さあ、冒険を始めようか(無)

ドラゴンキャッスルズ
・リプレイ1

「さあ、冒険を始めようか」

使用ルール:ドラゴンキャッスルズRPG
ゲームマスター(GM):リュウケン
プレイヤーA:酒場オーナー(酒オ)
プレイヤーB:ブラッシー
プレイヤーC:ミスター


1◇始まりは夜

8月も終わりに近い夜の7時。
リュウケン氏に友人のブラッシーから
一本の電話が。

ブラッシー
「渋谷に面白いお店があるんだけど、そこでドラゴンキャッスルズやらない?」

リュウケン
「い、いまから!?」

と言いつつ、ドラゴンキャッスルズのためなら何処へでも出前の覚悟あり。
(よっ!リュウケン!ゲームマスターのかがみっ!!)

リュウケン
「わかった、じゃあ支度して行きます」

と、道具を揃えて渋谷の町へ。
しばらくウロウロして到着は夜の9時半頃になった。

リュウケン
「あ!ここの地下かー」

小さいながらもエレベーターのあるその建物の地下が指定された酒場だった。

とりあえず階段のほうを使って地下へ。

すると、見覚えのある二人と初めて会う酒場のオーナーが。

酒場オーナー(酒オ)
「こんにちは、いらっしゃいー」

ブラッシー
「あーきたきたー」

ミスター
「おお、先日はありがとうございました」

実はリュウケン、1週間ぐらい前に、ブラッシーとミスターが主催するパーティーに参加していたのだ。

リュウケン
「今日は不思議な酒場に呼んでいただき、ありがとうございます」

酒場オーナー(酒オ)
「いえいえ、ここはたまにボードゲーム会とかもやってるんですよ」

ブラッシー
「なんかね、ここのオーナー、昔はソードワールドやD&Dのルールブックやリプレイを読んだりしてたみたい」

リュウケン
「おお!それなら話がはやい」

などと雑談していると、すでに30分が過ぎさっていた。

ブラッシー
「ところで今日はできるの?あれ」

リュウケン
「あれってドラキャス?」

ブラッシー
「うん、あるならやってみようよ」

リュウケンはごそごそとカバンをあさる。
次々と出てくる。TRPG七つ道具。
[ぴかぴかぴかーーーーっ♪]
ダイス!
ダイストレイ!
ミープル!
ルールブック!
キャラクターシート!
消せるボールペン!

リュウケン
「はぁ、はぁ、はぁ」

ブラッシー
「いろいろ出てきたね」
「ぼくはドラキャスやったことあるけど、他の二人は初めてだから、よろしくねー」

リュウケン
「お、おー、まかせてー」

酒場オーナー&ミスター
「よろしくお願いしますー!」

リュウケン
「了解です!では…」

リュウケン
「さあ、冒険を始めようか」


2◇どんなキャラにしようかな?

