日記帳

◆森に閃く舞と剣◆

巫女のマイユさんを護送しながら、お祭りを襲撃しようとしていた蛮族を撃退……は良かったんだけど、
回り道をする中で急流に足を取られたり、罠にかかったり、色々あったな……自然が一番怖い。

【ナックルさん】ダンスバトル勢その1。後で聞いたけど、武器の使い方を間違えていたみたい。
【ツバインヒさん】ダンスバトル勢その2。当たれば強いんだけどね……でも巫女さんに成り代わるのはダメでしょ。
【マリーさん】お人形さんみたいな子だなと思っていたけど、蛮族を相手にした時の目が……正義感とはちょっと違ったような。
【灼兎さん】久々の実戦らしいけど全くブランクは感じなかった。私よりずっと若く見えたけど一体……

無事お祭りではマイユさんの舞台も見られたし、お礼にと綺麗な首飾りを貰ってしまった。いいのかな……
道中は必死だったけど、お祭りを楽しむ村の皆さんを見ていたらじんわりと実感が湧いてきた。
これからたくさん冒険しても、この日のことは忘れないようにしたいな。


◆幸せのxxx◆

スラムに蔓延している薬物の出元を調査してほしいって依頼だったんだけど、途中でギルドから中止の指示。
何があったんだろう。他の誰かが先に解決しちゃった……とかだったらいいな。

【メノウさん】竹を割ったような性格の戦士さん。ちょっと適当なところがあるけど、人に好かれるタイプだなーと思う。
【ユージェニーさん、エンフィスさん】途中別行動だったのであまり話せなかったなぁ。2人とも寡黙な仕事人って空気だった。


◆グランゼール、訪問!~魔剣の迷宮〈欠片喰らい〉の冒険◆

ちょうどいい依頼がなくて暇をしていたら、腕試しを兼ねてグランゼールのギルドで迷宮探索(ギルド内に迷宮があるの!)をすることになった。
道中ウルフの群れに襲われたけど、今度はちゃんと撃退できた。やっぱりパーティを組むのって大事。次は震えずに対処できるといいな。
迷宮内では色々な罠や強敵、他のパーティの人とのやり取りとか……たくさん経験を積めたと思う。
ちょっと背筋が伸びる感じがした。

【グルアドさん】なんかずっと草食べてた。植物に並々ならぬ関心があるみたいで、迷宮から苔を持ち帰れなくてガッカリしてたな。
【ナックルさん】さぁ迷宮へと支度をしていたら、カジノで有り金全部スッたって言われた。信じられない。お金にだらしないのはダメだよ。
【フィーナさん】ふわふわした子だけど、魔法の腕はすごかった。私の服の香りを気に入ってくれたみたいだったので、同じ洗剤で洗ったロングマントをあげた。

そういえばグランゼールは各地から冒険者が集まるだけあって、美味しい料理がたくさんあった!(物価はちょっと高かった)
せっかくだしこれから遠出をする時はちょっと奮発して色んなものを食べてみようかな。


◆アイドリング・アイドル◆

グランゼール近辺で開催されるイベントのため、食料品を運んでほしいという依頼だった。
道中雨に降られたりもしたけど、上手く休憩をずらして予定通りに運べたのはなかなか良かったと思う!
途中、遭難者に扮した魔神に遭遇したのはびっくりした……人に化ける相手ってどうすればいいんだろう。
そのままトロロさんのステージの警備依頼も受けることになって、襲撃者も無事捕まえられた。

【フィーナさん】相変わらずふわふわしていたけど、途中からはずっとハイテンションだった。終わったらスイッチが切れたみたいに寝ちゃって、本当に小さい子みたい。
【アッラさん】全身甲冑の戦士さん。礼儀正しい武人!って雰囲気だけど、敵が魔神だと分かった時はゾっとするような怖い顔をしていた。
【キラットさん】対照的にお気楽で快活を絵にしたような方だった。力仕事たくさんお願いしちゃったけど、全然気にしていないみたいでちょっと罪悪感……
【トロロさん】アイドル?っていうのは初めて見たけど、すごく可愛くて明るい人で、人気なのも納得だった。彼女に化けた魔人を見た時、本能的に逃げなきゃ!って思ったのは何だったんだろう。

