先に目を輝かせたのはきららだった。
「それってドレスがエルザ様に認められたってこと?」
「少なくともステージに立つことは許されたということらしい」
「すごいすごーい! らきちゃん頑張ってたもんねぇ! そっかぁ、見に行かなくっちゃ! らきちゃんのラッキードレス、どんなだろうねぇ。すっごく楽しみだなぁ~」
あこの腕をすり抜けて、きららはぴょんぴょんと跳ねる。それが何となく面白くなくて、あこは胸の中にモヤモヤが立ち込めていくのを自覚した。
もちろん、らきの頑張りは聞いている。エルザにかなり厳しいことを言われたのにも関わらず諦めずに挑戦して、さっきも直前までドレスのデザインの手直しをしていたというのだから、相当のものだし、すごく根性があると思う。
それでも、あんなにあこちゃんあこちゃんうるさかったくせに、すぐにらきちゃんらきちゃんと別の子の話でウキウキされれば、複雑な気分になるというものだ。
「そんなに見たいのなら、NVAのみなさんと一緒に楽しんでらっしゃいな」
「あこちゃん? なんか怒ってる?」
「そんなこと、全っ然ありませんけど?」
「ええ? うそだぁ。ミケンにシワが寄ってるも~ん。ね、らきちゃんのステージ、一緒に見に行こうよ♡」
再び腕に手を絡ませてきたWミューズの片割れが愛しくて、同じくらい憎らしい。きららが悪いわけではない。これは自分の気持ちの問題で、それは自分でもよく分かってはいるのだが、もう引っ込みがつかなくて、フンとそっぽを向いてしまった。
「結構ですわ。わたくしはゆめと小春と一緒に見ますから」
「なぁんでぇえええ!? あこちゃぁああ~~ん!!」
ゆめと小春の方に駆け寄るあこの背中に、きららが手を伸ばす。けれどその指先との距離はどんどん開いていった。
あこに促されるまま一緒に歩き出したゆめは、きららの涙交じりの声に目をぱちくりさせている。
「きららちゃん、大丈夫なの?」
「ええ。別に大したことありませんわ」
「ふふっ。やっぱりきららちゃんもあこちゃんも、とってもかわいいっ」
「にゃっ!? にゃんのことですの!?」
くすくす笑う小春。なるほどと何かを納得したような顔のゆめ。二人の反応に少し慌てたようなあこ。そんな3人の後ろについていきながら、あいねとみおは顔を見合わせるのだった。
後ろの方ではあこちゃーんと呼ぶ声がまだ響いている。
「まったく、仕方ありませんわね……」
そうしてあこは一度だけちらりと後ろを振り返る。それから、唇だけを動かして伝えた。
こ・ん・や・は・いっ・しょ・で・す・わ・よ?
それだけだったけれど、気持ちはちゃんと伝わったらしい。次の瞬間、えへへ♡なんて甘ったるく、彼女の声がとろけたのが分かる。それで思わず顔を緩ませてしまったあこなのだった。
その夜、二人がどんなひとときを過ごしたかは、お星様だけが知る秘密……。
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