リュウケン(GM)
「まずは自分の分身になるキャラクターをつくりましょ」

ミスター
「私はどんなのをつくろうかな」

リュウケン(GM)
「まずはクラス(職業)の決定を」

リュウケン(GM)
「今回は基本3クラスと
追加3クラスから選べるようにします」

そう言いながら
ドラキャス・サプリを開く。

ブラッシー
「たしか、基本クラスは、戦士(ファイター)、魔法使い(メイジ)、盗賊(シーフ)の三種類だったかな?」

リュウケン(GM)
「そうそう、そして追加のクラスは、吟遊詩人(バード)、僧侶(プリースト)、魔法戦士(ファイターメイジ)の3つだね」

リュウケン(GM)
「あと、キャラクターに思い入れてもらいたいから、ドラキャス・アドバンスから、【詳細能力値】と【得意なこと】も追加するよ」

ミスター
「どれがいいのかなー?」

ブラッシー
「最初は基本の3クラスから選ぶと良いんじゃないかなー?ですよね?」

リュウケン(GM)
「そうだね、パーティー(仲間)での役割もあるからね」

ブラッシー
「じゃあ、おれは、ふたりが決めてからにしようーっと」

酒場オーナー(酒オ)
「では盗賊やります」

リュウケン(GM)
「おお!ドラキャスでの盗賊はおもにアイテム調達で力を発揮しますよ」

酒場オーナー(酒オ)
「へー!そうなんですね」

ミスター
「私は戦士かなあ」

ブラッシー
「それは良いんじゃない?基本だし」

ミスター
「じゃあ、戦士にします!」

リュウケン(GM)
「ミスターはボードゲームやTRPGはやるの?」

ミスター
「何か子供たちが読んでるのを見たりしてますね」

リュウケン(GM)
「なるほど!どういうものかは、何となくわかる感じね」

ミスター
「はい、よろしくお願いしますー!」

ブラッシー
「さて、のこるはタワシ、じゃなくて私」

リュウケン(GM)
「うんうん、タワシおじさんと呼ばれてるだけあるね」

ブラッシー
「まあ、それは置いといて」

ブラッシー
「どうしようかなー吟遊詩人や僧侶も魅力的だけど」

「やっぱり魔法が使えなくちゃね」

リュウケン(GM)
「と、いうことは」

ブラッシー
「魔法使いにします!」

リュウケン(GM)
「オッケー!これで3人のクラス(職業)は決まったね」

「シーフとファイターとメイジ、基本の3クラスでバランスも良いですね」

リュウケン(GM)
「それではルールブックに書いてある能力値、HP(ヒットポイント)、ダメージ値をキャラクターシートに書き写してください」

酒場オーナー(酒オ)
「えー、能力3、HP3、ダメージ1と」

ブラッシー
「魔法使いは能力4、HP2、ダメージ0ね、ダメージ0!」

リュウケン(GM)
「はい、そのままだと物理攻撃してもダメージはいきませんね」

ブラッシー
「そのかわり魔法がある」

「あれ?攻撃魔法も回復魔法も使えるのか」

リュウケン(GM)
「ですねー!ドラキャスでは魔法使いは回復の魔法もつかえますよー」

一同
「おおーっ」

ミスター
「私は戦士だから能力2、HP5、ダメージ1に戦士のレベル1を足してダメージ2だ」

リュウケン(GM)
「うん、戦士の特徴だね」
「では数値を書き写したので」

「年齢や性別とそれから
名前を決めましょうか」


3◇名前、どうしよう?

酒場オーナー(酒オ)
「私は男で、オッサンの盗賊」
「年齢は40ぐらい、42歳かな」

ミスター
「性別、当然、男だなぁ」
「年齢は40!」

ブラッシー
「う!おれも100才ぐらいの爺さんにしようかと思ったんだけど、ふたりともオッサンかあーーっ」

ブラッシー
「こ、ここは、女の子にしよう」
「魔法使い、17歳の女の子にします!」

リュウケン(GM)
「わかりました ー!オッサン、オッサン、女の子のパーティーですね」

(なんだろう?初心者二人なのに、ものすごいベテランのオーラを感じる…)

リュウケン(GM)
「で、では名前を教えてください」

酒場オーナー(酒オ)
「私はオータムで」

リュウケン(GM)
「おお!この酒場と同じ名前ですね!」

酒場オーナー(酒オ)
「はい、偽名かもしれませんが」

リュウケン(GM)
「ほほう、とても盗賊らしいぞ」
「ほかのふたりは?」

ブラッシー
「ガンダルフとかそのままじゃまずいかなあ?あ、女の子だから」

「ワンダとか、あ!ワンダルフにします!」

リュウケン(GM)
「うお!斬新だけど何かいい名前ですね!それで行きますか」

ミスター
「名前、どうしよう?ブルース・リーとか?」

リュウケン
「そうですね、実在の名前を使う場合は、少し文字っていただけるとありがたいです」

ミスター
「そうだよねー、そのままになっちゃうもんね」

ミスター
「あ!グリーンで」
「ミスターグリーンと呼ばれています」

リュウケン
「おお、通称ですね」
「そう呼ばれている戦士、面白いですね」

こうして

シーフ(盗賊)のオータム
メイジ(魔法使い)のワンダルフ
ファイター(戦士)のミスターグリーン

という3人のキャラクターができあがった。

リュウケン
「楽しい感じの3人ですね!ではもう少しキャラクターを掘り下げていきますか」


4◇得意なことや優れた能力を決めよう

リュウケン(GM)
「じゃあ次は【詳細能力値】【得意なこと】を決めていきましょうか」

酒場オーナー
「しかし、オータムは42歳まで何やってたんだろう?」

「いきなり冒険者になるわけだからなあ」

リュウケン(GM)
「何か仕事に飽きて転職したとか?」

酒場オーナー
「そういう可能性もあるのかー」

リュウケン(GM)
「などと考えつつ【詳細能力値】を決めましょう」

「[筋力][器敏][感覚][魅力][精神][知力]の6つがあるので、その中でも高くしたい詳細能力を決めてください」

酒場オーナー
「[感覚]が鋭い盗賊がいいな」

リュウケン(GM)
「では[感覚]の値を4にして、ドラキャス・アドバンスにある表で決めましょう」

「それと最初に1ポイント、どこかの値を増やせます」

酒場のオーナー
「じゃあ盗賊なので[器敏]に+1ポイントします」

ブラッシー
「詳細能力値は6に増やせるのかな?」

リュウケン(GM)
「うーん基本、判定するときにダイスで6の目を出すと、自動失敗になるので、通常の値は5までです」

ブラッシー
「りょうかーい」

ブラッシー
「ワンダルフちゃんは[精神]かな」

「さらに[精神]に+1」

ミスター
「ミスターグリーンは戦士だから当然[筋力]にします」

「武器使うから[器敏]に+1だなー」

各プレイヤーは一番高い能力値を決めて、それに従ってドラキャス・アドバンスにある詳細能力値の決定表でダイスをふって決定。

さらに1レベルでもらえる追加ポイントで好きな詳細能力に+1ポイントした。

リュウケン(GM)
「えーと、どれどれ」

「各自の詳細能力値はどうなったかなー」

◯各キャラクターの【詳細能力値】

盗賊オータム
[筋力2][器敏2][感覚4]
[魅力3][精神3][知力1]

