新タマネギと豚バラ肉の梅ソースレンジ蒸し

「ホムラ~何か作って~」

 できればさっぱりしたの。と、「何か」と言いながら注文を付けたのはお茶漬だった。ぐったりした様子に、リアルで追い込みでもあったのかとあたりをつけ「ハイハイ」と請け負った。
 さて、さっぱりしたもの。ついでにリアルでお茶漬が作れそうなのにしようか。こっちで食べるだけじゃなくリアルでもしっかり食べないと。お茶漬の職業は意外と体力勝負なところがあるからな。
 そんなことを思いながら【ストレージ】の中を確認する。いっぱいあることと、今の季節のものだしということで、新タマネギを手に取る。
 ついでに『チョトツの肉』のバラ肉と、梅ソース。これだけだとパンチが弱い気もするので、スナップエンドウをニンニクと赤トウガラシで蒸し焼きにしてペペロンチーノ風にするか。ペペロンチーノは唐辛子のことなので間違ってはいない。
 豚バラ肉の方は最後に小口ねぎを散らして……

「出来たぞ~」
「わぁ、ニンニクのいい香り。それに、これは梅?」
「あぁ」

 どうやらにんにくの香りで食欲がわき出ってくれたようだ。いただきます。と言ってお茶漬けが肉を箸でつまむ。私も食べよう。うん、すっぱい梅のソースが豚の脂と絡んでさっぱり食べられるな。スナップエンドウの方もうまくいった。

「菊姫は酒が飲みたいって言いそうだなぁ」
「あ~~」

 ぽりぽりとスナップエンドウをかじっていたお茶漬がぼやく。菊姫曰く、ごはん大友になるものは大体酒の肴になるそうだからな。その逆もまたしかり。

「共同倉庫に入れておくか」
「そうだね」

 うなずく。レシピいるかと言えば、肉の方だけ頂戴。とのことだ。スナップエンドウはニンニクがなぁ。とのことだ。確かに、臭いを気にしなくてもいいところは間違いなく異世界の良い所です。

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