会話

「ちょ、あんたがっつすぎじゃ」
相手の唇が角度を変えた瞬間に、滑り込ませるように手早く言葉を紡ぐ。
「老い先短いんでな。このくらいじゃねえと割に合わないだろ」
年上の男は、そう、事もなげに答えた。
「あんたが言うとまじで洒落になんないなそれ」
体を離し、少し距離をとって所感を述べると
「はあ? 覚悟決まってるからあんな手紙よこしたんだろうが」
と言ってまた口づけようとしてくる。
薄い皮膚同士が触れ合う瞬間にささやかれた。
「まあ、そうそうくたばってやるつもりはねえから安心しろよ」
「てめえに死水とらせるのはまだ先だ」
楽しげな声音だ。余裕なんだろう。何もかも。そう思ったら、むかついてきた。
「……そうですか」
相手の手をつかむ。
「それならはやく僕にちんこ突っ込んでぐちゃぐちゃにしてくれませんか?」
至近距離で視線がかち合った。
相手のふところから抜け出してベッドに押し倒した体の上に乗る。
もう一度、視線が絡まりあった。

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