ステージからの歌声の中で魔神と戦うのは、小さい頃に読んだ冒険譚の一幕みたいでちょっとワクワクした。
歌、歌かぁ……歌にはいい思い出が無いんだけど……。


◆夜の目を追え◆

グランゼールの冒険者の間にまた厄介な薬物が出回っているみたいで、その調査と蔓延阻止が依頼の内容。
今回ギルドから信頼の置ける冒険者としてご指名だった!真面目にやってきたのが認められたみたいで結構嬉しい。
結果的には流通も生産も止めることができて大成功だったけど、すぐ薬物とか広まるのちょっと怖いなぁ。

【ツバインヒさん】今回もずっと踊っていたけど、よく話を聞いているとちゃんと問題解決への意識はあるみたい。自分の踊りが一つ上の位置にあるだけで……
【アッラさん】個性豊かすぎるメンバーで無事依頼をこなせたのは、彼女の協力あってこそだと思う。今度何かお礼しなきゃ。
【キラットさん】調査依頼にはとことん向いていないタイプだったけど、その分戦闘では大活躍だった。シンプル腕力って強い。
【マーラさん】表情が読み辛かったり不穏なことを言っていたりで少し心配になったかも。アッラさんも気にかけていたみたい。

そういえばグランゼールの衛士隊でメノウさんと久しぶりに会った!相変わらずの朗らかさ、そして酒気帯び。元気そうで良かったけど仕事中の飲酒はやめようね。
途中で話を聞いたミリッツァ神官さんも明るくていい人そうだったけど……ずっと目が笑っていなくて少し怖かった。


◇幕間◇

生活が安定してきたので、最近は本を読んだり散策したり、ギルドの食堂でのんびりしたりしている。
先輩方の出発を見送りながらコーヒーを飲んでいると、受付の方も一仕事終えて暇だったのか声を掛けられた。
聞けばそろそろ冒険者としてのランクを取得して、このギルドに所属登録しない? とのこと。
名声にはあまり興味が無かったけど、ギルドにはだいぶお世話になっているし二つ返事で承諾。
ハーヴェスなら気候も治安もある程度安定しているし、帰省もそんなに大変じゃないしね。
これで<青空の船出亭>は私の第二の家になった。実家以外に根を張るのは初めてなので、ちょっと不思議な気分。
かっこいい二つ名も付けられますよ! と勧められたけど、うーん……それはまた今度ということにした。

所属したことで先輩方の冒険記録も色々見せてもらえるようになった。
私とは比べ物にならないほど強いはずの先輩方がどうしていつもボロボロになって帰って来るのか、少し分かった。
このギルドだけでも、本当に色々な人がいる。
大きな使命や信念を背負っている人。過酷な運命や過去に抗って今を生きている人。年齢も種族もバラバラ。
いい加減なナックルさんだって、弟さんを亡くしたり本当に色々あったと話していた。

私は生まれも育ちも恵まれた環境にあったし、大きな使命も目的も無しに「なんとなく」で冒険者をしていると思う。
あれば良いというわけではないけど、本当にいざという時の気力という面では敵わないだろうなと感じてしまう。
私にできること、使命だったり目的だったり、探すというのも何だかおかしい話だけど。
「これだ!」という何かに出会ったら、大切にしたいなと思う。


◆戦舞の迷宮◆

年末年始の実家の手伝いを何とか片付けてギルドに向かったら、受付のユリアーナさんがここだけの話……と情報をくれた。
よく出土する外れの魔剣の迷宮らしきものがグランゼールで見つかったけれど、今回は本物かもという内容だった。
実際に魔剣は本物の方だったけれど、私には合わないかな……ということでツバインヒさんが管理することになった。

