聖月の恐怖diary

【初めに】
この小説は聖月(作者)のちょっと不思議な体験を書いていきます。
短編集(?)なのですが実体験と創作、実体験をもとにした創作の3種類に分かれます。
そのどの種類かはマークをつけておくのでそれで判断してください。
実体験…“体”
創作…“創”
実体験の創作…❎

少しずつ更新していきます。
不思議な体験として書いていきますが、科学的に証明できる出来事かもしれません。

【登場人物】
小川聖月(オガワミヅキ)  主人公。 ミヅと呼ばれている
小川湖夏(オガワコナツ)       聖月の姉。あだ名はコナ
小川悠貴(オガワユウキ)       聖月の弟。あだ名はユウ
上野紗耶(ウエノサヤ)           英語の先生
山岸かれん(ヤマギシカレン)   クラスメイト

〈1日目:不思議な音〉“体”
 ガラリ。

 授業が始まると、英語の先生・上野紗耶(ウエノサヤ)が教室に入ってきた。

「みんな先に返却しておいたプリント出して。どれくらい付箋ついてる?付箋付いてない人はいいんやで。でもほとんど全員付箋ついてるよね?これが4月とか5月とかならまだおおめにみるけどさ、もう1年生も後半やろ?そんなんじゃあかんわ。そういうのってさ……」

 説教タイムが始まった。クラスメイトの背筋もピンと伸びて、皆真剣に耳を傾けている。


 〜♪   〜♪  〜♪

 かすかに聞こえてきた音。

 誰かが歌っているような……。

 結局、先生の説教はろくに耳に入らなかった。

⭐️

 放課後。

 帰ろうと思い靴を履き替えていると、とても明るく友達の多い山岸かれん(ヤマギシカレン)が声をかけてきた。

「小川さん、英語の時間で上野せんせーが怒ってる時に、誰かゴニョゴニョ言っとらんかった?」

「あ、うん、聞こえた。ん〜ん〜って」

「よな⁉︎あれ何やったんやろ。めっちゃ小さい声やったけど」

たしかにアレは何だったんだろうか。
今でもわからないままだ。









〈2日目:いたずら電話〉“体”

 あれは確か、夜の9時30分頃だったと思う。
 母は先に寝室へ行き、リビングには、私と、姉の湖夏(コナツ)、弟の悠貴(ユウキ)だけが残されていた。

 ───トゥルルルル トゥルルルル

 突如鳴り始めた家の固定電話。漫画を読んでいた私は姉に声をかけた。
「コナ、電話なってるよ〜」

 コナが受話器を取り、しっかりした声で話し始めた。

「はい、小川です。どちら様ですか?………」

 コナは受け答えだけして少しも喋らない。それどころか首まで傾げている。

「ねぇミヅ。ちょっと来て」

 コナに呼ばれてそばに行くと、受話器を渡された。

「……?」

 受け取って耳に当てると、

「くすくす、くすくす、くすくすくすくすくすくす」

 誰かが笑っているだけの電話だった。

「どうしたの?」

 弟のユウもそばまで来て不安げな顔をしている。
 ユウに受話器を渡すと、

「……。切れてるけど」
「えっ⁉︎」

 驚いて受話器を取り返し耳を当てると、ツー、ツーという電子音が聞こえるだけだった。

「こなっちゃん、切れてる」

 コナにそう言うと、コナは

「うん」

と答えただけだった。

3人で今のはなんだったのだろうかと話していると、

───トゥルルルル トゥルルルル

再び電話が鳴り始めた。みんな息を飲み、けたたましい電子音をあげる電話を見つめる。

「はい、小川です」

 最初に動いたのはコナだった。

 コナは黙って、今度はユウに受話器を渡した。

「ヒッ」

 ユウが体をこわばらせる。

 ポイっとコナに受話器を投げ、涙目でコナに縋り付く。

 私が受話器を取って耳を当てたときには、もう電話は切れていた。

「こなっちゃん、私この電話を誰がかけてきたかわかるかも」

 私はそう言ってコナから受話器を受け取りボタンを押す。

 履歴に出てきた数字は、

「0×0  ××××  ××××    だって」

 コナが携帯を操作して何かを調べている。
 コナの指が止まり、

「○○病院からかかってきてる」

「○○病院⁉︎」

 ○○病院。ここら辺で1番大きな病院だ。
 そこがいたずら電話をかけているとは到底思えない。

 ───トゥルルルル トゥルルルル

 3度目の電話が鳴り始めた。

「もうやだぁ‼︎」

 ユウが泣きながら母のいる寝室へ走っていった。
 すると、受話器を取る前に電話が切れた。

 コナと一緒にユウを追いかけると、寝室でが母に抱きついていた。
 その隣で母はニヤニヤと笑っている。

 聞けば、これは母のいたずらだったらしい。
 3度目の電話をかけた時にユウが怖がって部屋に走ってきたから、慌てて電話を切ったという。

 ……でも。

 それじゃあなんで、履歴には病院からかかってきたと記録されていたのだろう。

 あの電話番号は、いたずらをした母のものではなかった。

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