魔法使いワンダルフ
[筋力3][器敏1][感覚2]
[魅力1][精神5][知力3]

戦士ミスターグリーン
[筋力4][器敏2][感覚3]
[魅力2][精神3][知力1]


リュウケン(GM)
「わ、わりと個性的なパーティーになりそうだね」

「じゃあ次にそれぞれの【得意なこと】を決めていこうか」

ミスター
「得意なこと?」

リュウケン(GM)
「得意なことの行為を判定するときは詳細能力値を+1点できるんだ」

ブラッシー
「へーワンダルフちゃんは[調理]だな」
「それと実用的に[魔物知識]!」

酒場のオーナー
「オータムは盗賊だから[目利き]と[詐術]」

ミスター
「ミスターグリーンは[握力が強い]と[忍び歩き]をとります」

リュウケン(GM)
「あ、[忍び歩き]は盗賊用の【得意なこと】だから戦士だと無理かな」

ミスター
「あ、そうか!じゃあ[ジャンプ]で」

リュウケン(GM)
「うん、これでだいたいキャラクターができたかな?あとは初期装備だね」

◯各キャラクターの【得意なこと】

盗賊オータム
[目利き:知力系:魔法使・盗賊が使用可]
[詐術:魅力系:全クラスが使用可]

魔法使いワンダルフ
[調理:器敏系:全クラスが使用可]
[魔物知識:知力系:魔法使が使用可]

戦士ミスターグリーン
[握力が強い:筋力系:戦士が使用可]
[ジャンプ:器敏系:戦士・盗賊が使用可]


5◇最初の持ち物を決めよう!

リュウケン(GM)
「それでは各キャラクターの最初の装備ですが」

ブラッシー(ワンダルフ)
「お、魔法使いは最初から[攻撃魔法]と[回復魔法]の両方を持ってるんだ」

酒場オーナー(オータム)
「へー!盗賊は[ナイフ]に[銀貨1枚]と」

ミスター(ミスターグリーン)
「戦士は[剣]と[銀貨1枚]」

リュウケン(GM)
「そう、それと各自アイテム獲得判定に1回ずつ挑戦できる」

ミスター(ミスターグリーン)
「アイテム獲得判定?」

リュウケン(GM)
「うん、これがドラキャスのひとつの大きな特徴なんだ」

「プレイヤー自身が欲しいアイテムを指定して、各アイテムに設定されている[入手難易度]以下のダイス目が出たら、そのアイテムを入手できる」

酒場オーナー(オータム)
「ああ、なるほど」

「つまり、成功すると欲しいものが手に入って、失敗すると何も得られないと」

リュウケン(GM)
「そうそう、ただ宝物とか、特殊なアイテムはゲームマスターが許可しないと挑戦できないよ」

「使用するのにレベル制限があるアイテムもあるしね」

ブラッシー(ワンダルフ)
「これは、簡単に手に入るものか、難しいのに挑戦するか、悩むよなあ」

酒場オーナー(オータム)
「じゃあ、自分は[パーツメイル]に挑戦します」

リュウケン(GM)
「あ、盗賊はクラスの特徴として、アイテム獲得判定の時に、1点有利になるよ」

酒場オーナー(オータム)
「[パーツメイル]の[入手難易度]は3だから、4以下で成功になるのか」

コロコロ(ダイスをふる)…3!

酒場オーナー(オータム)
「よしっ!ゲット!」

ブラッシー(ワンダルフ)
「わたしは[罠解除用具]を」

コロコロ(ダイスをふる)…1!

ブラッシー(ワンダルフ)
「うん、成功だね!」

ミスター(ミスターグリーン)
「私は[名のある武器]に挑戦」

コロコロ(ダイスをふる)…6!

ミスター(ミスターグリーン)
「げっ!失敗だぁ」

「ああ、[名のある武器]は能力値が1つ上がるから欲しかったんだけどなぁ」

リュウケン(GM)
「うん、6じゃしかたないねー」


5◇最初の冒険って何だったっけ?