【フロスさん】威勢よく突っ込んでいって威勢よく攻撃していた。いかにもグラスランナーという感じ。自傷はほどほどにね。
【スフィアントさん】以前引率したイスティリアさんの妹さんだった。姉妹揃って冒険者だけどかなり正反対なタイプ。
【サリエルさん】こちらは引率の時以来。後輩と一緒に冒険するなんて、前は想像もしなかったな……
【グルアドさん】久しぶりに会ったら以前ほど草狂いではなくなっていた……いや、迷宮内に生えていなかっただけかも。
【ツバインヒさん】こちらもお久しぶり。相変わらずずっと踊っていたけれど、それを活かしてブレードスカートで反撃していた。やるじゃん。

私はと言えば最初いきなり詠唱噛んだりして、流石に鈍っちゃっているのを感じる始末……。
そもそも後輩やその妹さんに追い付かれているのってどうなの!? 食べ歩きはほどほどにして、積極的に冒険行かないとね。


◆犬と魔域◆

魔域の調査に向かったら爆弾にされてしまった犬の子たちと、それを使役する最低な奴に出くわした。
なんとか1匹は魔域内にあった魔動機を使って治療できたけど……他の子たちのことを思うととても悲しい。
助けた子は私にすごく懐いてくれたので、私が飼うことにした。名前は『ベル』。これからよろしくね。

【グレディルさん】扱いにくいはずのハンマーをガンガン当てていた。すっかり武器の扱いにも慣れたみたい。先輩冒険者として嬉しい。
【ウィルさん】普段は〈暁の剣〉というギルドにいると言ってた。ぶっきらぼうだけど多分すごく優しい子なんだと思う。
【アリスさん】ちょっと厭世的だったけど根が素直というか、人に好かれることを怖がってる感じだった。最初身構えちゃって申し訳なかったな。

ベルのお世話についてはイスティリアさんたち姉妹に色々聞きながらだけど、一通りのものは揃えられたはず。
なんでも二人も最近犬を飼い始めたみたい。偶然ってあるんだね。
私が依頼でしばらく家を空ける場合は一時的に預かってもらうことになった。お土産とお礼を用意しなきゃね。
まだ期間は短いけど、ベルを見ていると犬や狼への苦手意識が無くなった気がする。
私が犬を飼うなんて、お父さんたちが聞いたら驚くだろうな。


◆一握の褒賞◆

ハーヴェスからほど近いサンプール村というところの行事に参加、村の銅像を磨く手伝いをしてほしい……という依頼だった。
ほとんどボランティア同然の内容ではあったけど、神殿からも善行を積めと言われていたし請けることにした。
その行事の話だったり美味しいご馳走をたっぷり頂いたり……というのは良かったけど、タイミング悪く(ある意味良く)村が蛮族の襲撃を受けた。
なんとか追い返して翌日根城も一掃したけど、個人的には反省の多い日になっちゃったな……。
村の人たちにはとても感謝されて、記念にと綺麗な肖像画を描いてくれた。
ずいぶんと美人に描かれちゃって……部屋に飾るのはちょっと恥ずかしいけど。

【グルアドさん】そろって罠を踏み抜いて大変なことに……私たちが悪いけど、しばらく薬草はあまり見たくないかも。
【イスティリアさん】危ない魔剣を使うのは止めたみたい。帰りに妹さんへのお土産を一緒に買った。
【ウィルさん】最初は渋っていたけど、なんだかんだ村のために力を貸してくれた。やっぱりね。
【アリスさん】思ったよりずっと早い再会になってびっくり。身のこなしがすごくて、今回もお世話になっちゃった。

そうするしかなかったとはいえ、防護魔法をかけて前線に飛び込むのは本当に怖かった……。
矢が飛んできたりはあったけど、目の前で武器を振り上げられるのはやっぱり全然違う。
前衛の人たちはいつもあんな思いをしているんだ……あの3人にもちゃんと感謝しないとだよね……。

