否定されたくない。

柚梨です。今日から新学期が始まります。それは良いこと?なのですが……
当然新学期と言うことは決めごとがある。それが私にとって嫌なんす。
「はぁー」
「柚梨~まだいやなのぉー?」
親友の兎です。
「兎~無理だって地獄。地獄。」
「ん~。そんなこと言わない、言わない。楽しく気楽にやろぉーよぉー」
「うん……そうだね…」
私たちはいつも五人でいる。
兎は、他の四人の事が苦手らしく
私としか喋らないけど。
例えばバスの席を決めるとする。
二人ずつしか座れない。
五人だと奇数になって一人余ってしまう。
普通ならじゃんけんで決めると思うんだけど。じゃんけんは嫌と言う。
でも誰も譲らない。
私が良いよと言うのを待つように。
私はいつも我慢している気がする。
そうやって嫌な思いするから
何でも良いよって言うようになった。
良いよって言うのを分かってるから、
誰一人私の代わりに譲ってあげようって言う人なんて居ない。
この前なんて私の存在忘れ去られたぐらいだった。
あの人たちにとって私はそれぐらいの存在なんだなぁって振りきってる。
大丈夫って言ってるけど大事じゃない。
別に決めごとに限った事じゃないけど。
六年だし。最後だから。正直言って私の気持ちも考えて貰いたいものだけど
結局いつもと同じ結果になった運が良いことに兎と同じ係になれたから良かった。

私がわがまま言わず空気ばっか読んでるのはちゃんと理由がある。
嫌われたくない。否定されたくないから。

続く

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