リュウケン(GM)
「ではいよいよ冒険です」

「これからはキャラクター名で呼ぶので、よろしくお願いしますー」

ワンダルフ(ブラッシー)
「よろしくー」

オータム(酒場オーナー)
「わかった」

ミスターグリーン(ミスター)
「了解」

リュウケン(GM)
「それでは三人が仲間となって冒険する前に、どんな冒険をしていたかを決めます」

ワンダルフ(ブラッシー)
「へー!そんなのあるんだ」

リュウケン(GM)
「特殊ルールなので毎回決めるわけではないですが、思い入れしやすくなるので」

オータム(酒場オーナー)
「へー」

GMはアルゴラインズ出版の[RPGメーカー]を取り出して【最初の冒険】表を見る。

GM(リュウケン)
「オータムから決めますか」
「ひとつひとつダイスをふっていこう」

【最初の冒険】表(1D6)
◯冒険の内容は?
◯誰からの依頼?
◯どんな地域だった?
◯どんな場所だった?
◯難しい冒険だった?
◯時刻は?
◯ハプニングはあった?

GM(リュウケン)
「えーと、それぞれ7回ずつダイスをふってもらうよ、どんな冒険だったかな?」

オータムの【最初の冒険】
モンスター退治・親族の依頼・町の近く・平原・ちょっと難しい・夜・敵と会う

ワンダルフの【最初の冒険】
薬草採取・友人の依頼・人里離れた所・洞窟・ちょっと難しい・昼・動物と会う

ミスターグリーンの【最初の冒険】
モンスター退治・冒険者の依頼・村の近く・森・まあまあ簡単・夜・村人と会う

GM(リュウケン)
「うん、というのが盗賊オータム、魔法使いワンダルフ、戦士ミスターグリーンのそれぞれのデビューの冒険だったということになるね」

オータム
「いきなり親族からモンスター退治依頼か、わりと頼りにされてたとか?」

ワンダルフ
「薬草採取!らしいらしい」

ミスターグリーン
「戦士としては妥当な冒険だな」

GM(リュウケン)
「じゃあ、各自、冒険回数を0回から1回にしてね」

「ちなみに、冒険回数は5回で1レベルあがりますよ」

ワンダルフ
「あと4回かぁ」

GM(リュウケン)
「最初の冒険は今回だけだからね」
「では冒険回数が増えたので、1回、アイテム獲得判定ができるよ」

一同
「おおーっ」

今回は全員、アイテム獲得判定に失敗。

GM(リュウケン)
「ま、そんなこともありますよ」

「では、いよいよシナリオに移りますね、三人の冒険、始まりです!」


6◇シナリオスタート!

GM(リュウケン)
「ちゃんと時間がある時は1,2時間ぐらいのシナリオをやるんだけど」

「今日はあまり時間も無いので、スーパーショートシナリオ(SSシナリオ)をやります」

ワンダルフ(ブラッシー)
「はーい」

GM(リュウケン)
「SSシナリオは本来いきなり状況説明→戦闘なんだけど、今回はドラキャス初めてな人もいるので依頼される所からやるね」

うなづく一同。

オータム(酒場オーナー)
「そもそも、この三人はどうやって会ったんだ?」

GM(リュウケン)
「ふふふ、【パーティー集合】表というものをつくってみました」

コロコロ(ダイスをふる)…3!

GM(リュウケン)
「表によると同じ宿にいるみたい」

【パーティー集合】表(1D6)
1:仲間が呼ぶ
2:NPCが呼ぶ
3:同じ宿
4:同じ場所
5:目的が一緒
6:その他(ふりなおし)

ワンダルフ(ブラッシ)
「あー、宿屋の酒場でたまたま同じテーブルにいる的な」

オータム(酒場オーナー)
「朝食をとっていると目の前に二人が」

ミスターグリーン(ミスター)
「私とワンダルフですね」

GM(リュウケン)
「そうそう、そうすると、宿屋の亭主が三人のほうにトコトコと歩いてくるよ」

「背の低いお爺さんだね亭主は」

オータム(酒オ)
「これは亭主、用事かな?」

宿屋の亭主(GM)
「実はちょうど冒険者を探している人がいまして、ちょいと皆様、会っていただけませんかね?」

ミスターグリーン(ミスター)
「皆様?おお、いつの間にか仲間にされてる」

ワンダルフ(ブラッシー)
「ええ、いいですよ、これも何かのご縁だし」

そう言って大きな三角帽をつまみ、会釈するワンダルフ。

ここで、冒険者三名の容姿をそれぞれ確認するゲームマスター。

GM(リュウケン)
(おお、皆さんキャラクターの絵を描いてる!びっくり!)