そういえば報酬の一部として、あっという間に服が乾くすごいハンガーをもらった!
これ持って帰ったらお父さんたち喜ぶだろうけど……しばらくは自分で使おうかな。


◆ブリンクスきのこ園◆

魔動機文明時代の遺跡で発見された新手の魔物が、食べると美味しいらしく(食べたの?)調査依頼がかかった。
うまく安定供給できないか探ってるみたい……正気?
とにかく探索済みの遺跡ではあるけど、あらためてその遺跡と魔物について調べに行くことになった。
無事最深部まで辿り着いたけど、依頼主は本当にあのキノコを養殖するつもりなのかな……。

【グルアドさん】なによりも意外だったのは、キノコはグルアドさんの植物センサーの外らしいこと。菌は流石に別か……。
【スフィアントさん】魔法の印をもらった。これで好きなタイミングで発動させたり色々できるみたい。ちょっと興味あるかも。
【リュールさん】薪割りの時以来だけど元気そうだった。途中食べたキノコの効果か、妙に勘が鋭かったな。
【ブラムさん】こちらははじめまして。普段は〈右肩の剣亭〉にいるみたい。真面目そうで、私たちの会話に色々と驚いてた。

前回のこともあって戦闘中はだいぶ色々できるようになってきたなと思うけど、ちょっと探索で油断していたかも。
調べものはできるだけ慎重すぎるくらいにやらないとね……。


◇幕間・甘い香りと贈り物◇

最近よくお世話になってる〈栄誉の旅〉のロジーナさんに呼ばれて、お菓子作りを手伝いに行った。
私の担当は膨らし粉とバニラオイルの調達、それからレシピの確認周りだった。
それにしても冒険者デビュー前に引率した子たちが魔域をちゃんと閉じて来るなんて。私もうかうかしてられないかも。
あと保存をお願いするためにテルルさんを訪ねたけど、まさか本当に協力してもらえるとは……これが英雄の器なのかな。

出来上がったお菓子のうち、特に上手くできたものはブラムさんとツバインヒさんにあげた。
お世話になっているのは確かだし、別に変な意味は無い……はず。二人とも喜んでくれたみたいで良かった。
ツバインヒさんってお菓子の感想も踊りで伝えるんだね。不覚にもちょっと嬉しかったな。


◆守りの剣の村?◆

神殿からのお使いで少し遠い村へ向かう途中、偶然にもウィルさんと合流。
たまたま見つけた近くの村で休憩しようかと思ったら、奇術で人心掌握していた詐欺師に出くわした。
ああいうのをのさばらせておくと、巡り巡って善良な商人が割を食うことになるから最悪なんだよね……。
蛮族と戦っている間に、先んじて村に入っていたラクーンさんが捕まえてくれていた。

【ラクーンさん】先に村の異常を感じて、一人で蛮族を追い返していたみたい。先輩として鼻が高いけど無茶はしないでほしい。
【ウィルさん】油を自由に出せる魔剣で蛮族を燃やしたり、さらに変化に富んだ戦い方をしていた。というかその剣、上手く使えば冒険者やらなくても暮らせるんじゃ……。
【ボーチェさん】ウィルさんの後輩で〈暁の剣〉所属とのこと。元気いっぱいだけどたまに鋭い勘を見せたりしていたな。そういえばジオグラフ使う人を初めて見たかも。
【ツバインヒさん】相変わらず踊りながら戦っていたけど、なんだか反撃のキレが増していた気がする。ところどころ核心突いていたけど、あの村行ったことあるの?
【ナックルさん】すごく久しぶりに会ったけど全然鈍っていなかったみたいでちょっと安心。意外にも聞き込みとか得意だよね。

全部解決してハーヴェスに帰って来てから、久々に同期3人集まったことだしと食事に行った。
珍しくお酒飲んじゃったせいで途中から記憶が曖昧だけど……やっぱり気心知れた面子は安心するし、楽しかったのは覚えてる。
ずっとこうだといいな。


◆テキトー女と心の魔域◆

いつものようにギルドで食事していたら緊急の依頼が入ってきた。
忘れ物を届けに行ったギルドの受付のゼクシアさんが行方不明で、いなくなったあたりに魔域が見つかったという話。
急いで魔域の調査と救出に向かうと、魔核と一体化して気ままに過ごしているゼクシアさんを見つけた。図太過ぎる……。
目まぐるしく変わる風景に困惑したけど、最終的には核との分離も上手くいって無事救出することができた。

