2023/10/21 マッシュルームのアヒージョ
それは、長谷津から船で大陸に戻り、船が出るまでの間に港町周辺で活動をしていたころの話だ。
「カツ丼! オタベック! こっち来てみろよ!!」
「勇利~~!!!」
「ウォン!」
ヴィクトルと、後珍しいユリオのしゃいだ声になんだろうと思ってそちらに向かう。途中でオタベックとも合流してなんだろうと首をかしげるものの、オタベックも心当たりはないらしい。
それはそうとしてそこに向かうと、そこには白いもこもことしたキノコがいっぱい生えていた。白だけじゃなく、淡いクリーム色や茶色いものもある。
「キノコ? 食べられるの?」
「うまいぞ!」
ユリオがきっぱりと言う。ちなみにヴィクトルは既に採取に入っていた。うーん、さすがエルフ。無類のキノコ好き。
とりあえずユリオが断言するということは本当に美味しいのだろうと、僕とオタベックも手分けしてキノコを採取する。他にも色々食べられるキノコはあったようで、山盛りのキノコが手に入りました。
「調理法ってわかる?」
「油でいためたり、スープに入れても美味いぞ!」
だいたいなんにでもあう。と言うユリオに。それじゃと、さっそくその夜はスープに入れてみた。お肉との相性がよくて、とっても美味しかったよ!
「で、持ち帰ったキノコで作ってもらった料理がこれ!」
「アヒージョか」
思い出話とともに披露した料理、セイラディア王国特産のオリーブ油とガーリックをたっぷり使った油煮ともいえる料理。今回はソーセージと一緒に煮たよ。
すでに紫紺さんと浅葱さんは知っている料理だったようで、他にも貝とかの魚介類も会うってさ。それは確かにおいしそうだね、今度やってみよう。
「美味い」
「これにはね~ワインがいいよね~~」
「それはいい」
うん、酒飲み二人はさっそくボトルを開けている。僕? もちろん飲みます。紫紺さんが飲めないので遠慮したい気持ちはあるんだけど、あひーじょ? と、ワインとの相性が、ごくごく。
「さー、マッカチンとヴィっちゃんは私と寝ような。よければブラッシングをさせていただいても?」
「わふ!」
「ひゃん!」
うん、一人と二匹も楽しそうなので良しとしよう。キノコうまかー。
ちなみに浅葱さんはお酒が好きだけどそこまで強くないので、適当なところで切り上げて紫紺さんのところに戻り、入れ違いに二匹が戻ってくるので、それを合図にお開きになることが多い。うん、図らずともいいタイマー代わりになってもらっています。ユリオが知ったら感激しそうだなぁ。
え、それで止まるのかって? いやまぁ、はい、僕らのっていうか、ヴィクトルの許容量からするとだいぶ少ないので、宿の時はそのまま乱痴気騒ぎになることの方が多いかな!!
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※野宿の時は飲んでもグラス1杯、もしくはボトル1本(ヴィクトル的にはグラス1杯程度)でやめてるよ!!!
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