◯魔法使いワンダルフ
大きな三角帽をかぶった17歳の美女

◯盗賊オータム
前髪が紅葉のような形に白くなっている目付きのするどい中年男性

◯ミスターグリーン
派手なマントを身につけた、ほっそり顔の年齢不詳の怪しい戦士

GM(リュウケン)
「な、なるほど」
(ひとりひとりはそうでもないけど、三人でいると目立ちそうだな)

GM(リュウケン)
「宿屋の亭主はひとりのオジサンを連れてくるよ」

宿屋の亭主(GM)
「この人は近所に住んでるシュスタさん」
「皆さんに頼みごとがあるとか」

シュスタ(GM)
「はじめまして、冒険者の皆様、シュスタと申します」

GM(リュウケン)
「えーと、【詳細能力値】や【得意なこと】で何かわかるかもしれないから、[感覚]か[知力]で判定してみて」

オータム(酒オ)
「[感覚4]です」

ワンダルフ(ブラッシー)
「[知力3]あります」

ミスターグリーン(ミスター)
「[感覚3]でダイスふります」

コロコロ(ダイスをふる)…
オータム、3、成功!
ワンダルフ、4、失敗!
ミスターグリーン、3、成功!

GM(リュウケン)
「二人成功だね!うん、シュスタさんは、身なりから、中流階級の上ぐらいの身分で貴族ではない、とわかる」

オータム(酒オ)
「ふーん、頼み事は何だろう」

シュスタ(GM)
「実は大事にしていた家の宝物が怪物に盗まれてしまいまして」

ミスターグリーン(ミスター)
「ふむ、われわれに取り返して来て欲しいと」

シュスタ(GM)
「はい、お礼はいたします」
「各自、銀貨2枚」

オータム(酒オ)
「それは相場的にどうなんだろう」

ワンダルフ(ブラッシー)
「貴族じゃないから、そこまでお金持ちでも無いみたいだし」

GM(リュウケン)
「オータムは盗賊だからえーと【得意なこと】[詐術]で聞きだせるかも」

オータム(酒オ)
「[詐術]でダイスをふります」

コロコロ(ダイスをふる)…5!失敗!

オータム(酒オ)
「あーわからない、きっと相場なんだろう」

ワンダルフ(ブラッシー)
「わかりました、引き受けましょう」

ほっと安堵するシュスタ氏。

あれ?なんかちょっと変かな?

…ということで

GM(リュウケン)
「【詳細能力値】[精神]か[魅力]で判定してみて」

オータム(酒オ)
「[精神3][魅力3]、[精神]で判定します」

ワンダルフ(ブラッシー)
「[精神5][魅力1]なので[精神]で」

ミスターグリーン(ミスター)
「[精神3]だから、それで」

コロコロ(ダイスをふる…
オータム、4、失敗!
ワンダルフ、1、完全成功!
ミスターグリーン、5、失敗!

ワンダルフ(ブラッシー)
「ゲームマスター、1出ました」

GM(リュウケン)
「おお![精神5]もあるのか、それで出目が1!!」

「じろじろと見つめるワンダルフちゃんに、耐えられなくなったシュスタさんが、ぼそぼそと何か話し出しました」

ミスターグリーン(ミスター)
「え?なになに?」

シュスタ(GM)
「あのぅ、奪われたのは家宝の斧なんですが、モンスターというのがバグベアという、ちょっと厄介なモンスターでして」

ミスターグリーン(ミスター)
「ん?バグベア??」

GM(リュウケン)
「あー、ワンダルフは魔物知識持ってるから知っていても良いかな」

「そんなにめずらしくもないモンスターだし」

ワンダルフ(ブラッシー)
「はい、バグベアって?」

GM(リュウケン)
「わかりやすく言うと、大きな毛むくじゃらのゴブリンという感じかな、身長2メートルぐらい」

ワンダルフ(ブラッシー)
「うひゃーでかい」

オータム(酒オ)
「それって強いですか?」

GM(リュウケン)
「たぶんわりと強いかも」

オータム(酒オ)
「うわーそれ、町の兵隊とかに頼んだら良いレベルじゃない?」

GM(リュウケン)
「この町は頼みごとがあると強い冒険者に依頼する習慣があって…」

ミスターグリーン(ミスター)
「で、勝てなそう?」

GM(リュウケン)
「いや、三人いるから何とかなるんじゃないかな」

オータム(酒オ)
「うーん、それならやはり引き受けるか」

ワンダルフ(ブラッシー)
「ま、とりあえず、やってみよー!」

と、いうことで

三人はシュスタさんの依頼を引き受けることになった。

所持金もあまり無いので、そのまま出発することに。

GM(リュウケン)
「さあ、準備はいいかい?」


7◇モンスターの巣へ!

GM(リュウケン)
「それでは【いまの状況】説明」

「目の前には洞穴、そこにバグベアの巣がある」

「君たちは意を決して巣に踏み込んだ!」

ミスターグリーン(ミスター)
「剣を構えます」

ワンダルフ(ブラッシー)
「魔法用意っ!」

オータム(酒オ)
「警戒しながらナイフを構えます」

洞窟に入る3人。

中からガチャガチャする音と何やら唸るような声、それから汗臭い獣の臭いがする。

ひときわ大きな声が響いた。

バグベア達が侵入者に気づいたようだ!!