【グルアドさん】毒草の種が回収できなくてしょんぼりしていた。久々に欠片喰らいの思い出話でちょっと盛り上がったね。
【サリエルさん】しばらく見ないうちに投擲武器で戦うスタイルをかなり自分のものにしていた。全員に命中させるの上手すぎかも。
【メイファさん】初対面。一見普通の魔動機士……と思ったら出てくるエピソードが危なすぎた。マーラさんと会う日が来ませんように。
【ルルネスカさん】こちらも初対面。聞いた話だとゼクシアさんとは夢に見た別の世界で昔馴染みだそう。戦った四人組がまさしくそのパーティーの幻影だったみたいだけど、きっちり割り切って戦っていた。

途中で「体力とマナが半分になるか、全快になるか2択のボタン」が出てきて、便利だからと何度も使うことになったけど……。
まさか運悪く倒れる寸前まで押し続けることになるとは思わなかった。それも複数回。やっぱり博打は良くないよ。
あと出発前だけど古モルガナンシン王国式戦域魔導術について学んだ。通信教育で。
最初はこの前の伝手でテルルさんに教えてもらおうとしたけど、本人も言う通り感覚派の説明すぎて何も分からなかったから……。
貯金で聖王の冠も買うことができたし、神聖魔法の確実さがぐっと上がったはず。
それにしても神官、神官か……私がこんなにちゃんと神官をやっていくことになるなんて、あの時は思いもしなかったな。


◆デイオブ・ザ・フューチャー◆

グランゼールで開かれる闘技大会に、キラットさんとアッラさん、引き摺られてきたブラムさんと一緒に向かった。
現地でチームメイトを探していたポルタさんと即席チーム、なんだっけ……「賢者ミスリル眉鯨軍団」としてエントリー。
色々と予想だにしない展開がありつつも、なんと最終的に優勝までしちゃった!
つくづくグランゼールには縁があるね。

【ポルタさん】現地で知り合ったドワーフの方。のんびりした雰囲気だけど、戦闘では堅くて強い頼りになる人だった。
【ブラムさん】最近方々で活躍しているみたい。頑なに素顔と名前を隠そうとしていたけど、グランゼールと何か因縁あるのかな。
【キラットさん】【アッラさん】この二人とグランゼールに来ると、駆け出しだった頃のことを思い出してなんだか懐かしかった。
二人も着実に経験を積んでいるみたい。私たちの世代って、もしかして結構優秀?
【プリムローズさん】あの日冒険者として手引きした人が、まさか別リーグの優勝者として立ちはだかるなんて!
すごい数の騎獣を操る司令塔として大成長していた。堂々とした風格も身につけていて、私も鼻が高いよ……!

豪華賞品の数々に、あの時を思い出すトロロさんのステージ……夢のような日だったな。
あとびっくりしたのはブラムさんから焼き菓子のお礼として高級チョコを貰ったこと!
もっと軽い印象だったけど、思ったよりずっと律儀な方なんだなって見直した。

そういえば今回はどういうことか私が歌って支援する場面が多かったな……。
昔から褒められたこと無くて苦手だったし、今も上手くはないって自覚しているけど……皆から良かったよって言ってもらえた。
ちょっとずつでも苦手意識を無くしていければいいな。


◆錨の迷宮◆

今日のことって何から書けばいいのかな。〈栄誉の旅〉へ行ったらタイミングが悪かったのかほとんど人がいなかった。
それで同じように困っていたリュールさんと一緒に古巣の〈青空の船出亭〉へ向かうことに。
食堂には同期の男連中3人がいたけどちょうどいい依頼は無くて、帰ろうとしたらユリークさんが入ってきた。
ハーヴェスのすぐ近くに魔剣の迷宮が発生して、人数の必要な仕掛けがあるから手伝ってほしい、という話だった。