GM(リュウケン)
「向こうのほうからバグベア達が向かってくる」

オータム(酒オ)
「数は?」

GM(リュウケン)
「3体来るよ!」

オータム(酒オ)
「3体か!多いな!」

ミスターグリーン
「同数だな」

GM(リュウケン)
「ワンダルフは[魔物知識]があったね!【得意なこと】判定していいよ」

ワンダルフ(ブラッシー)
「わかった!!」

コロコロ(ダイスをふる)…1!完全成功!!

GM(リュウケン)
「おお!完全成功か!!」

「ではデータまでわかります」
「バグベアのデータは、能力2、HP4、ダメージ2です」

オータム(酒オ)
「つ、つ、強いぞ!でも、やるしかない」

GM(リュウケン)
「それでは戦闘開始です」


8◇戦闘開始!!

ドラゴンキャッスルズRPGの
戦闘の流れは1ターン(巡)目

1:戦闘前行動(アイテム使用など)
2:列の決定(前列・後列の決定)
3:行動順番決定(イニシアチブ決定)
4:行動解決(戦闘やダメージ解決)

となります。

2ターン(巡)目からは戦闘前行動が無くなるので

1:列の決定(前列・後列の決定)
2:行動順番決定(イニシアチブ決定)
3:行動解決(戦闘やダメージ解決)

の繰り返しとなります。

GM(リュウケン)
「それではまず戦闘前行動」

使えるアイテムなどが無いため
戦闘前行動は双方無し。

GM(リュウケン)
「では列の決定、バグベアは肉体派なので3体全部、前列です」

ワンダルフ(ブラッシー)
「魔法使いだから後列にいきます」

ミスターグリーン(ミスター)
「戦士だから前列へ」

オータム(酒オ)
「盗賊だけど、戦えるから前列だな」

ドラキャスでは
前列は敵の前列を攻撃できて、
後列は攻撃系の魔法か遠距離攻撃があれば敵を攻撃できます。

それを踏まえて今回の列の決定では

【敵前列】
バグベアA、バグベアB、バグベアC
【敵後列】
無し

【味方前列】
ミスターグリーン、オータム
【味方後列】
ワンダルフ

という並びになりました。

GM(リュウケン)
「それでは行動順番決定です」
「ダイスを各自ふってください」
「行動順番はダイス目が大きい人からです」

コロコロ(ダイスをふる)…
バグベアA→3
バグベアB→2
バグベアC→5

オータム→4
ワンダルフ→3
ミスターグリーン→2

ということで行動順番はダイス目の大きいキャラクターから順に

【1番目】ダイス目→5
バグベアC
【2番目】ダイス目→4
オータム
【3番目】ダイス目→3
バグベアA
ワンダルフ
【4番目】ダイス目→2
バグベアB 
ミスターグリーン

となりました。

ミスターグリーン(ミスター)
「同じダイス目の人はどうなります?」

GM(リュウケン)
「同時解決とみなすのですが、基本は敵側から判定します」

「ドラキャスでは敵の攻撃を[守備]するという選択があるので、敵の攻撃が当たっているかどうかが、わかっていたほうが[守備]に有利なのです」

ミスターグリーン(ミスター)
「うーん、とにかく同時解決で、敵側からですね!」

GM(リュウケン)
「はい、進めていくとわかりますよ」

「では、バグベアCの攻撃、バグベアは[能力2]なので、2以下であたり!」

攻撃対象は手当たり次第ランダムで。
目標は前列のオータム!

コロコロ(ダイスをふる)…3!失敗。

GM(リュウケン)
「次はオータムの番ですね」

オータム(酒オ)
「私は[能力3]だから3以下で成功」
「まだ攻撃してないバグベアBを狙います」

コロコロ(ダイスをふる)…3!成功。

オータム(酒オ)
「よし!とりあえず当たり!ダメージは1かぁ」

バグベアBのHP4→3

続いてバグベアAの攻撃は失敗。

GM(リュウケン)
「ワンダルフの番だね」

ワンダルフ(ブラッシー)
「えっと攻撃魔法は何回使えるのかな?」

GM(リュウケン)
「1戦闘につきレベル回数だから、1レベルの今は1回だね」

(回復魔法は[1日につき]レベル×2回)

ワンダルフ(ブラッシー)
「よしっダメージを受けているバグベアBに攻撃魔法!」

攻撃魔法は自動命中なのでバグベアBに2点のダメージ!

バグベアBのHP3→1

GM(リュウケン)
「バグベアBはボロボロだね、もうすぐ、倒れそう」

「でもそのバグベアBの反撃」

バグベアBは攻撃してきたオータムを狙う。

コロコロ(ダイスをふる)…2!成功。

バグベアBの攻撃がオータムにヒットする。

オータム(酒オ)
「うわっイタタタ」

オータムのHP5→3

GM(リュウケン)
「続いてバグベアCの攻撃、えーとランダムで攻撃なんだけど、こいつもオータムを狙うみたい」

コロコロ(ダイスをふる)…1!成功。

オータム(酒オ)
「またきたー!」

オータムのHP3→1

オータム(酒オ)
「ヤバイ!あと一撃で倒れる」

GM(リュウケン)
「最後にミスターグリーンの番だね」

ミスターグリーン(ミスター)
「よしっ!戦士は2以下か、けっこう難しいぞ」

コロコロ(ダイスをふる)…3!失敗。

ワンダルフ(ブラッシー)
「あーっおしい!!」

【1ターン(巡)目の結果】

バグベアAのHP4
バグベアBのHP1
バグベアCのHP4

オータムのHP1
ワンダルフのHP2
ミスターグリーンのHP5


9◇バグベアとの死闘!

GM(リュウケン)
「それでは戦闘2ターン(巡)目です」

「列の決定から」

バグベア達は当然、全員が前列。

プレイヤーのキャラクターたちは
1ターン(巡)目と同じでオータムとミスターグリーンが前列、ワンダルフが後列。

戦闘2ターン(巡)目はまず、ワンダルフが回復魔法でオータムのHPを2点回復。

オータムがバグベアBに攻撃をヒット!バグベアBのHP1→0で、これを倒す。

バグベアAの攻撃は失敗、バグベアCの攻撃がミスターグリーンにヒット!

GM(リュウケン)
「では、ミスターグリーンは2点ダメージを受けてください」

ミスターグリーン(ミスター)
「ゲームマスター、さっき言ってた[守備]ってできます?」

ミスターグリーンはまだ[攻撃]をしていないので、[守備]の選択肢がある(戦闘時の行動として、[攻撃]も[守備]も1行動とカウントされる)

GM(リュウケン)
「うん、できるね!ミスターグリーンの[能力2]以下を出せば[守備]になるよ」

ミスターグリーン(ミスター)
「ではやってみます」

コロコロ(ダイスをふる)…2!成功。

ミスターグリーン(ミスター)
「よし!成功した!!」

ガキィーーン!!!バグベアCの攻撃はミスターグリーンの剣で弾かれる!ノーダメージだ。

【2ターン(巡)目の結果】

バグベアAのHP4
バグベアB→死亡
バグベアCのHP4

オータムのHP3
ワンダルフのHP2
ミスターグリーンのHP5

GM(リュウケン)
「それでは戦闘3ターン(巡)目開始!」

3ターン(巡)目はまずワンダルフが
オータムに回復魔法でHP2回復!

次にオータムがバグベアAに攻撃して1ダメージをあたえる。

続いてミスターグリーンがバグベアAに攻撃して2ダメージ!

バグベアCの攻撃は失敗。

【3ターン(巡)目の結果】

バグベアAのHP1
バグベアB→死亡
バグベアCのHP4

オータムのHP5
ワンダルフのHP2
ミスターグリーンのHP5


10◇決着ーっ!!

GM(リュウケン)
「さあ、戦闘は4ターン(巡)目に突入ですね」

ミスターグリーン(ミスター)
「戦うしかあるまい」

黙ってナイフを構えるオータム。

口をきゅっと結ぶワンダルフ。
ちょっと考えている様子。

GM(リュウケン)
「では、前列、後列の決定です」

ワンダルフ(ブラッシー)
「私も前に出ます」

ミスターグリーン(ミスター)
「おお!魔法使いが前にでるのか?」

オータム(酒オ)
「体力少ないから一撃くらうとヤバイぞ」

ワンダルフ(ブラッシー)
「私はもう魔法ないから」

「ここは少しでもヤツらの注意を引きつけます」

味方を有利にと前列に出るワンダルフ。

改めて心を奮い立たせる三人。

GM(リュウケン)
「それを見たバグベアたちは動揺し始めたよ」

GM(リュウケン)
「では行動順番決定です」

コロコロ(ダイスをふる)…
バグベアA→4
バグベアC→2

オータム→3
ワンダルフ→1
ミスターグリーン→5

GM(リュウケン)
「速いのはミスターグリーンですね」

ミスターグリーン(ミスター)
「では、バグベアAを攻撃します!」

コロコロ(ダイスをふる)…1!成功!

GM(リュウケン)
「ん?1?再度ダイスをふって、もう1回、1が出たらクリティカル、ダメージ2倍です」

コロコロ(ダイスをふる)…1!
クリティカル成功!