【ナックルさん】迷宮内の酒場(?)で賭博に引き寄せられて負けていた。まったく……イカサマ見破って返金受けたりしていたけど、結局その後もう一回負けたみたい。なんでそんな真似を……。
【ツバインヒさん】すっかりブレードスカートを使った戦い方をものにしたみたい。魔剣の作った幻影だとは思うけど、観客の前で踊れて嬉しそうだった。
【グルアドさん】こちらも相変わらず草というか植物に目がない感じ。燃やされたツタ?蔓?の一部でもいいんだ……バラをだいぶ乱獲していたけど、まぁ迷宮内だしいいか。
【リュールさん】他が同期なので浮いてしまわないか心配したものの、しっかり溶け込んでいた気がする。途中書庫番をしていた小竜と妙に打ち解けていたのは一体……。
【ユリークさん】口止めされているから詳しく書くのもやめておくけど、改めて〈青空の船出亭〉の熟達者はやることの規模がおかしい……と思う。

報酬の一部としてドーデン地方への列車のチケットをもらった。これってかなり高価なんじゃ……。
それにしてもドーデンかぁ。流石に遠いからと行く機会が無かったけど、美味しいものも多いらしいし気にはなる。
でもタイミング悪いことに部屋買っちゃったんだよね。どうしようかな。
ベルのこともあるし長期間家を空けるのも……せめてラージャハとハーヴェス間の鉄道が開通すればなぁ。


◆嵐撃の記憶◆

最近〈巡る空鯨亭〉の食堂でウルシラ地方の料理も食べられるようになって、珍しさからしばらく通っていた。
そうしたら船の資料を調べていたルアンシーさんが妙なものを見つけたという話を聞いて、その調査を手伝うことに。
訓練室に隠されていた大きな鏡は当時……アイフリードが現役の頃、宝を得た体験を他の人も追体験するための施設だったみたい。
それであんな大掛かりな装置を用意するなんて、つくづく前文明はどれだけ進んでいたのやら。

【ロアさん】すごくせっかちな戦士の方。でも今回は急いで対処しなきゃいけない場面もあったから、ちょうど良かったのかも。
【イスティリアさん】いつの間にかカヴァス君と一緒に戦うようになっていた。というか乗ってた。もしかしてうちのベルも訓練したらやれる子なのかな。
【アイシャさん】戦っているところは初めて見たけど、まさかの操霊術師だった。重戦士じゃなかったのね……その上手先がものすごく器用。意外過ぎる……。
【キラットさん】闘技大会以来だけど相変わらず元気そうだった。身のこなしがますます機敏になって、頼れる前衛!って感じ。

途中見つけた変わったコイン……これもその宝の一つだったみたいだけど、宝の番人が手をかざしたら片面が聖印になっていた。
当時の航海守りも兼ねていたものらしくて、敬虔なフルシル神官にということで私が預かることになった。
敬虔かぁ……そう見えているのかな。正直自分ではよく分からないけど。
でもそう見えてこれを渡してくれたのなら、それに見合った振る舞いはしなきゃいけない……のかも。


◆奈落を彷徨う者◆

ラージャハから指名の依頼と聞いて喜び勇んで行ってみれば、内容は魔域帝国に飲み込まれた王国の調査だった。
隠さずに言えばたとえ帰らなくても問題のない一人として選ばれたとも取れて、正直複雑な気分。
ただ最近ミラージの方でも魔域帝国がらみの事件があったらしいし、自分にできることがあればなぁと思ってはいた。
偶然にもアッラさんと同じ隊に配属されて現地で2週間。無事任務を達成して帰ってくることができた。

【アッラさん】以前から魔域や魔神について因縁があると聞いていたけど、今回は特に気合が入っていたと思う。頼れる隊長。
【ドロシーさん】別の隊が散り散りになってしまったらしく、現地で合流。ずっとカリカリしていたのはアッラさんと同じく何か因縁があったのかな。
【麦さん】ミラージでの事件解決を買われて呼ばれたウィークリングの方。すっごくいい子なだけに生まれで相当苦労してそう……。
【(掠れていて読めない)】最初どうしても身構えちゃったけど、勇敢で義理堅い方だった。口数少ないけど優しい。

魔域内での暮らしは色々な意味で普段の常識が通じなくて大変だったけど、きっと良い経験にはなったと思う。
……多分。私が前衛じゃなくて良かったと思うべきなのかな。
あと現地で祠を作ったのも今までに無かったかも。うーん……神殿にはそっちを中心に報告しようかな。


◆ワン・アワーズ・デリバリー◆

恋人へのプレゼントとして1時間以内に加工しないと消えてしまう鉱石を入手したいという依頼主。
ただ恋敵(ではなかったけど)の妨害が激しくて毎回失敗しているので、やむを得ず冒険者ギルドへ駆け込んで来たみたい。
最終的に何とか届けるのは間に合ったけど、焦るとロクな目に遭わないよね……。

【ポルタさん】闘技大会以来。ヴィンセントさんはギルドの後輩らしくて、2人で〈巡る空鯨亭〉の見物に来ていたみたい。急かされる状況でも飄々としていて助かった。
【ヴィンセントさん】召異魔法……だっけ。使われてるところは初めて見たけど、本当に魔神を呼び出すとは思わなくて驚いた。しかも呼んだ魔神に攻撃されてた。大丈夫なの……?
【ノルニャルドさん】喧嘩っ早い性格のリカントの方。いかにも猪突猛進という感じで、今回の依頼にはある意味合ったタイプなのかも。

普段のようにじっくり慎重に進むことができないと、かなり焦っちゃうことが自分でもわかった。
結果的に関係無かったとはいえ、パズルの類がどうにも苦手なのは何とかしたいところだなぁ……。


◆クライシス・シティ◆

ミラージの自治国家の一つが最近怪しい、議員が姿を見せないということで潜り込んで調査をすることに。
私たちはミラージの議会からの依頼だったけど、イーヴ神殿からも同様に指令が出ていたようで、現地で合流して事に当たった。
結論から言えば議員は蛮族に篭絡されて正気を失っていて、騎士団も危うく手中にというところだったみたい。

【テオルさん】まとも、真面目、紳士的なイーヴ神官戦士さん。すごい。一部特定の人たちに爪の垢を煎じて飲ませるべきだと思う。
【イスティリアさん】最近剣を持ち替えたらしく、随分と戦いやすくなったみたい。後輩が活躍していると嬉しいね。カヴァス君もまた逞しくなっていた。
【ナナセさん】銃の腕がすごい子……なんだけど、給仕の人を一発で口説き落としていた印象が強いかも。というか旧神殿で倒れていた騎士団の方って……。
【灰ネズミさん】最初は随分とおどろおどろしいボウガンを使う人だなと思ったけど、あの威力を見たら何も言えない……とんでもない使い手がまだいたんだね。

なんとかギリギリのところで制圧することができたとはいえ、妻と子を亡くした上に再婚した相手が……なんて不憫すぎる。
あの議員さん、これから持ち直せるのかな……。
そういえば魔動機の整備に使うらしい特殊なゼリーを買った。
塗るとその部分が透けて見えるようになるというものだけど、これよく考えたら悪用し放題だし危ないから仕舞っておこう。


◆スマートに攻略された魔域◆

砦が魔域に……いや、口外ダメなんだっけ。日記くらいは良くない?
とはいえ何かあった時に困るのは私か。最近こういう仕事増えたなぁ。
真面目にやってきたのが良かったのか悪かったのか、厄介な仕事の時に呼ばれる率が上がっている気がする。

【テオルさん】今回も真面目というか、私たちが至らない時のお世話役みたいになってしまって申し訳なかったかも。守りが堅いと言っても頼り切りは怖いね。
【ドロシーさん】やっぱり魔域となると奈落睨士の力は頼りになる。あと前も思ったけど怒ると結構怖い。冷たい飲み物苦手みたいだけど猫舌の逆ってなんて言うのかな。
【メイファさん】淡々と斥候の役割をこなしてくれていた。私とナックルさんがバタバタしていたのとは大違い。見習わないとね……。魔動技師なだけあって手先も器用だった。
【ナックルさん】何というか、本調子じゃなかったのかな。戦闘では頼りになったんだけどね。だいぶ罠に引っかかってしまった一方で、大事が無くて良かった。