ミスターグリーン(ミスター)
「でました!クリティカル!」

GM(リュウケン)
「バグベアAの残りHPは1点だから、4ダメージで真っ二つです」

ギイャアアアッ!!

悲鳴をあげて倒れるバグベアA。
これで残りはバグベアCのみとなった。

そこにオータムの攻撃がヒット!バグベアC に1ダメージ。

GM(リュウケン)
「これはさすがに逃亡するなぁ」

「バグベアCが必死の形相で逃げる体制に入ったので、逃亡判定しますね」

逃亡判定は[死亡、気絶していないパーティーの半数以上が能力判定に成功すると逃亡となる]ルールです。

(味方パーティーが逃亡に成功した時はパーティー全員が逃亡となる)

(敵が逃亡に成功した場合はその個体のみが逃亡となる場合と、敵パーティー全員が逃亡となる場合がある)

もし、味方パーティーが全滅しそうになった時は積極的に使っても良いルールなので、覚えておいて損はないでしょう。

GM(リュウケン)
「ではバグベアCの逃亡判定」

コロコロ(ダイスをふる)…1!成功。

バグベアは一目散に洞穴から外に逃げ出していった。

ワンダルフ(ブラッシー)
「てことは、私たち、勝った?」

オータム(酒オ)
「そうなるな」

ミスターグリーン(ミスター)
「よーし!勝ったぞーっ!!」

GM(リュウケン)
「みんなでバグベアの巣を探すと、巣の奥から探し物の斧らしきものが出てきたよ」

オータム(酒オ)
「[目利き]で見てみようかな」

GM(リュウケン)
「どうぞー」

コロコロ(ダイスをふる)…4!失敗。

オータム(酒オ)
「あーっ、わからない」

GM(リュウケン)
「価値そのものはわからないけど[目利き]はあるので、思い入れはあっても、そんなに高価なものでは無い感じがする」

ミスターグリーン(ミスター)
「とりあえずシュスタさんのところに持っていこうか」

ワンダルフ(ブラッシー)
「そうだね」

オータム(酒オ)
「同意だ」

ということで依頼主であるシュスタさんのところに、家宝の斧を持っていく一同。

シュスタさんは非常に喜んで銀貨2枚ずつをオータム、ワンダルフ、ミスターグリーンに手渡そうとする。

GM(リュウケン)
「えーと、ここでオータムは【得意なこと】[詐術]を使ってもいいよ」

オータム(酒オ)
「では使ってみます!」

コロコロ(ダイスをふる)…2!成功。

GM(リュウケン)
「そうすると、オータムがいかにバグベアが強かったか、道のりがどんなに危険だったかを、感動的にシュスタさんに話し始めた」

オータム(酒オ)
「おお!大変な冒険だったよ」

シュスタ(GM)
「わ、わかりました!銀貨3枚を報酬としてお渡ししますよ」

と、依頼主はそれぞれに銀貨3枚を渡す。

ペコリと頭をさげて受けとるワンダルフ。

オータム、ワンダルフ、ミスターグリーンは、そのお金で少しだけ贅沢な夕食を一緒にとることにした。

「三人での最初の冒険に乾杯!!」

GM(リュウケン)
「ここで今回の冒険は終了です」

「皆さん、冒険回数が1回増えて2回になります」

「それとアイテム獲得判定に1回挑戦できますよ!」

ミスターグリーン(ミスター)
「あのぅ」

GM(リュウケン)
「なんでしょう?ミスターグリーン」

ミスターグリーンのプレイヤー(ミスター)
「そろそろ終電の時間なので帰らないと」

リュウケン(GM)
「あ!それは大変だ」

「では、成長やアイテムは次回の開始時にやりましょう」

ミスター(ミスターグリーン)
「す、すみません、とっても楽しかったです!またやりたい」

酒場オーナー(オータム)
「はい、機会をつくりましょう!他の人たちとも遊びたいな」

ブラッシー(ワンダルフ)
「いいですねー!今度はもっと時間があるときに!!」

リュウケン(GM)
「はい!夜の10時頃から始まったから、今日のプレイ時間は、結局1時間ぐらいでしたね」

リュウケン(GM)
「それでは皆さん、お疲れ様でした!」

一同
「お疲れ様でした!今日はありがとうございますー!!」

ひとりとまたひとりと、階段をのぼり、酒場から帰路につく。

渋谷の町に降っていた雨は、いつの間にか止んでいた。

◇◇◇

と好評のうちに、ドラゴンキャッスルズのセッションは終わりました。

このように、ドラゴンキャッスルズRPGは手軽に始めることができるTRPG(テーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム)です。

このリプレイを読んでくださっている皆さんも、ぜひ遊んでみてくださいね!!


ドラゴンキャッスルズ・リプレイ
「さて!冒険を始めようか」

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