以前鏡の中でもらった聖印の力が大活躍で、かなり敵の力を削ぐことができたと思う。
毒や病気の治療についても今まであまり機会無かったけど、備えておくといざという時に慌てなくて済むね。
知識面はもうちょっと覚え直さないとダメな気がする……しばらくは勉強に時間を使おうかな。あと耳栓買っておこう。
それにしてもちゃんとした埋葬ってやっぱり大事ね。


◆冒険者達の夏祭りっ!◆

龍骸諸島風のお祭りが開催されて、冒険者ギルドも全面的に支援しているということで行ってみた。
普段の冒険みたいに何人かでパーティーを組んで回るプログラムがあったり、ユカタという現地の衣装の貸し出しもやっていた。
レースや刺繍の装飾じゃなく、型は同じだけど柄の違うものが複数ある服っていうのは初めて見たかも。
支援があったからかお店を出している冒険者も結構いて、組んだ皆でいくつか回ったりした。
まぁ冒険者って変わり者多いから……変わった店も多かったけど……。

【ファルファッラさん】先日実家の件でもお世話になった、大きな耳の子。意外にも腕っ節が強いみたいで、巨人化したスプリガン相手に腕相撲で勝っていた。すごい光景だった……。
【クルルさん】私含めたエルフ三人組の一人。珍しい食べ物に目がないのか常に何かしら手に持って食べ歩いていた。いや、私もだいぶそうだったかも。
【スティーさん】エルフ三人組の一人。落ち着いた物腰とユカタの色合いもあって、こう言っちゃうと失礼かもしれないけどお婆ちゃんみたいな安心感があった。

皆で最後の光華を見た後はツバインヒさんとナックルさんに合流。
ツバインヒさんには随分なものを貰ってしまったし、ナックルさんは財布の中身が……というのもあって私が奢ることに。
うっかり飲んじゃって途中から記憶が曖昧だけど、楽しく過ごしたことは確かだと思うからいいか。


◆風待ち港で願わくは◆

珍しくワゼルからの依頼が来てギルドで話題になっていた。内容は魔動機文明時代の遺跡の調査。
流石に遠すぎるから私はパス……のはずだったけど、同時に届いた手紙によって私が名指しされていたので向かうことに。幸いにも旅費はかからなかったのと、ご一緒したルフィアさんの伝手で列車の良い部屋を使うことができた。現地の食べ物も噂通り美味しいものだらけだったし、結果的に色々と充実した旅になった……と思う。

【フウラさん】空鯨亭が入っている船の操舵手さん。かつては海賊団の一員だったらしい。今回の遺跡がその海賊団関係していて、形は違うけど昔の仲間と再会していた。
【ルフィアさん】明るく元気な術師の子。ワゼルでも色とりどりの食べ物を目を輝かせながら食べてた。乗っかっておいて何だけど、鉄道ギルドの伝手とやらが結構上の方っぽい。謎多き存在かも。
【テレスさん】言動は荒っぽいけどしっかりしているミリッツァ神官さん。依頼人さんとは複雑な縁があるみたいだった。煙草の消費量がすごい。
【ヘロスさん】盾で戦う戦士の方。珍しいソレイユだけどキラットさんと比べると寡黙かも。はぐれた故郷の人を探していて、その手がかりが少し見つかったみたい。
【ポルタさん】相変わらず暢気そうだったけど、たまに結構年上みたいなことを自然に言ったりする。こっちも案外謎多き存在なのかも。

何をしたかったのかとか何で神官になったのかとか、普段だったら絶対しないような話を色々とする機会があった。
笑われたり怒られたりするかなと思ったけど、全然そんなことは無かった。ずっと後ろめたさのようなものを感じていたのが少し取れて嬉しかったし、だからこそ別れは悲しかった。
最期に救われたと言ってくれたけど……私がもっとちゃんとしていたら、もっとできることがあったのかな……。

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